五十九話
……さて、なぜこの話を一度削除したかといいますと
五十八話と前半部分が全く一緒だったんですよ!
な、ななななんだって……!
…………一人芝居がこんなに辛いとは!
ってことで、被ってる前半部分を消して投稿し直しますた
そういうわけで、この話は二千文字ほどです…
…………やっぱり、もう少しここに滞在をーー。
「行きますよ。この国の人たちも見送りに来てくれているのですから」
レイナがお母さんみたいになってしまった。
確かにレイナの言っていることは正しいし……こうして大勢の知り合い(?)が見送りに来ているのにもう少しここにいるってのもな……。
「仕方ない。行くかぁ……」
「こんなにも元気のない旅立ちは初めて見たよ」
「月様。私たちのテンションも下がってしまうのでどうにかなりませんか?」
「…………しばらく経てば大丈夫だと思うんだがな」
この街から離れたら次の国への期待からテンションも上がるだろうし。未知なるところを歩くってのも新鮮味があって大変よろしい。
いまの俺は、冬のコタツ状態であろうか。
「ユエ。二人のこと、頼んだぞ」
「もしかしたら怪我はするかもしれんが……死なせはしないさ」
「い、行ってきます、お母さん」
「…………行ってきます」
主に俺のせいで出発の日が伸びたが……取り敢えず、無事にエルフの里へと歩き始める。
「…………やっぱりお菓子を」
「またここに帰って来ればいい」
……襟首を引っ張るのは勘弁してくれませんかね。
☆☆☆
出発してから早くも一週間が経ち。
俺もようやく意識をエルフへと持っていくことができた。
道中に出てくる敵はレナとミオの経験値を積むために任せ、補助をレイナ、メル、ミーニャに任せている。
経験の浅い俺が言うのもなんだが、それなりに経験を積んだ三人はもっと研ぎ澄ますことができるはずであるため、それを意識するように言ってあるが……武術の経験があるわけでもないため、漠然としたアドバイスとなっている。
……それなのに、少しづつ技の鋭さが増している機がするのだが。
「んで、後どれくらいで着きそう?」
「このままのペースですとあと半月ほどですかね」
「……半月、かぁ……」
「これでも早い方なのですよ? 本来ならばもっと魔物に警戒をしていくため、ペースが遅いですし」
「そんなもんか」
和やかな空気のまま歩き続けていたが。
「お、囲まれてるー」
「……ユエが気付かないふりをしろって言ったんじゃない」
「だって……普通に歩いたり魔物狩っていくの飽きたんだもん」
「これもほんの少しの気分転換にしかなりませんよ?」
「無いよりはマシ」
数十分前、盗賊の斥候と思うやつらが俺たちのことを観察しており、いけるとふんだのか。仲間を集めて周りを囲ってきた。
「さて、レナとミオに問題です。囲っているのは何人でしょう」
「「三十四人」」
「獣人は私たち人族よりも五感が遥かに上ですし、二人はミリオナの子です。私たちレベルの魔力量を持っていますし、これくらいなら朝飯前かと」
「んじゃ、レイナも三十四人?」
「いえ、三十八人です」
「ほほぅ?」
回答を求めるため、立ち止まって振り返り。レイナに顔を向ける。
「四人、地面の中に潜んでいます。土魔法を使えるものが穴を掘り、他の三人は隠密に長けたものたちでしょう」
「……あ」
「ほんとだ……」
「よほど特化した人たちなんだろうね。俺も違和感がある程度にしかはじめは感じられなかったし。あると分かって索敵しないと。……これで二人はまだ甘いってことがわかったから、伸びるね」
言いたいことが伝わったようで、二人はやる気を十分に出しながら頷く。
「そろそろ出てきてもらおうか」
俺がそう口に出すと。何も言わず、メルが一度踏み鳴らす。
すると、地面の中に潜んでいた四人が湧き出す温泉のように空へと放り出される。
「たぶん、武器には毒塗ってあるから気をつけてね」
だいたいの盗賊の武器には毒が塗ってあるし、それを除いてもケガしないために攻撃を受けないのは当たり前か。
三人は経験があるから立ち回りもうまく、確実に仕留めていっている。
レナとミオの二人も本能というか直感というか。二人で呼吸を合わせて死角をなくし、人の急所を狙っている。
空に打ち上げられた四人が地面に叩きつけられる前に。俺が土をいじって再び土の中へと埋めて上げた。
先ほどよりも深く深く。運良く出られるとしても土魔法を持つものだけだが、地上に出られるかどうか。
「……こんなとこに人族の盗賊がいるってのもなぁ…………ゴキブリかよ」
いくらでも湧いて出てくる。
どこにでもいる。
条件としては十分でないだろうか。
嫌いであるため、これ以上考えたくないものだ。
「今回の族はなかなかのものでした」
「レイナがそう言うとは」
「月様はやらなくてよかったの? 気分転換とか言ってた気がするんだけど」
「んー、それでも大して変わらないと思ったし。……なら、メルたちの訓練にすればいっかなって。俺が欲しかったのって、ちょっとした変化があれば十分だったし」
「そういうもの?」
「そういうもの」
一部分を除き、周囲を血で染められた森の真ん中で、褒美として皆の頭を撫でながら。
もっと面白いことがないかな、とこれから先起こることへと期待の胸を膨らませる。
誰でも感想が書けるはずですので!
気軽にここおかしいよ!お前の頭もおかしいよ!とやんわり感想くださいな
…………ってか、こんな小説にわざわざ感想や報告くれる人が眩しく思える
……累計PVが百万。お気に入りが九百超えました
……………………なんで?