三十話
えー……遅くなってすいません
ぶっちゃけ、サボってた部分があります
一昨日あたりには載せられるほど出来てたんですけど、加筆や文がおかしくないか確認してすぐに寝てしまい、ここまで伸びてしまいました
……待っててくれた方、本当にすいません
ってことで、物語スタートです!
「ん…………あれ、ここって……」
「あ、月様! おはよう!」
目を擦りながら閉じていた目を開けると、目の前に頰と右手に持つ短剣に血をつけているメルがいた。
…………少し、恐かった。
周りを見回してみると、森の中におり、レイナにミーニャ、グリスに勇者5人がゴブリンの大群と戦っていた。
「……何してるの?」
「何してるの……って、それは酷いっすよ月さん! 月さんがギルドで受けたゴブリンの討伐っすよ!」
「あー……思い出してきた」
そうだったそうだった。朝、逃げ場を無くされたんだった。それで断るのも面倒だったから一緒に行動することになって、ギルドでゴブリンの討伐依頼を受けたんだった。
今の俺のランク(F)だと、討伐依頼はこれしかなかく、でもまあいっかって受けて森に来たんだった。
森の中ってのは少し御幣があるな。街を出てからここにくるまでに間に昼食を挟んでいた時間を含めて4時間……は歩いたのではないだろうか。だが、歩いている間に魔物がなかなか出てこなく、俺が飽きて近く木に寄りかかって寝たんだ。
軽くのつもりがそのまま深い眠りに入って――。
「……ってか、魔法使わないの?」
先ほどから全員、魔法を使わずに剣や短剣、弓で戦っている。
魔法を使えば一掃できて楽なのに。
「いや、月が魔法使うのを禁止にしたんだろ……」
響が火属性の魔法を付与した剣でゴブリンを切りながら呆れ顔で俺のことを見る。
「えと……んん?」
「……あなたが森に入る前に、『この編成だとヌルゲーすぎるから、魔法禁止な。あ、付与魔法はありだから』って言ったんじゃない」
不思議そうな顔をして首をかしげると、今度は沙織に呆れ顔で教えられる。よくよく、寝ぼけた頭で思い返してみると、そんなことを言ったような言ってないような。
「あ、あと、『メルとミーニャ、グリスは存在自体がもうおかしいってか、チートだから、お前らは短剣だけな』って言ってました」
あー……言った言った。
俺らが本気を出してこのゴブリンの大群と戦うのを違うことで例えるならば、RPGでよく序盤の雑魚として出てくるレベル1のスライムを相手に、レベル、ステがカンスト。装備は最高ランクで戦うようなものだ。
「そういえば、寝てる俺を起こさなかったのは何で?」
そこまで思い出してふと感じた疑問。
普通ならば置いていかれてもおかしくはないと思う。寝ている間に魔物に囲まれても死ぬわけじゃあるまいし。
「あなたが寝て、どうするか話しているときにこの、ゴブリンの大群が襲ってきたのよ……っと」
甲本がゴブリンの振るう錆びた剣の攻撃を避け、空振りによって隙ができたゴブリンの後頭部に矢を打ち込みながら答えてくれる。
………………。
「なあ、何分ぐらいここで戦ってる?」
どうするか話し合うのに5分かかり、ゴブリンの大群が来たとして、1時間……は寝てないにしても、数十分は経っているはず。
何故、このメンツでこんなにも時間がかかっているのだろうか。
「おおよそ、20分ぐらいでしょうか。そろそろ合計で4桁に届くかと思います」
1000体、ねぇ。20分だと計算して1分で50体。1.2秒で1体の計算か。
このメンバーであるのに、結構ゆっくりなペースで狩っているんだな。
9人いるから、前と後ろの4と5に分けてローテーションを組んでやったとしてももう少しいけると思うんだけど……あ、囲まれているからそれは無理か。出来ないことはないと思うけど、もう少し人が欲しいかな。でも、全員で戦ってこれは誰かが手を抜いて……手を抜く?
…………ああ、俺がグリス、メル、レイナにミーニャと勇者5人の経験を積ませるために極力倒さないように言ったんだ。そして戦っている様子を観察して、俺に教えるようにとも。
でもさ、いくらなんでも20分は続けすぎじゃない? いくら必要最低限の動きで倒していったとしても、これほどまでに体力が持つとは。
「あー、レイナ、メル、ミーニャ、グリス。もう、終わらせちゃってよ」
考えている間にもゴブリンはどんどん倒されていく。ここまできてようやく、遠くの方にボスであろう大きなゴブリンが見えてきた。
いま戦っているゴブリンたちはよくて錆びた剣を持ち、錆びた盾を持っている。身につけているのは汚れた布を腰に巻いているだけ。
あとは時たま布でできた三角帽子を被り、矢筒を背負ったアーチャーゴブリンがいたりしている。あとは棍棒を持っていたり、珍しいのだと斧や槍などを持っているのを見かける。
アーチャーゴブリンが勇者たちに向けて矢を放ちつが、対処できるときは勇者自身で。無理と判断した時はレイナかメル、グリスの誰かが弾いている。
そして奥に見えたゴブリン……キング? は背も大きく、恐らく2メートルは超えている。錆びていない、綺麗な剣を右手に持ち、反対の手にはCランクあたりの冒険者が使っていそうな実用性のいい盾を持っている。
「もういいのか?」
「見てるのも飽きたし。いま、ギルドの依頼であるゴブリン討伐の5体、倒したから魔法使って全滅させて問題ないよ」
森に入る前、レイナに教えるのを忘れていたというギルドカードの機能について説明してもらった。
なんでも、倒した魔物の数が分かるとか。
確かに、そういったのがないと本当に自身で倒したか判断がつかないもんな。
ギルドカードを出して見てみると、一番下に新しく討伐数。と書いてあり、その下にゴブリン5と書いてあった。
倒した数はギルドに依頼を達成した時にカードを渡し、リセットしてもらうらしい。
「月様。終わりました」
「おお。なら、街に帰ろうか」
やっぱり、レイナたちは存在自体がおかしいほどに強い。それほど長い間、考えていたわけでもないのに、周りにいたゴブリンたちを全滅させている。ドロップしたものはゴブリンの骨しかない。なぜか持っていた剣や盾など一緒に消えている。あ、ゴブリンキングは魔石を落とした。
さて、面倒だけれど歩いて帰りますか。
「よっこいしょ……っと――?」
「月様!」
立ち上がると同時に目の前が真っ暗になり足元がおぼつかず、平衡感覚も無くなって倒れそうになったところをレイナに前から抱きしめられて支えられることによってそれは防がれた。
「大丈夫ですか? 月様」
「……んー、大丈夫……とは言い切れないけど、いきなり立ち上がったから貧血でも起こしたんじゃない?」
「体調が優れないのでしたら帰りは私が背負っていきますか?」
「あー、楽したいし、お願い」
「はい」
体が思うように動かない俺はグリスに手伝ってもらいながらレイナに背負われる。
「相変わらず体が弱いのな、月は」
「んー、ある程度は強くなったと思うんだけどね。ってか、俺は体が弱いんじゃない。ただ、動かないから体力が無いだけだ」
「それ、あまり変わらないわよ? 麗ちゃんも地球にいたころのことを話した時にインドアだって言っていたけど、さっきまであれだけの数を相手にしていたのに倒れていないわよ」
「……俺はまだ、本気を出していないだけさ」
レイナに背負われながら街へに帰っていく。
メルとミーニャが先頭を。一番後ろにグリスがおり、レイナと俺を中心に勇者たちが囲っている。てっきり、メルとミーニャは自分が背負う! と言って詰め寄ってくると思ったんだが……。もしくは、背負えないにしても隣に付くと。
「月はそういった冗談が分かりにくいな。今のセリフだって、本当に本気を出していないことを知っているからあまり笑えないし」
「……放っておいて。俺は寝る」
俺は拗ねたフリをしてレイナの首筋に顔をうずめる。すると柑橘系の良い香りが俺の鼻腔をくすぐる。
と、同時に俺の中で悪戯心が芽生えてくる。
無論、それを我慢する通りはないため、沸き起こる気持ちに従い、すぐに行動へと移す。
「…………ひゃぅ」
「っ! レイナ、敵か!」
「本当ですか、グリスさん!」
「「………………」」
誰も見ていない瞬間を狙ってレイナの耳を舐める。
そしてすぐにレイナの首筋に顔をうずめる。誰にも見られていないはずなんだけど……前を歩いているメルとミーニャから何か黒い影のようなものが見える。おかしいな。前を向いているはずなのに。たとえこちらを見ていたとしても、見ていないのに
「レイナ、どこからくる?」
「……いえ、私の勘違いでした」
「そうか」
グリスは疑いもせず、抜いて構えていた剣を鞘にしまい、警戒を解く。
「そんなにくすぐったかった?」
「い、いきなりのことで驚いただけです」
何事もなかったようにまた、街に向かって歩き始める。
レイナにだけ聞こえる声量で話しかけると、同じように俺だけに聞こえる声量で返してくる。
「今度は声を上げないように気をつけてね?」
「……え?」
今度はレイナの首筋を舐め上げる。
レイナは下唇を噛むことによって声を出すことを堪える。立ち止まることもなかったが、体が一瞬だがぎこちなくなったためにグリスから視線を感じるが、グリスが見る頃には普通にしているため、すぐに視線は外される。
「ゆ、月様?」
名前を呼ばれたので返事の代わりに今度は首筋を甘噛みする。
軽く顎に力を込めたり弱めたりしているため、歯型が残るか残らないかは口を離してみないと分からない。3度目だからか、レイナは不自然な様子を見せなかった。
……だが、今は誰も見ていないからいいが、俺の見える範囲で耳や頰などは朱に染まっている。目は目尻が下がり、潤んでいるため向かい合ってみると色っぽいと思う。
「なあ、レイナ。いまのレイナはすごく男心を刺激するような顔をしているよ?」
「そ、そんなことは……」
「ない。と言い切れないのは自分で分かっているでしょ? もし、後ろにいるグリスが異変に気付いて様子を見たら? 周りを見回している勇者の誰かが今のレイナの表情を見たら? 前を歩くメルとミーニャが振り返って見たらどうなるんだろうね?」
「…………ぁ」
そう囁くと顔全体を真っ赤にさせる。
見られたらダメだって言ったのに……。
まあ、たとえ見られたとしても何ともないんだけど。
みんなにはバレないように幻覚魔法を使っている。俺が堂々とレイナの胸を揉んだり、キスをしたとしてもみんなからは普通に歩いているよう見えている。それに声を出したとしても風魔法を使って聞こえないようにしてる。
一番最初にいたずらした時、グリスが反応したのは、レイナにバレないように視せているのを不自然にならないように見せたからだ。
だから変な声であったのに、グリスは敵が来たのだと勘違いした。
「ゆ、月様……もう、我慢が……」
考え事をしながらもレイナの首筋を甘噛みしたり舐めあげたりするのを止めなかった。気がつけばレイナは口の端からヨダレを垂らしていた。
「そう。なら、止めておこうか」
そう言って俺は口を離し、水魔法でヨダレで汚れているレイナの首筋を綺麗にする。
その行動にポカンとするレイナ。
「ど、どうして止めるのですか……?」
「だって、我慢できないんでしょ? なら、おあずけ」
「そ、そんな……」
「また、2人きりになれた時に、ね?」
「……はい」
渋々ながらも納得してくれたようだ。
街に着くまで結構時間かかるし、、寝ることにしますかな。
「レイナ。寝るから着いたら起こして」
「はい、分かりました」
もう、幻覚魔法もいいか。
俺は目を閉じ幻覚魔法を解いてから眠りに付いた。
……ここで言い訳とかさせていただきたいと
学園祭実行委員になっちゃってたりなどあったんです
一番は受験の年になっちゃったということですね
まあ、勉強なんてこれっぽっちもしてないですけれども
授業がとても辛いです
今回のことを最初で最後にし、これからはまた、一週間以内には更新できるように頑張りたいです
……どうでもいい話ですけど、今日、電車の中に傘を忘れたんですよねぇ…黒い傘
困り者です
ってことでまた次回〜