三十四話
……ども
テストが来週の月曜日からなのですが、全く手をつけておりません
もう、一夜漬けでなんとかなるテンションでいます
なので、もしかしたらもう一話(閑話になりますが)のれすかと、思われます
今回はやっと回想が終わるわけですが、今更ながら回想に入らないでそのまま書いてけばよかったかな、とも思います
まあ、物語スタート!
あのあと、俺は2人が氷矢の雨を凌ぐのに意識を割いているところを、土魔法を使って捉えてたところでレナとミオが響、刀を気絶させて終わった。
「今回やった殺し合いは、俺たちには殺す気が無かった。半殺しぐらいにしようって気持ちでやっていた。だから――その程度の気持ちで戦っていた俺らに負けるのは無いと思う。本当に殺す気できた?」
いまは喫茶店に戻り、勇者たちを床に正座させて、どれほどの覚悟を持っているのか確かめようと確認している。怪我はレイナとメル、ミーニャが回復薬? ポーション? どっちでもいいが、傷を治してこようとしたが止め、麗にやらせた。血を流す怪我を負ったのは俺だけで、麗は擦り傷。かたなと響は打撲で済んでいる。沙織と孝義は無傷だ。
「で、でも本当にそれで死んじゃったら」
「お前、盗賊に襲われた時にもそんな事が言えるか?」
響が言い訳をしてこようとするが、俺はそれを許さない。
まだ、そういった状況に合ってないのはよかったが、このままでいけば本当に死ぬ。誰かを人質にでもされたら全滅もあり得るな。
「この世界で人を殺さずに、何かを犠牲にしないで物事を進めようと考えているのならば、引きこもってろ。他の奴の足手纏いにしかならない」
ここまで言われて気づかないようだったら、もう諦めるしかないな。
「…………少し、考えさせてくれ」
そう言って響は立ち上がり、部屋へと戻っていく。それに続くように他の勇者たちも立ち上がって行ってしまう。
「月様。よろしかったので?」
「別にいいさ。一度は1人でゆっくりと考える時間も必要だろう。……それに、あいつらはそう簡単に諦めるような奴らじゃ無いことは分かってるからな」
これであいつらは問題ない。
問題なのはむしろ――。
「月様」
「ん、どうした?」
「月様は奴隷を買った後にここに戻り、レナとミオの2人と少し話をした後、1人で寝てしまわれたので奴隷について説明が出来ておりません。ですので今からでも大丈夫でしょうか?」
1人、のところをやけに強調して話していたが………………うん、思い出した。奴隷を買いに行くときに背負ってもらい、その時に俺から今夜。つまり昨夜は一緒に寝ようって言ったんだ。
だから不機嫌でいたのか。
…………なるほどなるほど。
「レイナ。ちょっとこっちきて」
「はい……?」
いつも通りの位置。つまり、俺の後ろに立っているレイナを近くに来るように手招きしながら呼ぶ。
不思議そうな顔をしながらも、ちゃんと来てくれる。
「ふぇ!? ゆ、月様?!」
近寄ってきたレイナの一瞬の隙をついて手を引っ張り、俺の膝へと座らせる。
突然のことで驚いているのと、密着することができて嬉しいのとが混ざったような表情をしている。俺の膝に横向いて座っているため、全部ではないがその表情は見えており、とても可愛らしい。
「2人はまた今度ね」
黒いオーラを出しているメルとミーニャに声をかけておく。そうしないと今夜にでも後ろから刺されそうだ。……なにそれいいじゃん。って思ったけど、よくよく考えたら今の身体だったら本当、天に召される。一瞬の興奮を取るか、これから起こり得るかもしれない興奮を取るのだったら、向こうの世界では体験できないような事が起こりそうなここに来たのだ。なので、まだ死ぬわけにはいかない。
「ごめんね、レイナ。昨日は1人で寝ちゃって。だから今日、しよっか」
腰に左手を回し、右手はレイナの頰に添える。嫌がる素振りを見せずにそれを受け入れ、頰を上気させながら俺の目を真っ直ぐに見つめてくる。
そのままジッと見つめ返していると、レイナが俺の首に腕をまわし、目を閉じて顔を近づけさせてくる。
「ん……?」
間に右手の親指を挟むことでそのままキスをさせることをしない。感触が違ったのか、目を開けて離れ、何とキスをしたのか確認したレイナが不思議そうな顔をしながら首をかしげる。
「グリス」
「……なんだ?」
名前を呼ぶと近くに来てくれるのだが……。
笑いを堪えているような表情をしている。そんなことはいま、どうでもいいか。
「メル、ミーニャ、レナ、ミオの4人を連れて、いまから一泊二日のクエストに行ってきてくれ」
「月様!?」
「ど、どうしてですか月さん!」
そう言うと、メルとミーニャがそばに立っていたグリスを退かしながら駆け寄って左右から腕を揺すってくる。
「そうだな。理由としてはミーニャ、レナ、ミオの経験を積ませるため、かな?」
「ならどうして私も!」
「一泊二日でどうこうなるとは思わないけど、メルも経験が少し足りないのと、グリス1人で3人はキツイと思って、それの手助けをして欲しいってのかな?」
右手をレイナの頰から外して、メルの頭を優しく撫でながら説得を試みる。
反対側にいるミーニャが羨ましそうに見てくるので、レイナの腰から手を外してミーニャの頭に乗せる。
そしたら今度はレイナが不機嫌になる。
……腕が2本しかないのにこれはどうしようもないですね。
今この時は少し我慢してもらうことにしよう。そうアイコンタクトを試みると、上手く伝わってくれたようで、しぶしぶといった感じで頷いてくれる。
「それでメル。どうかな?」
「……月様がそこまで言うなら」
「うん、ありがと」
いつも思うのだが、ヤンデレ。……しかも、状態異常に解除不可とまでなってあるのに、これじゃあ微ヤンデレみたいだと思う。今はまだ困るけど、いつかは後ろから刺されたり、監禁されてみたり……。
この子たちの自制心がそれほどまでに高いのか、それとも何か他の要因があるのか。
…………御都合主義で片付けていいか。
「それじゃグリス、お願い。勇者たちは食事の時に降りてくると思うけど、今日は考えに考えて、明日は元気な様子でいると思うから」
「ああ、分かった」
「みんな、このおっさんとメルの言うことを聞くんだよ? それと言われるままに行動するだけじゃなくて自分で考えて行動して」
なんだかんだいって、レナとミオ、ミーニャの3人も経験を積んでいるが、グリスやメル、ミーニャには及ばない。およそ一月前にこの世界へと召喚される前はほのぼの(?)とした世界にいた俺が言うのもなんだが。
疑問符がついているのは、朱莉のおかげでほのぼのとした世界なのに殺伐とした日常を過ごしてきたからだ。
「月様。行ってきます」
「月さん、行ってきます」
「……行ってきます」
「行ってくる」
意外にも、レナとミオも一言声をかけてくれた。昨日に比べてだいぶ態度は柔らかくなったと思うが、レナはまだ、どこか警戒心を持っている感じがする。ミオも若干の警戒心はあるようだが、俺を見るときの目に……尊敬? 憧れ? そのような感情がこもっている気がする。
「みんな、頑張ってね」
手を振って見送る。
荷物とかいらないのかな? 部屋に戻って準備とかしてなかったけど。
……そこらへんは俺が気にするところじゃないか。
「ソリア」
「はいはい〜」
グリスたちが宿から出るのを確認してからソリアを呼ぶ。
「勇者たちが降りてきたら伝言を頼む」
「分かりました〜」
「間違いはあるが、正解はない。何を信じるかは自分で決めろ。俺はもう、ヒントも何も与えない。と」
「はいはい〜。メモも取ったので大丈夫です〜」
「それと、グリスは俺の使いで今日は帰ってこない。明日には帰ってくるが、いつになるかは分からない、とも」
「分かりました〜」
「それじゃ、戻っていいよ」
「はいはい〜」
うん、間延びして話すからよけいにアホの子だということに拍車がかかっているような。
さて、これでたぶん邪魔をしてくる人はいなくなったはずだ。
「それじゃ、レイナ」
レイナが立ち上がった後に俺も立ち上がり、レイナの手を取ると、しっかり握り返してくる。もう、この手を離さないとばかりに。
「月……様」
俺が寝ていた部屋に入ると、レイナは俺をベッドにではなく、イスに座らせた。そしてあの日の夜と同じように向かい合う形でまたがってくる。
あのときはゴブリンに邪魔をされたが、今回は何も邪魔するものがいない……はず。
一応、魔法を使って音が外に漏れないようにもしたし、おそらく大丈夫だろう。
「それでレイナ。何をして欲しいんだい?」
「……き、……キス、をして欲しいです」
「うん、分かった」
俺は頷いて――レイナの頰にキスをした。
「月様……? き、キス……」
「うん、レイナの頰にキスしたよ?」
「そ、その……そこじゃなくて……く、口にキス、して欲しいです」
レイナはからかうとものすごく可愛い。照れた顔とか気を抜けば鼻血がでそうだと思うほどに。
しっかりしていて、気配りができるお姉さんのような……いや、実際年上だし、お姉さんなんだけど。そんな、いつもどこかに余裕を持っていると思っている年上の女性が顔を真っ赤にしながらお願いしてくるのだから、しょうがない。
今度こそ口にキスをすると、頭を手で拘束されて離れられないようにされ、舌を入れられる。
「はむっ……んっ、んちゅ……」
お互いの唾液が混じり合い、口の端から垂れ落ちる。顔が唾液でベトベトになってからしばらくして、ようやくレイナが手を肩に移動させて口を離す。
その表情は目をとろんとさせ、頰は上気し、口からは熱い吐息が漏れている。そして下半身から何か濡れているような感触が。
お茶など零していないし、唾液が垂れたとしてもズボン、パンツをそこまで湿らせるとは思えない。まあ、もとから考えるまでもなく分かっていることだが。
「月様の唾液、甘くてとても美味しいです」
「キス、だけでいいのかな?」
右手の人差し指と中指を揃えてレイナの口の中に突っ込み、優しく動かす。
「そ、そりぇは……ゆ、ゆえひゃま」
指をレイナの口から引き抜くと、唾液によって光っている。そして、揃えていた人差し指と中指を開いてみると、いやらしく指と指の間に糸を引いている。
「……ん」
「は、恥ずかしいです……」
レイナの唾液がついた指を咥えると、さらに顔を真っ赤にさせて俯いてしまう。
「恥ずかしい、ねぇ。……恥ずかしいのって、こんなにも濡らしているここのことじゃない?」
咥えていた指を口から出し、レイナの下腹部――のさらに下。パンツ越しにだが、そこに優しく触れる。
「ひゃっ! ゆ、月様!」
どうしたの? 期待していたから……こんなにも濡れているんだよね? これがさっきの唾液だけ。ってのには無理があるよね?
可愛らしい悲鳴をあげるレイナ。
優しく触れたあと、レイナの目の前に指を持ってくる。唾液よりもヌメッとした感触で、どことなくエロいと感じる。
「はむ」
見せつけるようにして再び、指を咥える。
「ゆ、月様! な、舐めたら……」
「唾液に勝るとも劣らないほどに甘くて美味しいよ」
「あ、ありがとうございます……」
また俯いてしまうレイナ。今度は前髪で目が隠れるほどに。
「ほらレイナ。俯いていたら可愛い顔が見えないよ?」
「え……んむっ」
指を口から出し、その手をレイナの頰に添えて顔を上げさせ、フレンチキスをする。
「レイナ。キスだけでいいの?」
「……ゆ、月様。わ、私の……初めてをも、もらってくだ……さい」
目をあっちこっちに移動させながらだったので、両手で頰を挟んで顔を固定させ、まっすぐにレイナのことを見つめる。
そのまま最後まで聞いた時、俺はイスを180度回転させ、ベッドにレイナを押し倒していた。
☆☆☆
あれから昼飯、夜飯と食べずにずっとやっていて、そのまま寝落ち。んで起きて今に至る、と。
3日前のことなのにだいぶ前のように感じる。
だけど、それで今日も最後だ。
そろそろこの街を出て獣の国へと目指して出発する。さすがにこれ以上ついて回ったりはしないだろう。むしろ、これ以上ついてきたら全力で追っ払う。
「俺たちはそろそろここを出て行くつもりだけど、お前らはどうするんだ?」
「国に戻って稽古か、それともこのまま旅を続けて実践で経験を磨くか、みんなで話し合う予定っす」
「そか」
一応は知っておく必要がある。
なんだかんだ思いながらも結局は手伝ったのだから。
「人って、死ぬときには死ぬもんだ。その時になったら諦めろ……って言っても、お前らは足掻くんだろうな」
「まあ、簡単にくたばるつもりはないわよ」
そういや、孝義が買った奴隷。昨日見なかったし、今もいないけれど……どうしたのだろうか?
「孝義。奴隷はどうした?」
「ああ、あの子は人見知りらしくてな。俺とはだいぶ慣れたが、他の人とは恥ずかしいと言って部屋にいる」
たしか、猫耳……だったはず。
人見知りで照れて、部屋に引きこもっている姿とか萌える。
「……もう一回、寝てくる」
昨夜、遅くまで起きていたからか、いつも以上に睡魔が強いと感じる。
レイナにはここでメルたちの帰りを待っているように伝え、フラフラとした足取りで部屋へと戻る。
「そういえば、奴隷に着いての説明……結局してもらわなかったな……」
なんてことを思い返しながらベッドに倒れこむようにして横になり、目を閉じるとすぐに意識は深い闇に包まれた。
黒星(★)は過去、回想での場面転換
白星(☆)は現在での場面転換であるつもりです
分からないところ、聞きたいところがあれば気軽にコメント下さい。ネタバレを気にしないのならば、そう書いていただくと普通にネタバレします
誤字脱字、文がおかしいなどありましたら、教えていただけると、本当にありがたいです……はい
ってことで、また次回ー
……あ、作者の成績とか聞きたいなら、二週間後ぐらいにコメントしてくれれば、普通に前書き、後書きのどっちかにでも書くよ(笑