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四十六話

いやー……だいぶ間空いて申し訳ない

家に引きこもってるより、外でてバスや電車の中、どこか人がいてガヤガヤしてるとこのが捗るんよね……

つまりは、ここしばらく引きこもってたってことさ!

まあ、今週は講習会に行くからたぶん、捗るよ!

この後にちょっと編集して『主人育成日記』も載せるよ

まあ、続きはあとがきにでも書くから物語スタート!

「……嘘、だろ。まさか……そんな。……いや、でも事実なのだし……」


 次の日、朝食を食べ終えた俺はミリオナに、昨日話していた元いた世界についての続きを話していた。

 人体の構造について話し、星の自転などについても話した。そして流れから絵本について話したのだが、そこでこの世界にはあるものが無いことを知ったのだ。


 ――まさか、娯楽がないだなんて


 この世界にも本は存在する。

 だが、印刷機なんて便利なものが存在するわけもないため、布教率も低く、読み書きについても必要最低限しか覚えていない人なんてほとんどだ。

 何を基準に必要最低限なのかは判断つかないが。

 とにかく、小説のような文字だけの本はあるらしいが、挿絵がある本は無いらしい。当然、絵本なんてものは無い。ミリオナに絵本について説明したら興味を強く持ったほどだ。

 本だけでなく、トランプやオセロ、ボールなどの遊びも勿論存在しない。

 暇なときや子どもは何をして遊んでいるかなどを尋ねると、そもそも一般家庭、貴族関係なく暇なときはそんなに無いらしく、子どもの遊びに至ってはチャンバラ……剣の素振りや魔法の研究をしているらしい。

 それを聞いた時の俺の反応はというと。


『ーーマジメか!』


 柄にもなく声を大にした。

 だが、考えてみればそうなのかもしれない。獣人の(ここ)は他の亜人、エルフとは仲がいいが人族、魔族はその限りでない。いつ、攻めてくるか分からないために、子どものうちから鍛えているのはそういったことだろう。

 もしかしたら、人族には娯楽があるのかもしれないな。

 余裕ぶっこいてそうだし、貴族とか上の奴らは腐ってそうだから。

 街などに寄ったりしていたが、ほとんど宿か魔物狩りしかしていなかったし……何も知らない俺は大して悪くないな、うん。


「そういった理由ならしょうがないのかな? でも、不満とか溜まりそうな気もするけれど」

「それならたぶん大丈夫。年に1回だけど、強者を決める剣闘大会といったのを開いているから。夏にやっているんだけれど、今年は確かそろそろだったと……。来週にはやるはずだと思うよ」

「いまって夏なんだ」

「何を言っているの? こんなにも暑いのに」


 不思議そうな顔をして俺のことを見てくるが、俺も首をかしげるしかない。

 あれ? そういや時間軸って元の世界と一緒なんだっけ? ってか、元の世界、夏だったかな……? 4学期制ってゆー訳わかんない学校だったからなぁ……ものすごい進学校で偏差値結構高いらしいけど。休みが多かったのは覚えている。学校に行く日と休みの日を平均したら、3日おきに休みがくるレベルだったか? いや、そんなに学校行く日は多くなかったと思う。行く日なんて100日あったか? と首をかしげるほどだったかな? ……それほどまでに休みの日が多い。アホらしいとしか思えなかったが、楽なのでよし。

 ……思考が逸れた。

 たしか、ここに勇者として召喚された日は2学期の成績表もらったし、夏だったな。

 どうでもよくダラダラ過ごしていると、周りのことがよく分からないんだよね。

 それにしても夏、なのか。

 思い返せば、暑いとか寒いなど、感じなかったな。これも神様(仮)になった恩恵? みたいなものなのか。


「ちなみに、今の気温ってどのくらい?」

「28℃だね」

「……そか」


 元いた世界だと、夏は30℃超えるの当たり前だったからな……。あまり暑さを感じないのはこれのせいかもしれない。


「あ、ミリオナ」

「どうしたの?」

「プラナスの花が咲くのは本当にこの時期?」

「そうだけど……どうかしたの?」

「俺の世界にある似た花は春に咲くから、違和感があってね」

「そういうこと」

「ん、そんだけだから特に気にしないで」


 どうにも感覚が狂う。

 暑さ、寒さに耐性がついたとでも思えば楽だと思うのだが、ちょっとした気温の変化も感じないのはなぁ……。28℃でもそれなりに気温は高いわけだし、肌で感じたい。

 あのプラナスって花とちょうどいい気温から、この世界の季節は春だと思っていたのに。

 ミリオナを見ると、うちわとか今でも片手に持って仰いでいるもんな。

 ここのところ寝ても白に会えないけれど、今度会ったときにどうにかならないか聞いてみるか。中途半端な今の状態を自分でいじって変になっても困るし。


「そういえばユエ」

「ん?」

「昨夜、どこか行っていたようだけど、どこに行っていたの?」

「トイレ」

「……ストレートに言われると、なんだかこっちが恥ずかしいな」


 少し疑っているようだが、照れているのは本当のようで、頰が少し赤くなっている。


「起こさないように気をつけたつもりだったけど、起こしちゃった?」

「気にしなくていいよ。ちょっとした振動でも起きちゃう(たち)だからさ」

「そっか。……よし、できた」


 作業していた手を止める。

 すると興味津々なのか目をキラキラとさせながらミリオナが近づいてくる。


「それは何? 見たことないけれど……」

「ああ、これはオセロっていうボードゲームだよ。2人用のゲームなんだけど、いまから説明するよ」


 娯楽がないなら元の世界にあったものを作ればいい。

 だが、目の前で創ると説明せねばならないので、材料をもらって先ほどまで作業していた。といっても、板に8×8マス描いて、片面に色塗った丸でも四角でも駒を64個用意すればそれで事足りる。まあ、形は統一したほうがいいけれど。

 ミリオナの説明は、実際に1人でやりながら説明している。どうしても口だけだと限度があるし。


「よし、理解した。一緒にやろう!」


 一回の説明で覚えてくれたため、さっそくやっていくことにした。

 黒がいいというので俺は白だ。

 まあ、理解しても慣れないうちは慣れないものだ。手加減しなければ真っ白になる。

 何も考えずに打っていけばいいだろう。


「…………あらら」

「もう一回だ! もう一回!」


 手を抜いていればそこそこいい勝負になるかと思いきや、全部埋まる前に真っ白になってしまった。

 悔しげに畳をバンバンと叩き、涙目でもう一回と訴えてくる。いや、実際に口に出しているのだが。

 まあ、最初だし、こういうこともあるって。

 盤面を初期の配置に戻し、2回戦目。


「……………………」

「も、もう一回! もう一回やれば大丈夫だから! 


 またもや見事に全部埋まることなく真っ白に。

 なぜだろう……何がいけなかったのだろうか。あれか。娯楽を進めたのが間違いだったか……?

 俺の頭の中も真っ白になりながら3戦目。


「……………………」

「うぅぅぅぅ〜!」


 結果は変わらずだった。

 ここまでダメってそうとうじゃないか?

 あれ……? ミリオナって500年以上生きて、さらにはこの国を発展させてった天才だったよな? 間違っていないはずなのに、脳が受け付けないぞ。


「失礼します。お茶のおかわりを――」

「いいとこに来た!」


 そこにお茶のおかわりを持ってきた女中(もちろん獣っこで猫耳の持ち主)に顔をぱあぁぁっと輝かせながらミリオナは声をかける。

 そして近くに呼び止め、俺が教えたようにミリオナはその猫耳女中さんにオセロのやり方を教えている。


「理解したかっ?」

「……はい、大丈夫かと」

「なら、妾とやるぞ!」


 そういって始めたはいいのだが……。


「……わ、私の勝ち、でいいのですよね?」

「うん、君の勝ちだよ。ありがとね。下がっていいよ」

「はい。失礼いたしました」


 固まって動かないミリオナに戸惑いながら俺を見てくるので、感謝を述べて仕事に戻ってもらう。

 盤面が埋まる前に終わることはなかったが、結果は大差をつけて猫耳女中さんの勝ち。ってか、またミリオナは黒使ったのか。


「なあ、ミリオナ。今度は白、使ってみないか?」

「…………うん」


 だいぶ落ち込んでいるけれど……取り敢えず盤面を初期に戻し、俺が黒、ミリオナが白で始めていく。


「……お?」


 あまり期待していなかったのだが、いい勝負である。

 結果は黒38の白26で俺の勝ちだが、ものすごい変わりようである。ミリオナ自身も呆然と盤面を見ている。

 ……まさか、無いとは思うけれど……心理的に黒が黒星に繋がった、とか?

 そんな単純な話じゃないか。

 ちょっと疲れたんだ。こういったときは寝るに限るな。


「……ユエ。もう一回だ」

「……あい」


 寝る体制に入ろうとしたところでもう一戦、とな。

 頭も眠りたがっているので、すでに半分寝ている気分だが、俺自身、勝ち負けはもうでもいいし、途中で船をこぐかもしれないけれど、俺が黒持ちで始めていく。


「……むむむ」


 勝てる兆しが見えたからか、ミリオナは途中で長考を挟みながら進めていく。


「――……やった!」


 そして終わったと思い、意識が完全に沈む間際。

 遠くの方でミリオナの喜んでいる声を聞きながら俺は眠りについた。


☆☆☆


「ユエ? 寝ちゃったの?」


 オセロで勝った喜びから戻ってきたミリオナは横になって眠る月にようやく気づく。

 目の前で手を振ったり、肩を軽く揺すったりしても起きないため、嬉しそうな雰囲気を醸し出しながら右腕を肩から首にかけて回して上体を起こし、左腕を膝の裏に入れて持ち上げる。持ち上げた際に月の頭がミリオナのほうに倒れ、いい具合に収まっている。横抱き。別名、お姫様抱っこだ。

 本来であれば脱力した人間を持ち上げるのに相当な力がいるはずだが、そこは異世界。ステータスが物言う世界である。ミリオナもステータスが高いからか、軽々と月を持ち上げている。

 そのまま移動し、ベッドに月を寝かせる。

 一度、月の頭を撫でた後にミリオナは部屋を出て、どこかに向かう。

 15分ほどして戻ってきたミリオナの手には、栓がしてある試験管があった。澄んだ緑色をしているが、怪しげな笑みを浮かべているミリオナと相まって、どこか危ない匂いを漂わせている。

 月を起こさないように細心の注意を払いながら膝枕をし、キュポンと小さな音を立てながら栓を抜く。そして試験管の口を月の口元へと持っていき、少しずつこぼさないよう丁寧に飲ませ始める。


「ん……ぅ、ん」


 試験管の中身を全部飲み干した月が苦しげに胸を押さえながら呻くが、そのまま起きることはなく、しばらくするとまた規則正しい寝息が聞こえてくる。

 その様子を見て、ミリオナは優しく微笑みながら月の頭を撫でるが、その目からは光が消え、酷く濁っていた。


「大丈夫。目が覚めたら妾以外の女は忘れているから。ずっと妾だけ見ていてくれればいいから、ね」

プラナスは桜に近い意味やったはず。今更の説明やけど

あと、どこかで一度読み返して、矛盾点とかを書き直したり、添削する……予定

いつになるか分からないし、やるかも分からないからね!

いまさらやけど、最初の方のメルとやるシーン、別に入れなくて普通に話しして魔法で寝かせるとかできるんよね。……あの頃は若かったのさ

『主人育成日記』、ヤンデレ入れないつもりが、おそらくヤンデレ入っちゃう。

ヤンデレって呼べないほどかもしれない微ヤンデレかもだけど、気が向いたらそっちも読んでみてね!

質問、感想等いつでもウェルカムやよ!

長くなったけど、また次回〜

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