プロローグ 急襲と隠匿
ここは幻想郷。
現代で忘れ去られた物などが集う楽園。
その郷の中にある博麗神社では、「楽園の素敵な巫女」博麗霊夢が、いつものように縁側でお茶を啜っていた。
「今日も平和ね~。平和すぎて暇だけど。」
すると、庭の上空に気配を感じる。この気配は知っている。この幻想郷を管理する、「神隠しの主犯」八雲紫だ。
しかし、今日はいつもとは違う。お得意の「スキマ」を使い突然部屋に現れる訳でもなく、ただこちらを見下げている。
「どうしたの?わざわざ庭に出てくるなんて。何か変なものでも食べたの?それとも藍に怒られでもした?」
「……。」
様子がおかしい。
目に光がない。
「本当に大丈夫?返事ぐらいしなさいよ。」
「……。」
「何なのよ、もう。で、今日はまた何しに来たのよ?お酒なら無いことも……」
まるで聞こえていないかのように。
ゆっくりと掌を霊夢に向けて。
「幻巣『飛光虫ネスト』」
「っ!」
突然だった。いきなり紫が仕掛けてきた。
襲い来る光の弾幕。完全な不意打ち。咄嗟に部屋の奥へ転がる。
吹き飛ぶ縁側。宙を舞う湯吞。
土煙越しに、霊夢は紫を睨みつける。
「あんたねぇ、さっきから何考えて」
「魍魎『二重黒死蝶』」
「ああもう、なんなのよもう!」
再度弾幕が降り注ぐ。
部屋の中では狭いため、屋根を突き破り空へ逃げる。
直後、博麗神社は倒壊。
今日の紫は、いつもとはちょっと違う。いや、ちょっとどころではない。かなり違う。おかしい。
そもそも彼女は、酒や話し相手を要求しても、戦いは要求しない。
しかも、これまでの2つの弾幕、明らかにいたずらの域を超えている。密度もそうだが、威力、殺気、どれを取っても明らかに殺しに来ていることがわかる。
スペルカードの使用宣言をしているだけまだマシなのか。
殺されるような覚えはない。
むしろ日がな酒やを持っていかるやら大きい仕事を押し付けられるやら、償われる側だ。
「あんたほんっと今日何しに来たのよ!嫌がらせにしては度が過ぎてるわ!」
霊夢は珍しく怒り心頭になり、この横暴を問いただす。
紫からの反応は。
無言の弾幕。
「何とか、言いなさいよっ!」
弾幕を搔い潜り、殴りかかる。
しかし、拳には手応えがない。
目の前には、何もなくて。
気付けば、スキマの中にいた。
「うっ」
何者かに手刀を喰らい、意識が遠のいていく。おそらく、紫か藍あたりの仕業だろう……
どのくらい経ったか分からないが。
気が付けば。
見知らぬ、薄暗い、鉄のような、石のような、そのどちらでもないような物に囲まれていて。
彼女は、目を覚ました。
「ここどこ?」
この小説を開いてくださったあなたと全ての方々に、深く感謝いたいます。
自分はこういった作品を書くのは初めてなので、誤字脱字や言葉の使い方がちがう、表現がわかりにくい等ありましたら、コメント等で改善点を教えていただければ幸いです。
完結までがんばっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。