五十二話
くーりすますがこーとしもやぁってくるーwwww
昨日、ラブライブの円盤買ったけどまだ見ていないの……どうしよう……
「まあ、後は試行錯誤してこの店だけの味を求めるといいよ」
「……ありがとうございました」
「それじゃ、約束の報酬としてモフモフさせてもらおう」
途端に嫌な顔をされるが、何も言ってこない。キチンと教える前に報酬について話し、納得してもらった上で教えたのだから。
これは正当な権利である。うむ。
「…………ぁ」
「ん?」
「…………いえ、何でもないです」
黒猫の店員さんの頭に手を乗せ、軽く撫でただけであるのに……これはこれは。
「……ッ…………ん」
我慢しようとする声がまたそそります。
元の世界の猫を扱うように撫でると、だいたい似たような反応をしてくれる。
違いがあるとすれば手足でも嫌がらないといったところか。
…………そう、手のひらをフニフニとすると柔らかいのだ! 女の子特有のなのかもしれないが、それにさえも反応がある。
両手で彼女の頬を包んだり、耳の後ろあたりを優しく撫でたりをしていくうちに、だんだんと顔を赤くさせていき瞳もトロンとしているような。
……………………。
耳をハムハムまでやろうと考えていたけど、それをやったら何だか不味い気がする。ただでえ背筋をゾクゾクとさせる何かがあるのだが、それも相まって衝動を抑えきれなくなるといいますか。
「…………はえ?」
「人、待たせてるし……うん、そろそろ行くよ」
頭を撫でる手を離すと、何で? といった目を向けられるが……お互いにここらが境界線であろう。
回れ右をしてミリオナのもとへと向かおうとしたが、服の端を引っ張られたことにより、足を止めざるを得ない。
「…………も、もう少し」
「ま、また今度会ったときに。ね?」
「…………約束ですよ?」
頷いたのを見てか、ユックリと手を離してくれる。
初めはツンツンだった黒猫さんが少しの間でデレデレとは……。キュンキュンきちゃう。
つか、萌え殺されそう。
最後に一度だけ頭を撫でてから厨房を出て戻るが、そこにミリオナの姿はない。
「…………ふぅ」
金は払ってあると思われるし、払われていなくとも餡の作り方の情報で手を打ってもらおう。ま、皿片付けられていたし、払ってあると思うけど。
とりあえず店から出て周りを見回す。
それよりも、ミリオナがいないからあからさまな視線が増えた。
老若男女、犬さん猫さん熊さんも。大人から子供までまあ見てくる見てくる。
早く見つけないと、絡まれるなぁこれは。
「さてと……ミリオナの気配を探るとあの細い道なんだが……」
裏路地に通じるような細い道があるのだが、そこのあたりにはこちらを見てる獣人の方々が。
はてさて。いつまでもここに突っ立っているわけにもいかないし、遠回りになって注目も集めるけど大通りを行きますか。
「モフモフしたいなぁ……」
アメを取り出して口にくわえ、舌の上で転がして味わいながら道の真ん中を歩いていく。端っこ歩くとわざわざ反対まで移動して距離とられるから、これならば大丈夫だろう。
それにしても露店もたくさんあるな。見たことないのは当たり前だけど野菜に果物、この国の料理やお菓子、工芸品、装飾品。馬鹿でかい規模の夏祭りみたいな感じかな。
「…………お? おっさんじゃないか」
しばらくそのまま歩いていると、目の前にいつぞやの……まあ、この国に来たときミリオナの元まで案内してくれたおっさんが。
「どうしたん?」
「いや、どうしたもこうしたもお前さんが原因なんだが」
「ああ、一人で歩いてるから? でも、さっきまでいてくれたツレがどっか行っちゃったんだよね」
今更だけど、ミリオナが一人でフラフラしていくようなことはないと思う。結構な頻度でここに来ているだろうから、迷うこともないと思うし。気配を追っているけど、ミリオナの他にも二つあるしね。
何となくだけど、この二つの気配は獣人じゃなくて人族な気がする。
まだ直接見たわけじゃないから断定はできないけど、間違っているとも思えない。
「……悪いが、それが本当だとしてもしばらくは俺も同行させてもらおう」
考えていたこと簡潔にまとめて伝えると、難しげな顔をして顎に手をやりしばらく考え込んだ後、条件として一つだしてきた。
まあ、それでいいならこっちとしては別にいいんだけど。
「そいじゃ、ちょっと急ごうか。裏路地通ってバレないようにしているからペースはそれほど速くないけど、この国の外に向かってるし」
そう伝え、たったか軽く走る。振り返らずともしっかりとおっさんが付いてきているのを気配で感じ取りながら先回りできるルートを通っていく。
普通に小走りで大通りを通るだけでとくにアクロバティックな動きとかないんだけど。
「何だ? 何もいないぞ?」
「ああ、ここにいればそこの裏路地から出てくるよ」
思ったよりも向こうのペースが遅い。さっきよりもペースダウンしてるし。
あと数秒もすれば出てくるだろうけど、おっさんが疑った目で俺のこと見てくるし。
「嘘なんてつかないよ。俺、獣人大好きだもん。もっと愛されるべきだよ」
俺の熱い思いが伝わったのか、頬に冷や汗を流して口の端を引きつらせながら俺から距離をとっている。
くだらなくはないが、そんなこんなしているうちに件の二人が出てきた。見た目や耳、尻尾や毛の種類とかからみて犬と狼か? 狼のほうは大きな袋を背負うようにして持っている。
「この二人だよ」
「この二人……って言われてもな」
「はいはい。止まりなさい止まりなさい」
見た目が完全に獣人であるため、おっさんは何かためらっているようだ。そんなに同族を疑うのが嫌なのか。
結束が固い……といえばそうだと思うが、たまには疑わねば。
取り敢えずおっさんは無視して二人を呼び止める。
「えっと、な、何か用でしょうか?」
俺の姿を見て一瞬だが、目を見開く二人。それだけで有罪確定なのだが、おっさんはそれを信じないだろう。
「まあ、その袋の中身を確認させて? ああ、拒否権とかないから」
「何を――――っ!?」
「うわっ!?」
有無を言わせずに二人の体だけを氷で覆い、身動きを取れないようにする。体温低下につながるから、首から上は見逃してあげる。まあ、下半身とか脇の下冷やされてる時点でそんな変わんないけど。
「大丈夫? わざと捕まったのは分かるけど、面倒くさいよ」
「文句を言いながらもきちんと助けてくれるじゃないか。妾がわざと捕まったことに気づいていても、だ」
袋を奪って中を開けてみると、ミリオナが果物を食べていた。
思わず投げとばしそうになるのを堪えて袋から出してもなお、果物を食べるのをやめない。
……別にいいけど。
「なんか労力に見合った対価が欲しい」
「欲しいものを言えばあげるよ?」
「そのうち頼むと思う。まずはこの二人だね」
おっさんは袋の中から獣人の子供(見た目だけ)が出てきたことに驚いているし。
「舌噛まれて死なれても困るし、騒がれてもうるさくて困るから口も塞いでおこうか」
何か企んでいるようだけど、気にしない方向で。
冷たいかもしれないけど、致し方ない。
「んー……っと」
身動きの取れない二人に近づいていき、頭に手を乗せる。
そして髪を掴んで思いっきり引っ張ってみると、微かな抵抗があったのちに腕が上へと伸ばされる。手には髪の毛……ではなく、マスクのようなものが。尻尾もなくなっているから、これをかぶればなんかしらがあって尻尾が生えるのだろう。
「何でバレたって顔をして見られても、分かる人にはわかるし」
マスクの下は見るからにザ・普通といったフェイスの人族が。
全く。こんなものであのモフモフを再現できると本気で思っているのだろうか。もし、仮にそうであれば正座をさせて膝に重石を乗せ、満足のいくまで説教せねばな。これの開発者を。
見た目だけなら多少はまあ、認めなくはないけど。
「取り敢えず、君ら死刑な」
俺の言葉に反応して目をまん丸に見開き、俺のこと見ながら首を横に振るという気持ち悪い行動をしているが慈悲の心はない。
恐怖心を煽るためにゆっくり手を持ち上げ、手を開く。
「来世ではいい子だといいね。そもそも人として生まれたらの話だけど」
そしてグッ! と手を握りしめる。
二人はあまりの恐怖に手を握りしめたと同時に目を閉じる。
「……………………」
『……………………』
「……………………」
『……………………』
「……………………ぷふっ」
堪え切れなくなり、笑ってしまった。隣でもミリオナが腹を抱えて笑い始めた。
目をギュッと閉じ、体が動かせない代わりに頭をガタガタと震えさせている二人のすがたはなかなかに滑稽であった。
おっさんも我慢しているが、見ればバレバレであるので我慢する意味は特にないように思える。
「殺すわけないだろうに。大事な大事な情報源だ。死ぬよりつらい目にあって絞れるだけ搾り取ってからに決まってる」
『……………………』
目から涙を。鼻から鼻水を垂らしながらみっともなく止めてくれと訴えてくるが、こういうのってなんか…………そそるよね。
女の子だったらなおのことよしだったけど。
この二人の未来はもはや、奇跡でも起こらない限りは決まったものだ。
「――――おい! おやっさん!」
「んんっ……なんだ!」
この国の出入り口に近いから見張り台がすぐ近くに建っているのだが、そこから大声というよりはもはや怒声が聞こえてくる。
笑うのを我慢していたおっさんは咳払いをし、声を張り上げて返す。
「あいつら! ――――人族が攻めてきやがった!」
二週間も経ってないのに載せるとか俺頑張った。超頑張った
でも、この話どこ向かうのか分かんなくなってきた☆
まあ、ちゃんとまとめるけど
みなさんはクリスマス、いかがお過ごしで?
俺氏、明日掘られてきます(意味深)ので、何だか落ち着きません
あ、病院で腸内検査なんですけど
つか、そろそろ本当にあれ、あれだよ。書き直す用の書かなきゃ…
考える限り、全く…別の話になるかも
あと、懲りずにまた新しい物語を載せた上、ゾンビもののストーリーが頭をちらついて離れません…
ハーメルンのほうにも同じ名前でデレステの二次創作載せてますし、糖分が足りない(切実)