六十話
お久しぶりの更新
あいも変わらずの謎展開に作者自身がついていけない……
加えて、設定やらなんやらが変わってたりして書きにくくなっていく……真綿で首絞めていく感じってこうなのか……
まじめに、設定とかを決めて書き直そうって思った今日この頃
人数減らして七つの大罪に勇者を合わせるか、それとも十二星座に当てはまるか……とか考えたけどそこまで設定作るの怠かったんでなくなったり。
代わりにまた新しい小説のアイデアが浮かんでしまったが、いつまで我慢できるか
「…………お?」
あれ以降、盗賊が現れることはなく。出てくる魔物はメルたちに任せて特に変化のないまま半月が過ぎ。
そろそろお出迎えがあるとレイナから聞いたんだが。
「確か…………」
「甲本沙織とレーチェ・ニゲイルです。月様」
「天宮……生きてたのね」
その言い方だと死んでいてほしかったみたいに聞こえるんだが……本人は純粋に驚いているだけなんだろうな。
と、置いといて。
こんな広い森の中、出会うなんてそうそうない。
だとしたら。
「君らもエルフんとこ行くの?」
「……あんた、雰囲気変わった?」
「自分ではよく分からん」
「そう……。さっきの質問だけど、そうよ」
「何をしに?」
「私からも質問させなさいよ」
「…………どうぞ」
質問ばかりされるのは嫌なものだろう。俺だって嫌だし。
それにしても恰好や雰囲気が……この世界に合ってきたな、と。弓と矢だけでなく、近づかれたときのために短剣も装備しているし。
楽しい楽しくない以前に、この世界に適応しなきゃ生き残れないってのがあるが。
「あんた、今まで何してたのよ」
「何って言われても……ブラブラ?」
「…………っ!」
返しが気にくわなかったのか。俺に近寄ろうと一歩踏み出したと同時に、レイナが滑らかな動きで俺と甲本の間に入ってくる。
「邪魔しないでもらえる?」
「気にくわなければ力ずく。…………浅はかです」
煽られた甲本は俺からレイナに標的を変えたようで。また一歩、踏み出そうとしたところでレーチェと言われていた女性に止められる。
「甲本さん、やめておいたほうがいい。あなたでは絶対に勝てない」
「ほう。見る目があるようで」
「それなりに経験を積んでいますから。…………今の甲本さんでは獣人の子で勝てるかどうか、がいいとこです」
「あなたもそれなりに経験を積んでいるようですが……所詮、それなりにの話です。もう少し頭を柔らかくして広い視野を持つといいですよ」
どこか気に入る部分でもあったのだろうか。レイナが優しくしている。
…………いや、もとよりそこまでレイナのことを知っているわけではないから、こういった一面があるのかと受け止めればいいのか。
師弟の関係であるのか、レーチェに止められた甲本は悔しそうにしながらも大人しくなっている。
「…………甲本の経験を積むため、エルフのとこに?」
「はい。昔、エルフと縁がありまして。そのツテを使って彼女の経験を積ませようかと」
「もう一人、弓を使う子がいたと思うけど」
「彼女はまた別の方法で強くなるかと」
「なるほどね」
「…………ねえ、天宮」
「ん?」
大人しくなったかと思えば、俺のことを真っすぐに見ながら何か覚悟したような表情で呼ばれる。
「本気で……殺す気で私と戦ってほしい」
どんな考えからそんな結論に至ったのか全く分からない。
俺だけでなく他のみんなも混乱しているようで。
「本当に殺されるのは困るけど……私が白旗をあげるまで戦ってほしい。そしたら何が足りないのか分かるような気がする」
甲本がただのマゾ……レイナと同じような香りがしたが、その表情は変わらず真剣であり。
レーチェが甲本にやめるよう説得しているが、聞く耳を持っていない。
「いいよ。まだ、どういった考えでその結論になったのかは分からないけど、暇つぶしにはなってくれると期待しているよ」
「…………腹立つ理由だけど、その顔を驚かせるようにしたいわね」
説得を諦めたのか、レーチェがすでに離れているメルたちのところまで行くのを視界の端に収めながら。弓を構え、矢筒から矢を抜く甲本からも意識を逸らさない。
「…………ん?」
矢筒に入っている矢の数が減っていない。
おそらくもなにも、さすが異世界ということか。ゲームのように無限とは。どうやって補填されているのか少し知りたいところではあるが。
「いつでもいいよ」
そう教えると同時に矢を放ってきた。
矢に魔力をこめたうえ、風の魔法でさらに威力と貫通力を上げている。さらにはチートで命中率とかも上がっているだろうし、動かなければ当たること間違いないだろう。
動かなければ。
ただ、わざわざ動くのも面倒である。氷の壁を五枚ほど、俺と矢の間に造る。
「ふむ…………?」
四枚は壊れるとふんでいたが、三枚目にヒビをいれたところで止まっている。これが彼女の実力なのか、それとも…………。
「殺す気できてって言ったわよね?」
声がしたほうへ振り向けば。懐までもぐりこんでいる甲本と目が合う。弓には矢が三本と、先ほど以上に魔力が込められている。どうやら初っ端から決めに来ているようで。
そのまま躊躇することなく俺に向けて矢を放ち、それは胸へと突き刺さった。
「やっ――」
「それはフラグと言うものさ」
『やった』と言い切られる前に甲本の後ろから耳元へ口を寄せ、アドバイスをしてあげる。その駄賃として胸を数回揉ませてもらったが。
「っ!?」
「おっと」
すぐさま裏拳を食らわせようとしてくるが、本気でと言われたので胸から手を放し、離れて躱す。
「氷の身代わり……」
矢が刺さっているのは俺そっくりに作った氷の彫像である。ただし、胸元にはヒビが入ってボロボロであるが。
「本気で、と言われたので」
「なら、さっき攻撃せずに胸を揉んだのは?」
「こっちのほうが心折れると思って」
「…………あなたの口からギャフンと言わせて見せるわ」
「ギャフン」
「…………」
冗談は通じなかったようで。誰が見ても怒っているのが分かるほどに苛立っている。
「お前さんは……」
「何よ」
ささくれだった心を落ち着かせようと話しかけたのに、どうやら逆効果だったようで。矢に雷を付与して構えている。おそらくは風よりも速度が出て威力もあるだろう。
真面目に付き合ってられないけどね。
「キス、したことある?」
甲本の呼吸を読んで近づいたため、彼女は石になったかのように体を強張らせている。
その無防備な姿にクスリと笑みをこぼしながら、自身の唇を彼女の唇に触れさせ。動き出す前には先ほどと同じ位置まで戻って離れて置く。
「なっ…………!?」
体が動くようになり、何をされたのか理解した甲本は顔を真っ赤にさせ、口元に手をあてている。
その姿を見て不覚にも可愛いなとか思っていたら、レイナたちからハイライトのない目で無言の圧力を感じる。
「可愛い反応だ、と愛でたいところだが……今の状態を含めて、君は何回死んだかな? 始める前になにやらいろいろと言っていたけど、本気で相手をしてもらうにはレベルが低すぎて意味がないよ」
ふざけてばかりでしかいないので、最後にお情けとして一度だけ攻撃をしてみようかなと。
右手を前に出し、指を鳴らす。
それまで呆けていた甲本は何かを感じ取ったようで、その場から逃げようとしたがすでに遅く。地面から生えた氷の棘に身動きがとれなくなっている。
「反応して避けようとしていたのはよかったと思うよ。センスがないわけじゃないから、もう少し自身のレベルに合った相手と戦って経験を積むといいかもね。またキスしてほしいなら相手してあげるよ」
用は済んだであろうし、まだ見ぬエルフがすぐそこにいるのだ。
多少は気分転換になったが、一番の楽しみに期待で胸が膨らむ。
「それじゃ、俺たちは先に行くから。君の先生から多少なりともアドバイスがあると思うし、よく聞いて次に生かせるように期待しているよ」
氷の棘を消し、甲本が地面にぺたんと腰を下ろしている姿を見ながら助言のようなものを残し、レイナたちのもとへと足を向ける。
おそらくは……いや、絶対に胸を揉んだことやキスをしたことが原因であろう。レイナたち全員が病んでる状態となっていた。
久しぶりであるが、そのことに内心喜びつつもここで行為に及ぶわけにもいかないため。この欲求をいつ発散できるのかが問題であった。
ハーメルンのほうで長々と……そう、こちらよりも力を入れて書いていたんだが……
この小説と書き方が違って、それを出さないようにしたけど……どうなんだろ
あっちこっちと書き方変えるの面倒なんで、次の話から書き方変わります。ええ。
それと、ついに1◯禁にまで手を出してしまったので……