三十九話
……そういや、キャラの設定とか特徴、ステータス書いたノートがどっかいったんよね
まあ、別にいっか……
次にエピローグくるよ!たぶん!
もしかしたらその前に閑話入れるかもしれないけど……確率で言えば低いから!
とゆーことで物語スタート!
「ん、治った治った」
翌朝、目が覚めて少し体を動かしてみると、特に痛みもないし大丈夫のようだ。
今度はいつ来るか分からないんだけど……。また、予兆みたいなのあるのかな?
「月様、起きていますか?」
「起きてるよー。いま行く」
ノックの音が聞こえ、レイナが呼びかけてくる。
俺は返事をしてドアへと向かう。
「おはよ、レイナ」
「おはようございます」
メルたちはすでに食事を始めているらしく、先に食べ終えたレイナが呼びに来たわけだ。
森の中にいた時は、何度言っても俺が一緒でないとメルたちは飯を食べようとしなかった。
やっと、俺がいなくても飯を食べるようになったか……。
「おはよー」
「おはよう、月様!」
「おはようございます、月さん」
「お、おはよう」
「……おはよう」
挨拶をしてイスに座り、ソリアに料理を運んでくるように頼む。
最後なんだから、この店の料理を食べないとね。
「もう、いつでも出れる?」
「はい、大丈夫です」
「必要なものとか買った?」
「はい」
「なら、食べ終わるまでのんびりしてて」
と言っても、メル、ミーニャ、レイナは俺の食事風景をジッと見てくる。
レナとミオはお腹いっぱいになったからか、机に伏せて寝ていた。
寝ているレナとミオの狐耳が時折ピコピコと動くのを見て癒されながらも運ばれてきたパンとスープをゆっくりと食べていく。
まあ、15分くらいで食べ終えるのだが。
「……飲む?」
「「飲む!」」
「いただきます」
食後のコーヒー(仮)を飲んでたら、先ほどとは違う視線を感じたので聞いてみる。
間違っていなかったようで、カップを3つ創り、俺と同じコーヒー(仮)を注いで渡す。
俺と同じものが飲めて嬉しいのか、どこか触れしそうに見えるけど……大丈夫かな。
あれ、真は飲めないと思ってたけど、俺が関係すると異常なほど身体能力その他もろもろの能力が上がる朱莉でさえ飲めなかった。
ただ、甘いだけなのに。
あ、朱莉と真が飲んだのはコーヒー(甘)だった。
いまのコーヒー(仮)に練乳を加えたものだ。
飲み物のバリエーションでいえば、チョコレートを溶かしたものに牛乳、練乳、砂糖を限界まで混ぜたものもある。チョコと牛乳の比率はその日によって変わる。割合を合計10で表すならば、チョコが9のときもある。
「……甘い」
「……甘い」
「……甘い、ですね」
久しぶりにチョコのやつを飲んでみたいなと考えていると、そんな声が聞こえてくる。
目を向けると、3人とも眉間にしわを寄せている。
「あまり、無理して飲まないほうがいいよ? 普通だったら体にあまり良くないと思うから」
元いた世界にいた時から俺はおかしいと分かってたし、ここにきてさらにタガが外れたのも理解している。
「ほら、普通の水でも飲んでな」
メルたちからカップを受け取り、かわりにグラスのコップを創り、水を注いで渡す。
……4杯飲むことになったな。
普通に消せばいい話だが、なんとなくだ。
「まだ口の中が甘い……」
「しばらくこのままですか……」
「…………」
レイナにいたってはしゃべらなくなってしまった。
そんなにアレだったのか……。少しショック。
「……ん?」
服を引っ張られたのでそちらを見てみると、ミオが見上げていた。
どうしたのかと思っていたが、視線が俺ではなく、コーヒー(仮)が入ったカップに向けられていた。
「飲む?」
「……うん」
さすがに、メルたちの飲みかけを渡すわけにもいかないので、また新たにカップを創り、コーヒー(仮)を注いで渡す。飲みやすいようにカップの大きさは少し、小さくしてある。
「……美味しい」
「お? ミオは大丈夫なのか」
「……ん」
一口飲んで美味しいと呟いた後、勢いよく飲み干して俺にカップを差し出してくる。……おかわりがほしいのか。
カップを受け取り、テーブルに置く。そしてミオを魔法の力を借りて持ち上げ、俺の膝に座らせる。
おそらく、筋力パラメーターをいじることはできると思うけど、面倒だし魔力で身体強化すれば事足りるならそれでいい。
ミオにカップを持たせ、そこにおかわりを注いでやる。
俺が膝に座らせても嫌な顔せずに、そのまま2杯目を飲み始める。
俺も自身のを飲み終えたのでそのカップは消し、メルたちが飲み残したものに手を伸ばす。
「……ん」
2本の尻尾に催促されて3杯目を注いであげる。
あぁ……癒される。
出発したのは、俺が休憩としてコーヒー(仮)を飲み始めてから1時間後だった。
☆☆☆
店を出て、ようやく獣人の国へと向けて出発した。
ソリアには長い間泊めてもらったお礼にと、砂糖、コショウ、塩をそれぞれ10キロほど渡しておいた。
そのことに対し、少しだがレイナにお小言をいただいた。
まあ、反省するそぶりを見せない俺に、それ以上なにかを言ってくることはなかったが。
先頭をレイナが。最後尾を俺とメル、ミーニャで歩き、間にレナとミオがいて、今は西にある出口へと向かっている。
そこから1週間休まず歩けば着くそうで。休まずは無理だから、実際に着くのは2週間前後になるかな。
「おい、お前。その獣人を買ってやる」
また、森の中歩くのか。
ってか、エルフってたしか、森の中に住んでるんだよな。獣人の国に行った後はエルフのとこ行くか。
よくある話だと、女性は貧乳らしいけど、本当にそうなのか。あるラノベ作品だと、巨乳とか出てきたけど……百聞は一見にしかず、だ。実際に見た方が早いな。
「聞こえなかったのか? もう一度言うぞ。その獣人を買ってやる」
そういや、レナは5本、ミオは2本の尻尾を生やしているけれど……親は何本なんだろう。もしかして9本とか?
できれば会えたらいいな。少し興味が――。
「いい加減こっちを向け!」
思いっきり肩を掴まれ、体の向きを変えられた。
「お前、誰?」
「この俺様を知らない? これだから平民風情は。いいか? 俺様の名前は――」
「興味ないし、聞いてない。で、要件は?」
「…………」
なんか、面倒なのに絡まれたな。こんなのに時間くってる暇なんて無いのに。
「……ふぅ。まあいい。俺は寛大だからな。些細なことで怒らないのさ」
「どうでもいいから早く要件話せよ」
「こいつ……んんっ! そこの獣人を買ってやる」
「いや、売る気ないし。じゃ」
レナとミオを売るとかねーわ。
話してるのも時間の無駄だし、要件も終わったかさっさと行くに限る。こういった奴らは話し合うだけ無駄だし。
「き、金貨100枚! ……いや、500だす!」
「売る気ねぇって言ったろ。アホかお前」
こいつの行動が目立って注目をあびてるから、殺すのはまずいよな……面倒だ。
売る気ないと言ったのに、金貨の枚数とか言ってきて。一言残して去るに限る。これ以上関わってきて欲しくない。
「こ、この僕をここまでバカにしたのはお前が初めてだよ。……街の外では気をつけることだね」
捨て台詞みたいなの言って何処か行っちゃったけど……忠告していたら意味ないと思うんだよね。心理的に攻めるならまだしも。
別に警戒なんてしなくてもこのメンツなら負けることはないだろうし、気にしなくていっか。
ってか、ものすごくあっさりとしている。根に持ってくるタイプか?
「レイナ、行こうか。あれは無視していいよ」
「はい」
街の出口が見えているのに止められるってイラっとくるよね。
街の外で襲ってきたら皆殺しでいいや。
「2人とも、よく我慢したね」
再び歩き出した時、ふと思い出してメルとミーニャの頭を撫でる。
あの、わけわからんアホに絡まれた時、ちょっとしたきっかけで殺っていたと思う。注目されていたから、面倒なことになると思ったし、手を繋いで我慢してもらった。
「外で絡まれてきたら、我慢しなくていいから」
「「うん!」」
もしかしたら、2人が殺る前に俺が殺っちゃうかもしれないけど。
「……結局、この街に長くいたけど、俺ってソリアのいた店とギルドぐらいしか入ってなかったな」
街の外に出て、振り返ってこの街に来た時のことを思い返していると、武器屋に行ったとかなかったな。小説だとそこで掘り出し物とか、人の形をとる武器に出くわしたりとか。
……人混み歩くの嫌だったし、いま出くわさないのは時期じゃなかったってことで。
もしかしたらこの先であるかもしれないし。
☆☆☆
街を出てから2日が過ぎた。
……街の外では気をつけろとか、嘘をついているようには見えなかったんだけど、このまま来ないのかな? 殺る気だったから、肩透かしを食らったような……来た。
「レナ、ミオ。気づいてる?」
「う、うん」
「……うん」
メル、ミーニャ、レイナは気づいているだろうし、一応ってことで2人に聞いてみる。
やっぱ、獣人だからなのかな。
2日も日にちが空いたから、どうでもよくなってきた。2人に殺らせて、レイナをサポートにつけておけば安心か。
「何人いるか分かる?」
「え、えっと……8人」
「……8人」
「うんうん、レイナをサポートにつけるから、2人で頑張ろーってか、人殺したことある?」
「う、うん」
「……ある」
なら、大丈夫か。
俺を見てくるレナとミオに頷いてみせる。
殺っていいよ。といった合図だ。
それはしっかりと伝わったようで、まだ仕掛けられていないが、それを待ついわれはない。
「レイナ、お願い」
「分かりました」
レイナは返事をし、ナイフを逆手で両手に一本ずつ持つ。レナとミオはその場から動かず、火の玉を作り出す。
ようやくバレていることに気づいたのか、周りからナイフが複数飛んでくるが、それらは届く前にレナとミオの作った火の玉によって撃ち落とされている。撃ち落とされているやつをよく見てみると、溶けて原型が失われていることから、結構な温度である=魔力の質が高い。と思う。
「悪手だねぇ」
遠距離では無理と判断したからか、直接狙ってくる方針に変えたようだ。
2人ほど、突っ込んでくる。
だけど、メルとミーニャを狙うのは失敗だったな。レナとミオは先ほどで実力があると分かったからか、後回しにしたのは分かるけど……だからってメルとミーニャ選んじゃダメでしょ。
俺、レナとミオに任せてレイナにサポートを頼んだけれど、メルとミーニャに手を出すななんて一言も言ってないし。むしろ、その逆で殺っていいと言ってある。
まあ、第三者から見たらメルとミーニャが弱そうに感じるのは分かるけどさ。
当然、突っ込んできた2人はそれぞれ首と胴体を離されている。
…………あ、血がかかった。
「ご、ごめんなさい! 月様!」
「す、すいません! 月さん!」
それに気づいたからか、顔を真っ青にして謝ってくる。
別に、血がつくくらいなら綺麗にすればいいからそんなに必死にならなくてもいいんだけど……。
「大丈夫大丈夫。ほら、綺麗になったから、な?」
「レナ、ミオ。1人は生かして逃がしなさい」
「わ、分かった」
「……うん」
血がどうこうやっているあいだに、だいぶ削った(ころした)ようだ。
今更だけど、死体、どうしよ。……普通に燃やすかな。
「2人とも、お疲れ」
1人、離れていく気配を感じながらレナとミオを労う。
「レイナもありがと」
「いえ」
「それじゃ、行こっか」
死体を燃やすのなんて話しながらでも終わるし。
逃した1人がちゃんとこれを伝えてくれてると思うし。
厄介ごともしばらくのとこは落ち着くと思うし、これで心置きなく獣人の国にモフモフしに行ける!
そういや、読み返してる時にいくつか訂正する箇所見つけたんだけど、その時にやらなかったからどこか忘れちった☆
誤字脱字、文がおかしいとかあったらほんと、教えて……
ってことでまた次回〜