プロローグ(四章開始)
またも二ヶ月ぶりの投稿…
また新しい作品を載せていることに何人の人が気づいてあるのだろう……はよ、この話の続き書けやって思ってるのでしょう……
思い返してみれば、ヤンデレのパターンが大体一緒なのかなぁ…
例によって例のごとく、本能の赴くままに書いたため。いつも通りの文ですな
【報告】
五十九話ですが、面白おかしい(?)ミスがあったので、一旦削除します!
【報告2】
編集して乗せ直しました!
理由は五十九話に書いてあります!
「……まさか、こんなに早く監禁される日がくるとは」
ベッドの上で横になっていた体勢から体を起こし、こうなった経緯を思い返してみるが……直前の記憶が少し曖昧である。確か……ここは神木って言ってたかな?
エルフの里に一本しかない大木。
中が空洞になってるのは思わなかったが……見た目からしてそうだったがものすごく広いな。
「見回しても大体分かるけど……近くに寄って見たいんだがなぁ……」
右足に繋がれた鎖を見て、ため息をつく。
魔法を使えれば簡単なのだが、この神木にはいわゆるマジックキャンセルの効果があるらしく。
神木の中は魔法が一切使えない。
魔法が使えなければ少し考えが働くだけの人である。
筋力なんて並あればいい俺に鎖を壊すことなんてほぼ無理である。
「すぐ戻るって言ってたが……」
「ただいま戻りました」
入ってきたのは見た目が中学生くらいのエルフである。
あまりにタイミングが良すぎたため、少しドキッとしたが表情にはでなかったが。
「すみません。驚かせてしまったようで。今度からはノックをするように気をつけますね」
彼女にはあまり意味のないことであった。
「謝るほどでもないよ。それよりも、用事はもう大丈夫なの?」
「はい、大丈夫です。ですので、その……頭を撫でてもらってもよろしいでしょうか?」
「いいよ。おいで」
クスリと笑みをこぼしながら。
ベットの淵に移動し、ポンポンと自分の隣に来るよう叩く。
トテトテと可愛らしい効果音が付きそうな歩き方で寄ってきた彼女は俺の横ではなく、股の間に収まるように座ってくる。
「横に来るよう促したの気づいてたろ?」
「えへへ。こっちの方が好きだから」
口ではあんなことを言いながらもそのまま受け入れ、頭を撫でているから俺も大概だろう。
出会った頃も随分と綺麗であったが……ここ数日でさらに綺麗になったと思う。
サラサラの金髪を撫でていたらいたずら心が湧いてきたため。空いていた手で彼女のほっぺたを軽くつまんだり、つついたりを始める。
「きゅ、急にどうしましたですか」
子どもっぽくなった彼女に何も答えず、フフッと笑い声を漏らす。
「何を急に笑ってるです。私はプンプンですよ!」
頭を撫でている手も振り払い、上半身をこちらに向けて頬を膨らませる彼女は怒ってますよアピールをしているつもりなのだろうが、二次元でよくあるただたんに可愛いだけの状態となっていた。
「嫌ならやめるよ?」
「…………嫌とは一言も言ってないです」
続きを催促するかのように再び体を前に向かせ、頭を振って俺の胸をポンポンと叩く。
このまま撫でるのも構わないのだが……それではつまらないため。
「んわっ!? ま、また急にどうしたです!」
腕を回して後ろから彼女をギュッと抱きしめる。
顔を真っ赤にさせ、テンパっている彼女の姿が面白く。クスクスと笑っているとそれに気づいたのか。
「か、からかわないでください」
「そんなむくれないで。嫌じゃないんでしょ?」
「…………ノーコメントです」
プイッとそっぽを向く彼女であるが……ほんと、この見た目で千年を生きてるとは思わないよな。
「何か失礼なことを考えました?」
「いんや、気のせいじゃない?」
「……まあ、いいでしょう」
そう言うと立ち上がり、少し離れて振り返る。
「どうかした?」
「ユエを取り返そうとしている女どもに出した試練のようなものを半分ほどクリアしてまして。普通ならば無理なのですがこのままだと数日のうちにクリアされそうです」
先ほどまでは楽しそうであったのに。苛立っているのか親指の爪を齧り始める。
「ユエからも言ってください。もう一緒に行けないと。ここでずっと過ごすのだと」
顔を俺に向けて、頷いてくれるのを待っているのであろうが……。
「それはちょっと、難しいかな?」
「…………なんで? もしかしてユエも見捨てるの?」
「そうじゃないよ。約束は守らないと」
「で、でもユエは私のこと好きだって……一緒にいてくれるって、言った……」
そのまま小さい声で「一緒いる、好き」と繰り返し連呼し始める。
しっかりした足取りであったのに、壊れた操り人形みたくなりながらこちらへと戻ってくる彼女を優しく迎え入れる。
「一緒じゃなきゃ。ユエは私とずっと一緒にいなきゃいけないの」
離さないとばかりに腕を回し、胸に顔を押し付けながらも呟く彼女がなんだか愛おしく、髪を優しく撫でる。
「ならさ、一緒に行こうよ」
「…………ぇ?」
「一緒にこの世界を見て回ればいいじゃん」
「でも、私はここにいなきゃ……」
「誰一人の例外もなく君を邪険に扱うのに、ここにいる意味はある? 見捨てたのに、離れようとしたら引き止めるのはおかしくないかな?」
「…………」
悩んでいるのか。
何も言わなくなってしまったが、俺の服を掴む手に力が込められていくことが答えを言っているようにも思えた。