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四十八話

前回のあとがきに三分の一ほど書いてあるって言ってたけど、9割がたの間違いだったね!いや、編集サボるという点を含めたら三分の一でも間違ってはいないか……

そしてシルバーウィークだから、当然書き進めていない=ストックが無いね!

まあ、話はなんとなくできてるし!なんとなく!……うん、なんとかなるっしょ

休み明けたらリアルが結構マジで忙しくなるけど、まあ頑張るよ

……アドバイス、誤字脱字、回収まだ?の伏線報告。本当にない?俺、割と忘れてるからね?どうなっても知らんよ?(泣

 月がミリオナとお出かけという名前に隠れたデートをしている頃、レイナはそれを女の勘のようなもので感じ取っていた。


「ああ……、月様が。月様がどこぞの誰とも分からないメス豚と一緒に湯に浸かったり、一緒のベッドで寝たり、あまつさえ手をつないでデートを……」


 フフフ――と無表情のまま乾いた笑みをもらし、延々とブツブツ繰り返し似たようなことを呟きながら目の前にいる大きなアリの姿をした魔物を屠る。ドロップしたアイテムに一瞬だけ目を向け、要らないものだと分かるとそこらに転がっている石のように興味をなくし、飛ばされた頃のように律儀にアイテムを全部拾わず、歩をすすめる。

 途中で魔物と遭遇しても何事もなかったかのように斬り伏せ、立ち止まることなく歩き続けながら残り少なくなった食料をアイテムボックスから取り出して胃に収める。最後に水で喉を潤し、食事を終える。


「………………フフッ」


 最後に魔物を斬り伏せてから10分ほど、何もないまま歩き続けると、目の前に大きな扉が立ちふさがる。その扉には王冠をかぶり、右手に盾、左手に剣を持った大きなゴブリンと、そのゴブリンの腰ほどの大きさで右手に刃こぼれのしている剣や、矢筒を背負い弓を持ったゴブリンらがたくさん描かれていた。

 それを見たレイナは口の端を少しだけ釣り上げ、その扉に触れ、中へと入っていく。


 ――ウギャギャギャ!


 中に入ると同時に扉は音もなく閉まり、部屋のほとんどを埋め尽くすほどのゴブリンらがレイナから数メートル離れた状態で周りを取り囲み、耳障りな声を上げる。そして顔と体を舐め回すようにして見た後には全部のゴブリンが興奮し、腰に巻かれた汚いボロ布にテントを張っている。

 部屋の奥には絵に描かれていた通りに王冠をかぶった大きなゴブリンが、壁を掘って装飾も施されたムダに豪華なイスに座ってレイナを睨むようにして見ている。そこには群がるゴブリンとは違い、警戒の色を露わにしている。

 いつまで経ってもずっと立ったまま行動を起こさないレイナにしびれを切らしたゴブリン王が足を踏み鳴らしたのを合図に矢筒を背負い、弓を持っていたゴブリンらが矢を手に取り構え、レイナに向けて矢を放つ。数百と放たれた矢はゴブリンにしては精度が高く、そのほとんどがレイナ目掛けて飛んでくるが、そのためにお互いの矢を撃ち落としあい、矢が届いたのは十数本までに減っていた。そのレイナに届いた矢は右手に持つ剣に薙ぎ払われて傷をつけることはなかった。


「…………ふぁあ」


 退屈。

 とでも言いたげに無表情のまま欠伸をしてみせるレイナの行動を挑発と受け取ったゴブリンたちが剣を振り上げてせまっていく。

 先ほどまでのゆるい態度から一変。目を鋭くして周りにいるゴブリンたちを把握し、そこからどのように動けば自身の被害は最小限に、敵の被害は最大限になるかの最適解を導き出し、行動に移す。前後左右から振り下ろされたけんをかみひとえで避け、すれ違いざまにゴブリンの首を数匹まとめて斬り落とし、隙ありとばかりに背後から迫ってきていたゴブリンの剣を振り向きざまにはじき、袈裟斬りで肩から脇にかけて体を二分(にぶん)にする。そして落ちていた剣を足で蹴り上げ手に取り、魔力を剣が壊れる一歩手前まで込めてゴブリンたちがまとまっている場所目掛けて思い切り投げる。その剣はゴブリンの胴に根元まで突き刺さったあとに爆ぜ、破片が四方八方へと飛び散り、周囲にいたゴブリンたちの肉を削っていく。当たりどころの悪かったゴブリンはそれで死んでいき、飛んできた破片に当たって運良く生き残ったとしても、片腕が飛んでいたりとまともに戦える状態ではなかった。当然、剣が根元まで胴に刺さっていたゴブリンはバラバラになり、臓物を撒き散らしていた。

 そのような無双が続き、30分も経つ頃には部屋いっぱいにいたゴブリンの数も数匹しか残っていなかった。それだけ暴れたにも関わらず、レイナの服は多少の土汚れ以外には見当たらなかった。

 ここにきてようやくゴブリン王が立ち上がったが、生き残っていたゴブリンたちの様子がおかしくなる。


 ――ヨ゛ウ゛ナ゛シ゛タ゛


 喉が潰れたような酷くしゃがれ、聞き取れることが奇跡なほどだが、確かに人間族の言の葉をつむいだ。そしてゴブリン王は左手に持っていた剣で生き残っていたゴブリンたちを殺していった。最後の1匹を殺し終えてからレイナへと向き直る。


 ――オ゛マ゛エ゛モ゛イ゛マ゛ス゛ク゛ニ゛……

「ウルサイですね。耳が汚れますので黙っていただけます? 私の耳は月様の声を聞くためにあるのです。お前のような汚い声で汚されるくらいならばこの耳、斬り落としたほうがマシです」


 使えないゴブリンたちを殺して回る間、レイナが手を出してこなかったのは自身に恐怖を抱いているからだと勘違いし、勝ちは揺るがないとでも思っていたのか、口の端を釣り上げて傲慢な態度を取りながらレイナに話しかけていたゴブリン王は、最後まで言い切ることはなくレイナに首をはねられた。

 レイナが動かなかったのは、微々たる誤差とはいえ自身が動かなくて済むのならばと、生き残ったゴブリンらの処理を雑用のようにゴブリン王にやらせただけである。

 そしていま、ゴブリン王の首をはねたレイナは声を聞いたのが相当嫌だったのか、顔をしかめている。一度大きく剣を振った後、鞘にしまった頃には無表情に戻っていた。そしてゴブリン王の姿が消え、ドロップしたアイテムへと目を向ける。


「…………」


 念のためにと1度目を外し、深呼吸をしてから再びドロップしたアイテムに目を向ける。


「…………ッチ」


 そして間違いがないことを確認したレイナはドロップしたアイテムを舌打ちしながら足で踏み壊す。

 ゴブリン王からドロップしたアイテムは、純金でできたゴブリン王の像だった。大きさは20センチほどで、国や街に持って帰って換金すれば庭付きのそれなりに広い家が3つは買えるほどの金になる。しかし、それを躊躇なく踏み壊し、追い打ちをかけるようにツバを吐く。

 それで多少は満足したのか、どこか憑き物が落ちたようにスッキリとした雰囲気を漂わせる。

 ゴブリンの肉片が消え、アイテムがそこらに散らばっているが、ほとんどがいらないものだったのか、拾うことなく下の階層へと向かう。


「…………おや?」


 階段を下り、周りを見回した後に首をかしげる。

 そこは先ほどまでと景色がガラリと変わっていた。道が真っ直ぐに伸びており、自然の洞窟のような場所ではなく、淡い光を発している白い石が壁や床、天井を埋め尽くしていた。そして壁際には等間隔に柱が建てられており、模様も刻まれていた。


「…………」


 安全であると判断したのか、黙ったまま歩いていく。

 5分ほど経った頃、遠くに神殿のような建物が見えてきた。入り口に扉はないが、中を覗き見ても暗く、何も見えない。

 そこでレイナは中に入らず、壁際へと移動する。そして横になり、腕を枕にして寝る体制に入る。

 無双していたとはいえ体力は当然減っているし、疲労も溜まっている。魔物が湧き出ることがないのは経験から感じ取り、十分な休息を取ってから挑むべきだと判断したのだ。それは同時に、今のままでは勝てないことを意味していた。フロアボスさえ簡単に倒してきたレイナが万全の態勢でないと勝てる見込みがない相手。

 万全であってもケガを負うことを免れない相手。

 だが、それは1人で戦った場合だ。

 レイナはこのままここでメルとミーニャを待つつもりでもいた。

 2人はミリオナに月を取られたと考えていることで周りが見えなくなっている状態といっても変わりない。それでいてもケガを負うことなく雑魚を蹴散らし、フロアボスも倒してくる。

 だが、アイテムは拾わないとレイナは考えていた。

 事実、メルとミーニャは敵を倒すがドロップしたアイテムには目を一切向けていなかった。

 アイテムは倒されたらすぐに消える魔物と違い、その場に3日残り続けてから消える。壊された場合は3日経たずに消えるため、ほとんどが魔物に踏み壊されてすぐに消えるが、遭遇した魔物全てを倒して2人は進むため、レイナよりも下の階層に2人が飛ばされていたらどこかで落ちているアイテムが見つかるはずだと考えていた。

 ここまでくるのに落ちていたアイテムが1つも無かったために、メルとミーニャは上の階層にいると読んだのだ。

 そして、そのレイナの読みは外れていなかった。

これ、完結までいってない(だいぶ先の予定)のに3つほど新しい話が思い浮かんどる

たしか、主人育成日記のほうの最新話あとがきに書いてあるはず

ゾンビものや死に戻り(日常)とか…

あと、ノクターンに手を出しそう…ってか、もしかしたらノリと勢いで書くかも

まあ、また1ヶ月開けないように次載せられるようがんば…りたいね!

また次回〜

……ほんと、アドバイスとか欲しいなぁ(チラッ

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