四話
先に言っておこう。今回はグダグダ回だ
それに矛盾とか意味分からないとこあるかもだけど、気にしたらまけだ!
それと、まだヤンデレが出てこない!
ってことで物語スタート!
「ま、まずは自己紹介をしませんっすか?」
「……寝る」
「わ! わ! 待ってくださいっす!」
「……なんだよ」
「いいじゃないっすか自己紹介!」
「お前たちで自己紹介、済ませたんだろ? それでいいじゃないか」
何の用があるかと思えば、たかが自己紹介だなんて。
起こしていた上半身を倒して、横になる。
「自己紹介くらいしてくれたっていいじゃない」
白の部屋にいたときから、この女。甲本沙織は俺に突っかかってくるな。
「……分かったよ。悪いけどレイナ。他のメイドたちも連れて入り口のところで待っててくれないか? 少し、聞かれたくないことがある」
「はい。分かりました」
レイナたちが全員部屋から出るのを待つ。
「それで自己紹介、ね。天宮月だ」
「ありがとうっす。俺の名前は……」
「伊田刀」
「……え?」
「仁志田に影宮。上代、西木、甲本、岩井、守一、白石、佐倉、北条」
俺が全員の名前を言い当てて、戸惑っている。
何が不思議なのかまったく分からない。
ここは異世界でスキルがある。それに神様。白にポイントまで貰ってスキルを取ったりできるのに。
俺は”鑑定”を使ってステータスに書いてある名前を呼んだだけだ。
……まあ、全員が新聞やテレビに出ているから鑑定のスキルがなくても知っていたが。
「鑑定のスキル……っすか?」
……こいつ、なかなか鋭いとこあるな。
俺が謁見の間に移動するとき、取っていた三つの中で一つが鑑定だ。
「お前ら全員、新聞に名前が載ったり、テレビに出たりしてるだろ。数人はマイナーなところだけど」
「よく憶えてるっすね……」
「たまたまだ。これでいいだろ? 俺に寝かせろよ」
「いや、まだ聞きたいことがある」
「……影宮か」
伊田の次は影宮か。
こいつも伊田と同じで鋭いところがありそうだ。
「で、影宮は何が聞きたい」
「天宮のステータスについてだ」
「なにかおかしいところでも?」
「明らかにおかしい」
「本当だ」
影宮だけでなく、他の奴らも鑑定を取ったのか俺のステータスについて文句をいってくる。
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天宮 月 LV1
HP 150/150
MP 100/100
STR 40
VIT 40
DEX 30
AGI 30
INT 30
SPI 30
状態異常 睡眠不足(解除不可)
スキル
なし
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このステータスは三つ取ったスキルの内、二つを使っている。
偽造と隠蔽だ。
隠蔽で本来のステータスを見ることができないようにして、偽造で一般のステータスだと白に教えられたのを参考に、というよりまそのまま移した。
偽造か隠蔽のどちらかだけでもできるよ思うが、重ねがけのほうが安心だと思ったからだ。念には念を入れる。この世界では何が起こっても不思議ではないからだ。
「この俺のステータスになにか文句あるのか? 見ての通り自分で言うのもなんだけど、俺は弱いんだよ」
「……隠蔽か偽造のスキルを取っている?」
甲本の後ろに隠れて俺のことを見ていた白石がいいところをついてくるが、顔には出さない。
「取っているわけがないだろうに」
「メイドさんたちに一回入ってきて貰ってもいい?」
「……別にいいぞ」
……鋭い人しかいないのか。さっきまでオドオドとしていたくせに。
「あの、聞きたいことがあるので一回入ってきてくれませんか?」
「はい。なんでしょうか」
「隠蔽、又は偽造のスキルレベルと鑑定のスキルレベルが一緒の場合はどうなるのですか?」
伊田、影宮に続いて白石も、か。
騙しきれる自信がないな。……そのまえにこの城から出て行くか。
「隠蔽、又は偽造と鑑定のスキルレベルが一緒の場合はステータスの平均値で決まります」
「ありがとうございます。……となると、天宮さんは本当に偽造、隠蔽スキルを持っていないか、実は使っていて私たちの誰よりもステータスが高いことになりますね。私は後者だと思います」
さっきまでの怯えっぷりはどこへいったのか、白石が俺へと(精神的に)迫る。
「逆に聞くけど、どうして俺が強いと思うんだ?」
「そ、それは……」
え? こんな切り返しで詰まるの? 新聞やテレビで見たとはいえ、十一人もスラスラ名前言えることに違和感とか憶えないの?
「影宮。あなた、自分で言っていたじゃないの。ここに召喚されたのはそれなりの実力を持った人たちだって」
「俺だけハズレなのかもよ?」
「あなた、頭いいじゃないの。ハズレなわけないじゃない」
「……本人が言っているのに信じないのか」
そろそろこのやり取りも飽きてきたし、何より眠い。
ご退場願おうか。
「悪いけど、寝るから出て行ってくれないか? 俺が寝ていたのを無理やり起こした上に話したことを信じてくれない奴らをこれ以上ここにいさせる意味もないし。拒否、しないよな?」
そう言うと、一人、また一人と納得していない顔をしながら部屋から出て行く。
そして残ったのは俺とレイナの二人。
やっと平穏が訪れた。
「レイナ。俺はまた寝るけどさっきと同じように好きに過ごしていていいから。起こすのは二日後の朝にしてくれ」
「……ふ、二日後ですか?」
「ああ、それで頼む。あとこれ、あげる。棒のところは持つ部分だから食べられないからね。それじゃおやすみ」
レイナに棒つき飴の袋を開けて差し出す。しっかりと受け取ったのを確認してゴワゴワとしている毛布をかけなおし、目を閉じる。
深い闇に包まれるような感じがして、俺の意識はなくなった。
☆☆☆
私は月様が寝る前に渡してくれたものを見つめています。
今持っている棒のところは食べられない。とおっしゃっていました。だとしたら、棒の先についているこの透き通るような水色をした部分は食べられるのでしょうか?
聞こうにも、月様はもう寝てしまいましたので起こすことはできません。
恐る恐る、私はそれを口に含んでみます。
「~~~~~~っ!!」
美味しさのあまり、それを口に含んだまま頬に手を当ててその場でクルクルと周ってしまいました。
誰かに見られていたら恥ずかしくてしばらく顔を合わすことができないかもしれません。
そんなことよりも、今も口の中に甘いものが広がっています。これは何という名前なのでしょう?
月様を起こしてあれこれと聞きたいところですが、よっぽどのことがない限りは二日後まで待たなければいけません。
ふと、私は本来やるべきことを思い出しました。
勇者様方のお世話をすることになった私たちはお世話をするために色々なことを扱かれて叩き込まれました。
だけどそれは私たちがやるべき役目の半分に過ぎません。
私を含めた勇者様方のお世話をするメイド全員が鑑定スキルを持っています。
レベルは2が多いです。二人だけレベルが3のメイドがいます。私もレベルが3の鑑定スキルを持つ一人です。
その鑑定スキルを使い、勇者様たちの実力を見て、国王様に報告することがもう一つの役目です。
先ほどまでこられていた勇者様方は前衛タイプと後衛タイプ、後方支援タイプの三種類に分かれ、鍛治スキルなどの職人スキルを持っている人は一人もいませんでした。
前衛タイプのステータスはSTRとVITが高く、後衛タイプはINTとSPI。後方支援タイプは後衛タイプの次にINTとSPIが高く、DEXが一番高くなっています。
AGIはタイプに関係なく、人それぞれのばらつきがあります。
伊田刀様のステータスを例としてあげると。
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伊田 刀 LV1
HP 2400/2400
MP 200/200
STR 2000
VIT 1800
DEX 900
AGI 1200
INT 100
SPI 90
状態異常なし
スキル
剣術LV2
心眼LV1
見切りLV1
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ハイランクの冒険者と比べるとヒヨッコもいいところですが、レベルが1でこのステータスはいままで見たことありません。
他の勇者様方も個人差がありますが、似たようなステータスをしています。
元いた世界がこちらとは違い、平和なのか緩い空気が勇者様方に流れていますが、磨けば光る原石。
化けると思います。
ただ、私の目の前で寝ている月様は他の勇者様方に合わせて緩い空気を出してるつもりなのだと思いますけど、何かが違います。
女の感、なので間違っているかもしれませんけど。
月様のステータスは、こういうのはなんですけど、低過ぎます。
もう、ほとんど……いや、まったくと言っていいほど見かけなくなった一般市民と同じくらいのステータスです。
スキルはなにもなく、状態異常に睡眠不足(解除不可)なんてものまであります。
本当に月様が言っていたとおりにハズレ、なのでしょうか。
先ほど何か違う、と言った理由。実は女の感ともう一つあります。
月様が自分のことをハズレと言ったとき、左手で前髪をいじるっていました。
なんてことないのかもしれませんが、私は小さい頃から人を観察していて癖を見つけるのは簡単なのです。
たとえ一回しかやっていないとしても、それが癖だと分かります。
それがもう一つの理由です。
私は月様が寝ているベッドに近づき、鼻先まで伸びて目が見えない前髪を起こさないように掻き分けます。
目の下に隈があるけれど、整った顔立ちをしています。
「……あれ?」
月様から体を離し、口の中に違和感があることに気がつきました。
棒を口から出して見ると、先についていた綺麗で甘いものがなくなっていました。
私は棒だけになったそれを白い布に包み、テーブルの上に置いておきます。
今まで口にして来た中で一番と言えるほどとても甘く、美味しかったです。
………………。
「私は何をしていましょう」
本来なら、月様の後をついて回り、お世話をするのですが、寝てしまいましたし。二日後まで起きないですし……。
『……なんなら一緒に寝る?』
月様に言われたセリフ。
……勇者様に言われたから、問題、ないよね?
そうと決めた私は月様の隣で横になり、目を閉じます。
☆☆☆
「なかなか面白いことになってるね」
「まあ、俺が許可したし。問題ないだろ」
俺の目の前に白がいる。
まあ、なんら不思議ではない。
そしていま、並んで座っている俺と白の前に、俺が寝ているベッドに入り、一緒に寝ているレイナが映っている。
「なんとなくそんな気がしていたが、このペンダントつけていたら寝たとき、ここに来れるなんてな」
「うん。いくら見守っていると言ったって、やっぱり直接会って話したいじゃないか。あ、時間軸は一緒だから安心してね」
そう、最後に白からのプレゼントで貰ったペンダント。あれを身につけて寝ていたらこの白い部屋にこれるのだ。
肉体はそのままで、精神だけだが。
白曰く、この状態は死んでいるわけではないらしい。
詳しいことは面倒なので聞いていないが。
「睡眠のほうは大丈夫なのか?」
「そこのところも大丈夫さ」
「白が言うなら信じるよ」
「うん!」
俺の顔を見て嬉しそうに笑う。
「他の奴らを鑑定してステータスを覗いたんだが、ポイントは勇者同士でも見れないんだな」
「うん。本来はないものだからね」
「まあ、他人のポイントやステータスなんてどうでもいいけどな」
「あはは! 流石だね!」
白は笑った後、何かを思い出したようで手を叩く。
「あ、そうだ。言わなきゃいけないこと、あったんだ」
「ステータスについてか?」
「そうそう。やっぱり月と話してると楽しいね! ……それで、月の言った通りステータスについてなんだけど、一般市民の平均ステータスは一緒。冒険者と魔法使いの平均ステータスが上方修正だね」
やっぱり。
いくら勇者とはいえ、強すぎる。
レベルが上がっていったら俺ら勇者のステータスなんて軽く万を超える。それにポイントもある。いくらでも改造みたいなことができる。
「それで、どれくらい修正がいる?」
「そうだね、最低でも五倍……いや、八倍とかいくかもしれない」
「まあ、そんなもんか」
「レベルが1の時点でだと勇者たちがやっぱり一番強いね。向こうの世界でレベルが1なんて、900もいけばいい方だよ。ごく稀に天才が生まれて1000や1500なんてのもいるけどね」
「なるほどな。それにしても何故間違えていたんだ?」
「いやー……暇すぎで寝ていたら軽く千年とか経っててね。月に教えたとき、確認しなかったんだよね……」
「なるほどな」
「……怒ってる?」
「いや、怒ってないさ」
「あぅ……えへへ」
白の頭を撫でてやると嬉しそうに頭を俺の手に押し付けてくる。
「そういえば、一般市民のステータスだけ変わらないと言ったが、何故だ?」
「あー、ハッキリ言っちゃったら一般市民はほとんど……。まったくと言っていいほどいないね。もしかしたら会うこともないんじゃないかな?」
「流石にコレばかりは分からない」
「大丈夫! 僕が分かりやすく説明してあげるから!」
「ああ。頼む」
「うん! 任せて!」
頼られて嬉しいのか、少し興奮しているように見える。
「さて、まずはどこから話そうかな?」
「……なあ、白」
「ん? どこから話すか決めたから心配しなくても平気だよ?」
「白の力で記憶を俺に移せば早いと思うんだが」
「出来るけど、僕は月と直接話しがしたいんだ……」
「説明に時間を使うよりも、記憶を俺に移して、残りの時間を俺との楽しい会話に使う方がいいと思わないか?」
「……はっ! 月はなんて頭がいいんだ! それでいこう!」
渋っていた白からすぐに承認を得た。
記憶を移すやり方は簡単で、ただお互いの額を合わせるだけ。
それで簡単に一般市民はほとんどいない、と言った理由がよく分かった。
簡単に説明すると、だ。
千年以上も前のこと、一般市民もそれなりにいて、冒険者のステータスが一番最初に白から教えてもらったぐらいの頃。
ステータスの低い一般市民は周りから下に見られ、酷い扱いを受けていた。
攫われて奴隷になることもよくあることだった。
そして何故か、一般市民は一般市民との間にしか子供ができない。そのため、そういったことの捌け口にもされていた。
ある日。
正義感が強く、曲がったことが心から嫌いな青年が一人の女性に恋をした。
そして猛烈なアピールの末、その女性と結婚するに至った。
その青年はハイランクの冒険者であったため、それなりに金はあり、冒険者を引退し、田舎の方で家を買い、作物を育ててノンビリと暮らしていた。
一年後に、その青年と女性の間に子供が出来た。
青年は子孫を残せなくても好きな人と死んでいけるため、十分だと考えていたが、子供が出来て泣いて喜んだ。
そして二年後に二人目の子供後できる。
十年過ぎるころ。その子供たちが頭角を表し始める。
そのことを知った国はすぐ、一般市民の奴隷化禁止令をだし、冷遇することもやめさせる。
一般市民の女性と結婚した青年を馬鹿にしていた連中は慌てて自分も、自分も。と、一般市民との間に子供を作ろうとしたが出来なかった。
その理由は青年と結婚した一般市民の女性曰く、心が綺麗でお互いに愛し合って出来ないとのこと。
心の良し悪しはどれだけ取り繕っても意味がないらしい。
本能で分かるのだとか。
そして一般市民が減っていったのは、一般市民と一般市民の子供には一般市民の純粋な子供が生まれる。
だが、一般市民の遺伝子は弱いらしく、一般市民が一般市民以外の人と子供を作った場合、一般市民の遺伝子がなくなく代わりにステータスに大幅な補正がつくらしい。
一般市民にはスキル欄に出てこない特別な何かがあると考えられている。
そんなこともあり、国や貴族たちがあの手この手を使い、今となっては一般市民などみかけることはなくなり、強い冒険者たちが増えたのだ。
さらにとても分かりやすく言うと、だ。
一般市民、弱い。
迫害され、酷い扱いを受ける。
ある日、男と結婚。子供が強い。
国があの手この手を使う。
一般市民との子供を増やす。
遺伝子の弱い一般市民は減る。
強い冒険者増える。
こんなところだ。
それにしても。
「なあ、白。なんで一般市民って呼び方なんだ?」
「ああ、それは僕もよく分からないんだ。気がついたらそう呼ばれていたよ」
「過去とか見れないのか?」
「んー。面倒じゃないか。それよりも僕と話そうよ!」
「ああ、そうだな」
あの後、俺は白とずっとくだらないことを話して過ごした。
たぶん、次回あたりには出せると思う!
レイナをヤンデレにするか否か…
まあ、なんとかなるか!
もう一つの方を書き進めるかもだから、5話の更新遅くなるかも!
ってことでまた次回!