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二十九話

あー、昨日、一昨日と模試があったんです

まあ、勉強してないから解けるわけ無いんだけどね……

今更だけど月くんの話し方や心情がコロコロと多少変わったりしてると思わない?…え?思わないって?あ、うん、ならいいんだ

多少は変化つけたと思うんだけどな……

それには理由があるんだけどね。分かる人には分かるよ。だって、ストレートではないにしても、書いてあるからね!

ってことで物語スタート!

 ……………………。

 …………。

 張り詰めた空気の中、剣を向けられているのにも関わらずに料理を食べ進めるミーニャ。

 メルとレイナは食べ終えており、いまは紅茶を飲んでいる。

 俺もカラになったカップにおかわりのコーヒー(仮)を注ぐ。

 ……んー、次はコーヒー(仮)じゃなくて、暖かい牛乳に砂糖を限界まで溶かしたのにするかな。急にあれが飲みたくなってきた。牛乳を飲むと落ち着く・・・・んだよね。

 なんてことを考えながらコーヒー(仮)を飲んでいると、視界の端に剣を構えたまま固まっている兵士と冒険者たちが映る。


「それで、結局何しに来たの?」


 声をかけてもすぐに反応がない。

 てか、勇者たちも固まってるし。グリス、どうにかしろよ。たしか、騎士団長とか言ってたなら有名だろうに。さっきだって名前呼ばれていたし。様をつけられて。


「な、なあ……」


 そこでようやく、冒険者の1人が固まっている状態から解けた。勇者たちもどうなっているのか困惑していながらも、硬直から解けたようだ。

 それにしても彼、なかなかステータスが高いな。アベレージ20000か。メルとレイラの本当のステ知ってると感覚が鈍ってくるんだよな……。レベルとスキルの数から見てみるに高い。と思ったけど普通だったりとか?

 眼に映る人を片っ端からステータス、覗いていってもいいけど……面倒だし、何より疲れるからそんなことはやらない。まあ、1番の理由はつまらなくなると思ったからだけど。


「抵抗するなり逃げるなりしないのか……?」

「どうして?」

「ど、どうしてって……俺たち冒険者は、ギルドの緊急依頼でBランク以上ですぐに行けるやつらで来ているんだが……そこにいる紫髪の魔人を倒しに」

「たしかに今のミーニャだと、ここにいる冒険者と一対一なら勝てないこともないだろうけど見逃せない傷を負う。それが複数対一なら負けは決まっている」

「……なのにどうして?」

「だって、メルとレイラがいるし」

「彼女たちが……?」


 それにしても前から思っていたんだが……硬直から解けて、今話している青年。見た感じだと20代だろうか。毒気を抜かれたからか、構えを解いているけど……どこにそんな力があるの? って思うほどに細い。まあ、俺にも当てはまることなんだけど。

 見た感じ、多少の筋肉はあれど、細マッチョまではいかない。それに話していて気が弱いし、顔立ちは中性的で、綺麗な金髪だ。そして気が弱いし、髪を伸ばして女物の服を着れば男だとバレないと思う。さらに気が弱いし、女の子からすごくモテると思う。


「それよりもそろそろ、そこでまだ固まっている人たちをどうにかしたら?」

「あ、ああ」


 聞き分けがあっていい子だね、この子。

 家事とかも出来そうだ。

 一家に一人……あ、名前知らなかったわ。別にいっか。

 青年に肩をゆすられたりなどして他の冒険者たちもようやく動き出す。ってか、こんなにも人って長く固まっていられるもんなのか? よく分からん。これが魔物との戦闘、ないし対人戦闘中だったなら死んでいる。よくここまで生きてこれたな、と褒めてやりたいよ。

 まあ、面倒になると感じたから手を出したんだけど。


ゆえ様、ですよね?」

「ん? 何が?」

「Bランク以上の冒険者でしたら、不意の事態で一瞬、動きが止まることはあり得ますが、これほど長く固まっているのはまず、無いです」

「あー、まあ俺なんだけど……こんな長い間固まっていると思わなかったよ」


 少し、幻覚を見せて脅した(おどろかした)だけなのに。

 ってか、そろそろギルドの依頼を受けてみたい。普通に魔物を倒すよりもまた違った楽しさがあると思うんだよね。

 ……魔物の強さが変わるわけじゃないけど。


「まあ、今日のところは帰ったら? 時間の無駄でしょ? もう来なくていいからさ」


 武器を持ってはいるが、構えておらずただ手に持っているだけ。

 ソリアの肩を押していた偉そうな兵士も硬直から解けたと思うけど、呆然と突っ立っている。


「あー……美味い」

「……今度は何飲んでいるのよ」


 コーヒー(仮)を飲み干し、カップをまた新しく創り、それに例の物(ぎゅうにゅう)を注いで飲むと甲本が話しかけてくる。

 どうして俺がやることなすことに口を挟むのだろうか。あれか。俺のことが好きなのか。

 ………………。

 ……ねーわ。


「これは、温めた牛乳に砂糖を限界まで溶かしたもの。通称、例の物」

「何が通称よ……そう呼んでいるのはあなただけじゃないの?」

「まあ、そうなんだけど……いや、俺の弟と幼馴染もそう呼んでいる」

「そういえば、ゆえちゃんの弟さんの名前って天宮あまみやまこと、ですよね?」


 麗が俺の目を真っ直ぐに見つめながらそう尋ねてくる。……なんでまた、ここで真のことを引っ張ってくるのか意図がよく分からない。


「そうだけど……それがどうかしたか?」

「いえ、深い意味はないです。ただ、気になっただけで……」

「そうか」


 そろそろ、本当に勇者たち(こいつら)と別れて行動したい。それでギルドに行って依頼受けて……いや、今日はもう寝る。眠い。ただそれにつきる。


「おい!」


 ソリアを押していた兵士が声を荒げる。

 ……勇者たちよりもまず、こいつが鬱陶しい。早く帰ってくれないかな。


「そこにいる魔族は奴隷登録のされていない野良の魔族だ! 早くこっちにわた――」

「月様が食後のティータイム中だからその煩わしい口をいい加減に閉じろ」


 帰ってくれないかな。と思っていたら、一瞬で間合いを詰めたレイラの殺気を至近距離で受けて、煩かった兵士が黙り込む。

 黙らせてくれたのは凄く嬉しいんだけど……でも、もう少し口調を考えて欲しかったかも。


「ぐ、グリス様!」


 だが、すぐに体をずらして座っているグリスに助けを求める。

 レイナは彼の諦めない根性(笑)にため息をついて呆れている。……まあ、普通はそうなるよな。


「今日のところは帰れ」

「……え?」

「安心しろよ。そこにいるグリスがちゃんと見ていてくれてるから。暴れそうになったら止めてくれるよ」

「……そうだ。ギルドにはそう言っておけ」

「わ、分かりました」


 納得はしていないようだが、グリスにそう言われたらしょうがない。といった感じで店から出て行く。なんか面倒なの相手にしてたら本当に眠くなってきた。いや、まあ。もともと状態異常に睡眠不足(解除不可)があるから常時、眠いんだけども。


「なあメル。疲れたから今日はもう休みたい。ギルドの依頼とか明日にしてさ」

「はい。…………ソリア」

「はい! 今行きます!」


 大きな声で呼んだわけでもないのによく分かるよな。レイナの声がよく通る……といっても限界があると思うし。


「な、なんでしょうか!」

「月様が疲れたと言うので部屋まで案内しなさい」

「は、はい!」


 へぇ。ここって宿屋もやってるんだ。

 料理が美味しかった分、こちらにも期待大。


「こ、こっちです」

「あいあい」


 牛乳(甘)を飲み干し、カップとソーサーを消して立ち上がる。


「レイナ。後はよろしく」

「はい」


 一声かけてから待っててくれているソリアのところへと向かう。


「それじゃユエさん。案内しま――」

「ゆ、月ちゃん!」


 いざ、ベッド(てんごく)へと案内! ってところで、麗が呼び止める。


「あ、あの……まだ色々と聞きたいことがあるんだけど……」

「また今度にして。眠いからいますぐに寝たい」

「……わ、分かりました」


 …………明日、来るのかな?

 そしたら来る前に逃げるか。

 ……早起き、苦手なんだよな。


★★★


「…………ん」


 眠りから覚めたが、目を開けないまま寝返りをうつ。このまどろんでいる時間がとてつもなく最高だと思う。そしていつ寝たのか分からないってほどに、気がついたら寝ていたっていうのがこれまた最高。

 ここのベッドも城とは比べものにならないくらいに寝心地がいい。

 なんでこんなにも差があるんだ……?

 靄がかった頭で考えると、いつもは何も考え付かないのに今回はコレ、といった考えが浮かぶ。あの城、ある程度の装飾はあったけど、ゴテゴテしていなかった。本当に必要最低限の装飾しかなかった。見栄えとかはパーティーなどで必要だと思うから綺麗だったけど……。あの国王は結構いい奴なんだな。きっと、多くの国民が慕っているだろう。


「…………ふぁ」


 ぼーっとしていたらあくびがでた。

 このままだと二度寝をして、次に起きたときは日を跨いでいた。なんてことがよくあるため、だるい体をなんとか起こして軽く伸びをする。目を擦りながらここで初めて目を開ける。

 昨日の夜は部屋に入ってベッドしか見ておらず、倒れこむようにしてベッドに入るとすぐに寝てしまったため、この部屋の構造がまったくと言っていいほどよく分からない。

 改めて今、部屋を見回してみると。俺が今いるベッド、小さなテーブルにイスが1脚。テーブルの上には水差しとコップが置いてある。日の光が差し込んでくる窓は閉じられていて、ドアには鍵がかけられている。


「…………」


 これ、鍵を外から締めたんなら誰でも入れるよな?

 だが、実際にはメルやミーニャ、レイナすらいない。ほぼ高確率で添い寝でもしてくると思っていたんだが。

 いつまでもこうしていたら体を起こした意味が無いのでベッドから降り、水を一杯飲む。


「……寝汗かくほど暑かったのか」


 水を飲んで完全にとまでいかないが、だいぶ意識がはっきりしてきた。

 寝起きのまどろんでいるときは気付かなかったが、服が体に張り付くほどに汗をかいていた。首や腕とかもベトベトしている。


「風呂だ。……風呂に入りたい」


 だが、ここには無いらしく、いつも通りに水魔法を使って体を綺麗にする。

 服も魔法を使って新品みたいに綺麗にすることは出来るが、なんとなくそれは嫌だから服とズボン、パンツを脱いでそれらは空間魔法で作った、俺専用四次元空間にしまう。

 原理とかは考えるのが面倒で考えていないが、出し入れする穴を複数個作ったとしても、全部俺が最初に作った穴へと通じている。……どこに作ったかこれまた考えるのが面倒だから毎回ズボンの右ポケットにしか作っていないが。

 いつまでも裸でいるわけにはいかないので、創造で同じ大きさの服とズボン、パンツを創る。

 服の柄はいつも通り、黒一色だ。やはり、ダボダボの服は最高だ。いまではもう、普通の服を着ることはできない。ダボダボ最高。


「さすがに、昨日今日で勇者たちはこないだろうし、今日はノンビリとギルドの依頼、受けますかね」


 鍵を開けて部屋から出て、階段を降りていく。


「おはようございます。ゆえ様」

「おはよう、ゆえ様」

ゆえさん、おはようございます」

「ああ、おはよ」


 昨日、勇者たちと出会って店内へ移動したときに座っていた位置にいたレイナたち。目の前には空の皿が置いてあり、紅茶やコーヒーなどを飲んでゆっくりしていた。

 …………これは普通だ。

 朝起きて、レイナたちがあいさつをしてくる。

 いたって普通で、なんら問題も何も無い。

 ――問題なのは。


「おはようございますっす!」

「お、おはようございます」

「ずいぶんとゆっくりなのね」

「「…………」」


 ――勇者たちがレイナたちの席の近くで朝食を食べていることだ。

 しかも、俺を見てあいさつをしてくる。

 いや、朝にあいさつをするのは普通か。ひびき孝義たかよしは口に食べ物を入れていて、目だけこちらに向けてきたが。


「今日は一緒にギルドの依頼、頑張りましょうっす!」


 そう伊田いだかたなから告げられたとき、俺はこいつらから逃げられないのかもしれないという考えが頭を埋め尽くしていた。

あと、2、3話で回想(のつもり)が終わると思うよ!

そしたら予定だと!予定だと!学園の方に話が行くかもね!

あと、月くんのルビ振りだけど、ところどころ抜けてるかもしれないけど……どんまい!

……物語書くのとだらだら書くのを比べたら、ダラダラ書くのってすごい楽だよね。ダラダラ書くだけでいいんだから……

ゴールデンウィークに入ってるけど、もしかしたらゲームしてるかも!

ってことでまた次回〜

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