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五十七話

わーい、二ヶ月ぶりの更新だー(棒)

なんか、いろいろと仕様が変わっててよく分からぬ

…………この小説はどこへ向かうのだろうか

やっぱり、エロ入れると筆が進むな

…ノクターン書くか(((

 はてさて……どうしたものか。

 やはり俺の説明の仕方が悪かったのであろう。あまり予想していなかった方向へと物事が進行していきそうな気がする。


「月様。ようは人族を滅ぼせばいいんだよね?」

「いつもは無理だと思うけれど……今ならなんだって出来そうな気分」

「落ち着きなさい、二人とも。王様をいじめ抜けば済む話よ」

「……いや、王様ってメルの父親だし、レイナが使えてた人だよね? それと落ち着こう? 勘違いしてるからさ……」


 もう、何もかも忘れて眠りたい。

 ただ……いまここで寝るとこの三人が国を滅ぼしに向かいかねないので頭痛の種の一つとなっている。

 ……それに加えて何となくであるが、記憶がいくつか抜け落ちているような気がする。確認のしようがないから気のせいかもしれないが。


「たぶん、人族から戦争は仕掛けてこない気がするよ」

「ほう。いきなりどうしたのだ?」

「どうしたって言われても……本当にただの勘なんだけど、いまそんなことをしている余裕がないような気がする」


 何の確証もない。ただ何となくそんな気がするだけ。

 そんな理由であるはずなのに、ミリオナはそのことを信じるかのように頷いている。


「三人も面倒なことをわざわざしなくていいから。まだまだ見て回るところはたくさんあるのだし、自分から火をつけにいかなくてもいいよ」

「……月様がそう言うなら」

「……大人しくしてる」

「分かりました」


 伝えることは伝えたし、三人も一応は大人しくなったから今後どうしていくか頑張って考えようと思っていたのだが……何故か全員から視線を集めている。


「……どうかした?」

「いえ……月様、ですよね?」

「そうだけど……」

「すみません。見た目は変わっていないのですが、雰囲気が全然違ったもので」


 どおりで先ほどから目線を向けられると思った。……だが、ここに来るまでの間にも何回か気分に波があったと思うが……その時は気にならなかったのだろうか。


「確かに、出会った頃と比べれば別人と疑うほどには性格や雰囲気、口調も変わるね。……自分で言うのもなんだけど、俺ってだいぶ不安定なんだよね。あまり気にしないで接してくれればいいから。いままでもコロコロ変わっていたと思うしさ」


 説明しろと言われても難しいものがある。面倒だってのもあるが、最終的には受け入れてもらわなきゃいけないのだ。説明しようがしまいが、行き着く先が同じであるならば過程を省いても問題はないはず。

 ノックの音が響き、女中な入ってくる。


「ん、下がってよいぞ」


 手紙のようなものをミリオナへと手渡す。用を終えると俺たちにも一度頭を下げて出て行ったが……。


「それは何?」

「これ? 人族のものがこの国にいたように、こちらも何人かむこうに潜ませていてね。そこからの定期報告だよ」

「やっぱり、そういったのあるんだ。……そりゃそうか。戦において情報って大事だもんな」

「あいつ殺したことについてだけど、特に問題はないってさ。もともと向こうでも邪魔だったらしいし。戦争まではいかないと思うよ。他に潜ませていた者たちの報告も似たようなものだったし、信憑性はあるかな」


 なら、そろそろ名残惜しいけれどもこの国を出て行かないとな。

 ほんと、ものすごく名残惜しいけれどエルフに会ってみたいし、他の亜人にも……アラクネとかいないかな。ケンタウロスやマーメイドはいそうだけれども。


「…………あ」

「月様、どうしたの?」

「いや……大事が起きないならこの国でてまだ行ってないとこ回ろうと思ってたけど、まだ思う存分にケモミミっ子をモフモフしてないな、と」

『…………』


 心配そうにしてくれた三人だが、途端に絶対零度の視線へと変わる。だけどこれだけは言わせて欲しい。

 この国に来たかったのってケモミミっ子をモフモフするためだけだと。

 実際に言うと監禁されそうだから言わないけど。

 別に監禁されてもいいんだけど、まずは先にこの世界を見て回ることが優先される。

 この世界に飛ばされてどれほど時間が経ったか忘れたけど、近いうちに一周は見て回りたい。

 なんだかそうしなきゃいけない気がする。

 はじめに白と約束したってのもあるけどね。…………いまはどこにいるか分からないけれども。


「一応はもう一日ゆっくりして向こうに変化がないかを見てから出発しようか」


 本当に仕掛けてこないかを見るならば一週間は見ていた方がいいと思うけど、ミリオナと数人を除くとこの国から人族って嫌われてるし。

 何か親しくなれるようなイベントとかもラノベやアニメなら起こりうるのになかったし。


「…………ミリオナ。今日はもう何もないし、部屋ひとつ借りるよ」

「う、うん……」

「メルとミーニャは部屋に入ってこなければ迷惑かけない程度で好きにして待ってて。…………行くよ、レイナ」

「…………は、はい」


 期待しているのか、すでに頬を赤くさせている。


「もしかしたら明日まで出てこないかもしれないけど、放っておいてくれてていいから」


 メルとミーニャの頭を撫でると、うらやましげな目線をミリオナたち三人から感じたのでそちらも撫でてやる。

 レイナも期待を込めて頭を差し出してきたが軽く叩き、首根っこ掴んで引きずりながら目的の部屋まで向かう。


☆☆☆


「それにしても、よく生きて帰ってきたね」

「飛ばした張本人が言うか。殺すぞ」

「ほう、面白い。やれるものならやってみ」


 月がレイナを引きずっていき、部屋から出て行った後。ミリオナが煙管をふかせながら呟いたセリフをメルが挑発と受け取り、互いに殺気を飛ばして部屋に緊張の糸が張りつめられる。


「…………」

「…………」


 そんな中、ミーニャ、レナ、ミオの三人はお湯を沸かしてお茶を入れ、ホッと一息ついていた。

 そんな空気を読まない行動にか、二人も落ち着きを取り戻して用意されたお茶に手を伸ばす。


「してなんじゃ。話を戻すようで悪いが、ユエが連れて行ったおなご……レイナと言ったか? あやつのケガはどうしてできたのじゃ?」

「ああ、アレ? そんな大層な敵に負わされたってわけじゃないよ」

「あの迷宮のラスボスが訪れた人の大切な人を模して戦うタイプで、戦闘力もたぶん月さんと同じだったんだけど……」

「……たぶん?」


 話の腰を折られたことにメルは少しイラッとするが、ここで感情のままに流されるとさらに面倒こととなるのは理解しているため、仕方なく。そう、仕方なくグッと堪えて説明をする。


「まだ、月様が全力を出したところを見たことが無いからなんとも言えないのよ。雑魚じゃ片手間でも倒せるほどに余裕だし、強い魔物にいままで会わなかったってのもあるけど」

「そりゃあ、ユエが強いんならば雑魚しか会わないさ」

「…………どうして?」

「強いってのは、実力があることじゃない。弱者でも長い年月を生き抜けばそれもまた強者。……理性じゃなく感情が言うんだよ。『コイツとは戦っちゃいけない』ってさ。ここまで出会った魔物ってのもそれほど多くないだろう?」


 思い当たる節があるのかメルは納得しながらも、それを教えてもらったのがミリオナだということに感情を少し波立たせている。


「妾が話を逸らしといてあれじゃが、話の続きをいいかの?」

「……月様の姿を模した迷宮のボスはそんなに強くなかったんだけど、死に際に放った攻撃をレイナは足滑らして避け損なっただけよ」


 本当に簡単だが、説明を終えたメル。

 だが、その表情は苦虫を噛み潰したようであった。

 何かブツブツと呟いているため、それを聞くために耳を澄ますと。


「……私が傷を負ってたら今頃は二人きりでお仕置きを私が受けてたのに。いまさら自分で傷をつけたって意味ないし。あくまで月様の知らない第三者に傷つけてもらわないと。でもわざと傷を作るのもそれはそれで……」


 といった様子で、いま現在お仕置きを受けているであろうレイナに嫉妬していた。


「…………覗きに行ってくる」

「メル、それはやめといた方が……」

「部屋に入るなとは言われたけど、覗くなとは言われてないし」

「…………」


 ブツブツと呟いていたかと思うと、いきなり立ち上がり、一言残して部屋から出て行こうとするメル。

 それを止めようとしたミーニャだったが、返ってきたセリフを聞いて考え、コクリと頷いて立ち上がる。

 ミリオナたち三人は自分たちも行くか行かないかを考え、結果そのまま残ることにした。


「…………」

「…………」


 メルとミーニャは互いにアイコンタクトを交わし、月の残り香を辿ってレイナがお仕置きされているであろう部屋へとたどり着く。

 音を立てないよう細心の注意を払って慎重に襖を少し開け、そこから中の様子を覗き見る。


「あっ……もっと! もっとください!」

「ねえ、これがお仕置きだって分かってる? 喜んでいるならお仕置きにならないんだけど」

「もっとゴミを見るような目で! 見下してください! ……んぁっ!」

「なんでお前の指示を聞かなきゃいけないんだよ」


 そこには偉そうに月が椅子へ腰掛けていたが、両の手にはそれぞれムチとロウソクが握られていた。

 その前にはレイナが普通とは言えない格好で両膝をつき、月のことを見上げていた。

 両手は後ろで縛られており、特殊な縛り方によって身体のラインが強調されている。ムチで叩かれたためか、ところどころ服が裂けており、そうして晒された肌に熱で溶けた蝋を垂らされていた。

 しかしそのようなことをされていてもレイナの表情は苦痛に呻くどころか、頰を朱に染めて恍惚とした表情を浮かべており、さらにはもっととせがんでいる。


「…………」

「…………」


 それを見ていた二人も体が火照ってきたのか、頰を赤くさせて熱い吐息が口から漏れ出るがすぐに気を取り直し、襖を閉めてその場を後にする。

 もしあのまま見続けていたら、新しい扉を開いていたであろう。……いや、すでに半ば開きかけていたために手遅れであったが。

 二人がいた場所には何かの液体が垂れた跡があった。


☆☆☆


「さっきよりも大人しくなったな」

「……はい。見られていた方が、その……んんっ!」


 二人が覗いていることなど気づかないわけもなく。

 見られていることすら一つのスパイスとして取り入れていたレイナはそれがなくなったことにより少しだけ落ち着きを取り戻す。


「今後の旅に支障は?」

「んっ、この程度で支障が出るのならば初めから傷など負いません」

「やっぱり、わざと受けてきたのな」

「…………ナンノコトでしょうか?」


 あくまでも白を知るレイナに月はニッコリと笑顔を浮かべる。


「あ、あの? ……月様?」


 それを見て、第六感のようなものが警鐘を鳴らし、冷や汗を浮かべるレイナ。


「夜はこれからだし、まだまだ先は長いからね?」







 月が音を漏らさないよう部屋に結界のようなものを張っていたため、何事もなかったかのように時は過ぎていった。

 朝になっても月だけしか起きてこず、ミリオナが女中に様子を見るように行かせる。

 そこにはベッドの上で恍惚の表情を浮かべながら気絶していたレイナがいたとか。

ハーメルンの二次創作も滞ってきちゃってるなー…

リアルが少し忙しくなってきたため、また間が空くかも……いや、空きます!

こんなんでも楽しみにしてくれる人がいることに驚きです(本当にいるならば)

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