五十八話
に、二ヶ月放置する前に書けた…!
…一ヶ月は放置してるんだけどね!
皆様、お久しぶりでございます。残念ながら作者は生きておいでです。
じょじょに一話ごとの文字数が減ってたり減ってなかったり…減ってるんですが!
次にエピローグ書いて次の章だぁ!
……この話も、本来もう少し長い予定でしたが何が狂ったか…初めから狂ってますが
とりあえず、駄文本編へどうぞ
「そろそろ他の国を見て回ろうと思うんだ」
「そのセリフ、何回聞いたかの。あと一日と言うてから五日は経っとるが」
「やっぱり、この国の飯が美味すぎるのがいけないと思うんだ」
そう、この国がいけないのだ。
決して自分がダラダラしたいとかそういったわけではない……はずである。
「でも月様。理由はご飯だけじゃないですよね?」
「時々、目を掻い潜ってはこの国の獣人たちの元へと向かっているそうではないですか」
「いまでは受け入れられ、月様が行くだけで人だかりができるそうですね?」
「あっはっは。……なんだ知ってたの」
そうなのである。
日に日に獣人たちの俺に対する嫌悪感は消え、いまでは歩けば向こうから声をかけられる。
それに加えて愛でるのが上手いことも広まっているのか、撫でてくれと頼んでくれることもある。
はじめは理由が分からなかったが、聞いた話によると助けた獣人の子どもたちによるものらしかった。
愛でることに関しては、ミリオナがロリとなったときに行った甘味処の猫さんである。
それを知った後、また撫でに行ってあげましたとも。
「それでユエ。次はどこに向かうのだ?」
「エルフのとこかな」
「……………………あやつらか」
「何かあるの?」
「妾のとこよりも入るのが難しいと思っておいたほうがよいぞ」
たぶん、初めて見るな。ミリオナが少しではあるが、険しい表情をしているの。
短い付き合いであるから、知らない顔があるってのは分かるが。
「筆を走らせても妾は構わないのだが……あやつらの長まで届くか微妙なとこじゃな」
「月様は知らないと思うけれど、エルフは魔族と人族に対して打ち解けることがないの」
「そうですね。自らが上であると思い込み、他族を見下す傾向にあります。血を大事にし、家族や仲間が傷つくことを許しません」
「獣人や他の亜人と手を組んだのもしかたなくだし。……ただ、魔族や人族は幾度となく裏切ってきたから、もう二度と信用されることは無いって思ったほうがいいよ」
……………………人族滅ぼせば信用してくれるかな?
「月様。やはり滅ぼしますか」
「いや、滅ぼさないよ?」
「ですがいま……」
「滅ぼさないよ?」
「…………はい」
落ち込んでるけどレイナさん。同族ですよね……? なんでそんなに残念そうでもあるんですかな。
レイナだけでなく、メルとミーニャもだが。
肩を落としてまでの残念感を漂わせている。
「正直、妾も何故いまだに人族が生き延びているのか不思議なのじゃ」
「と、いいますと?」
「魔力量に力、その他もほぼ全てにおいてどの種族よりも底辺でいるうえ、同盟を他種族と結んでない。人族の中で揉め事が起こっている。……これだけの条件を言い並べたら余計不思議じゃ」
確かに、そう思うよなぁ。
「ただ、人間ってのは窮地に陥ると団結しだすんだよ。狡賢い方向にだけど頭も働く。それに変異種なのか稀に飛び抜けて頭がいいやつとか魔力量が多いやつ、対人戦に特化したやつとか生まれてくるし。…………でも、生き残ってきた一番の理由って弱いからじゃない?」
「弱いから……?」
「そそ、弱いから。俺の考えだけど、弱くて臆病なのって悪いことじゃないと思うんだ。力がない、だから無理なことはしない。臆病ゆえに、先のことを考えて不安要素を潰していく。そうすることで自ずと生き残っていく道を選んで歩いていく」
「ほう……」
「まあ、本当のところは神のみぞ知るんじゃない?」
すべては所詮、推測である。
当たってるかどうかなんてどうでも…………いつからこんなまともな話に変わったんだろ。
「こほん。……こんな面倒くさい話は忘れて、今後の予定の話に戻すぞ」
「…………そういえば、ユエが旅に出るうんぬんの話であったな」
呆れたような目を向けてくるが……貴様も気づいてなかったのだからお互い様である。
「もうすぐ昼食だろうと思うし、それを食べて食休みして、おやつをいただいてならにしようか」
「それですと、この国を出るときにはすでに日が暮れ始めていますが」
「ならば明日に……」
「永遠ループじゃな」
やっぱりこの国がいけないと思うんだ……。
「妾の国のせいにするでない」
「…………うぃ」
「…………昼は食べて、オヤツなど持って行けばよかろうに」
「なら、向こう一ヶ月分は……」
「三日分じゃな」
「…………あい」
三日分かぁ……空間転移をものにして毎晩帰って来れば……。
「転移とかして帰ってくるなら、旅の意味が無かろうに」
「…………あい」
さっきから心を読まれるのは何故だろうか……。
……………………。
とりあえず、これから先のことは決まってないが決まった。
そして尋ねることが一つ。
の前に行っておくことが。
「レイナたちはしばらく口を挟まないでね。破ったらしばらく口きかないから」
そう言うと分かりやすいというか、単純というか。
ショックを受けた後に口を固く結んで姿勢を正している。
「ミリオナ、俺たちと一緒に来ない?」
そう尋ねると、何か音が響いたが……口を挟んでくることはなかった。
誰か話さないかなぁ……。それはされで面白そうなんだけどなぁ……。
「遠慮しておくよ」
「そっか」
「妾の代わり……と言ったらなんだが、二人を連れて行ってくれ」
ミリオナはそう言ってレナとミオの背を押して俺の方へと差し出してくる。
「二人はこれから先、長く生きられるようになったのだし。妾の後を継いでもらうためにも世界を回っていろんな知識を見てもらわないとな」
「そ、そんなの聞いてない……」
「嫌なのか?」
「「…………」」
ずるい聞き方をするものだ。
二人も俺に目を向けてはミリオナへと目を向け、どう答えたらいいか難しい顔をしているし。
「「…………行ってくる」」
「そうか。何かあったらユエが守ってくれるだろうし、楽しんでくるといい」
お茶を飲みながら気長に待っていると、二人の声が耳に届く。
「……………………邪魔者は多いが、"お兄ちゃん"を頑張ってものにしないとね」
二人の耳元へと顔を寄せたミリオナが何かを言っていたようだが、声が小さすぎてよく聞き取れなかった。
二人の頬が少し赤くなっているが……いったい、なにを言ったのだろうか。
「……お母さんこそ、いいの?」
「…………気づいておったのか?」
「……なんとなく。たぶんお兄ちゃんも気づいてるよ」
「妾は……まあ、大丈夫じゃ。これ以上苦しい思いをわざわざする意味もあるまいに。…………先立たれるのはもうよい」
ふむ……?
コソコソとまだ話しているが、空気が重くなっているような。
「なあ、三人とも。何をそんなに悩んでる?」
「なんでもなーー」
「……お母さんがお兄ちゃんのこと好きだって」
んんんんん。
その話題でありましたか。
俺もミリオナが断って二人を出してきたことに少し違和感を覚えていたが……なるほどなるほど。
これから先、いくつまで生きるか分からないミリオナはもう、親しい人に先立たれるのが辛いんだろうな。
「詳しくは分からないけど、俺は人間の枠に収まってないと思うんだよね。だから人の寿命で死ぬ、ってこともたぶんないと思う」
「何を根拠に……」
「分かるけど、分からないんだ。そう理解はできるけど過程が分からない。……だけど、俺はすぐに死なないよ」
その原因はいくつか推測できるが、どれも当たっているようで違うような気がする。
「それと、ついてこないミリオナにいい言葉を授けよう」
「…………なんじゃ」
「現地妻ってやつさ!」
このとき、なんでこんなことを言ったのだろうな……と後悔するのは、まだしばらく先になってのことであった。
いまの一言によって、のちのある騒動の引き金になることを……このときの俺は見通せないでいた。
学校での授業は頑張ってますが、最近は発売されたばかりのイースを楽しんでおりまする。
エピローグもすぐに書けたら…いいなぁ(遠い目)
はじめに真面目な感じで書いたから、今更ふざけた文にするのもアレですし…やはり初めから書き直すしか…!
もしかしたら、内容をちょこちょこいじって書き直すかもです(言うだけ)
また一ヶ月空くかもですが、このようなマイナーな小説を読んでくださる皆様に感謝をしつつ、作者はゲームをしてまいります。
p.s …ハーメルンの方も読んでおられる方がいたら万々歳ですね!