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二十八話

いやー。まさかこんな早く投稿できるとは…

思わなんだね

艦これ、イベント始まったけど…情報待ちでノンビリしてまふ

ってことで物語スタート!

「ねえ。いま、ゆえさんに何しようとしたの?」

「……い、いたっ」


 ミーにゃが手に力を込めたのか、甲本こうもとは顔をしかめる。振りほどこうにも圧倒的なステータスの差があり、それは叶わない。

 誰も止める人がいないのはまず、勇者たちは突然の出来事に対応できていないため、驚き固まっている。……いや、1人だけ意図的に動かない奴がいるけれど、あいつのことだし、考え合ってのことだと思う。

 真っ先に止めるであろうグリスは、レイナによって抑えられている。止めようとイスから腰を浮かした状態で首元にナイフを当てられている。

 ん? なんかギルドのあたりかな? 少し騒がしくなっている。

 ………………ふぅ。


「ミーニャ」

「…………」


 名前を呼ぶと、先ほどまで無表情だったミーニャの顔には、なんで……? と驚きが浮かぶ。


「大丈夫だから。それに、俺は勇者たち(こいつら)と少し……色々? あるからさ」

「……分かった」


 どこにかは分からないけど、翼を背におさめ、甲本から手を離す。

 甲本の腕を見てみると、相当強く掴まれていたのか赤く、跡が残っている。

 ……どうでもいいことだけど、破れた服から見えるミーニャの背中がエロいと思います。


「………………ごめんなさい」

「…………え?」

「おお。偉いぞミーニャ。ちゃんと謝ることが出来るなんて」


 いつもの様子に戻ったミーニャは甲本に頭を下げて謝る。

 さっきまでと180度違う態度にまた困惑し、ふたたび固まる甲本。

 俺は何かに突き動かされるような衝動に駆られてミーニャを抱き寄せ、頭を優しく撫でる。その際に服を元に戻しておくのを忘れない。俺以外に肌を見せるなんて目の届く範囲にいる限り許さない。――目の届かない範囲にいても許さないけど。


「ありがとな、ミーニャ。もう大丈夫だから。それとメル、レイナもありがと」

「いえ」

「私は何もしていないよ?」

「大丈夫。メルが何をしようとしてくれたか分かってるから」

「うん……ふふっ」


 何でもない素振りを見せていたメルだが、嬉しさをこらえきれずに顔がほころんで笑みが漏れている。


「だけどゆえ様」

「…………」


 だけどメルは緩んだ頬をすぐに引き締め、目を細めて俺――の腕の中に収まってさっきのメルよりもだらしなく頬を緩ませているミーニャを睨む。


「いつまで抱き寄せているのかな?」


 そして剣の柄に手を伸ばす。

 ……助けたミーニャを自身(メル)の手で殺るのですか……。


「……むぅ」


 撫でていた手を止めると、残念そうな声が聞こえてくるがここはグッと我慢してミーニャの頭をポンポンと、軽く2回ほど叩いて離れるように促す。

 残念そうにしながらも俺から離れて座っていた場所へと戻っていく。

 グリスはまだ警戒しているが、行動に移そうものならレイナに。もしくはメルに邪魔されることが分かっているからか、監視だけに留めている。


「悪いな。それで……何を話してたっけ?」


 10分も経ってないはずなのに、内容が濃すぎる。もう少しゆっくりしてみたいって気持ちもあるけれど、これはこれで楽しいと思っている。

 この世界に来て約3週間。慣れたといえば慣れたが、まだまだ知らないことはたくさんあるし、それ以外にも未だに異世界にいる。という事実が胸を高鳴らせる。


「……っへ? あ、ああ、そうっすね! えと……何話してたっすかね?」

「まだ少し、混乱していて覚えていないわ……」

「なら、一度切り替えればいい」


 お? いままでずっと黙っていた仁志田にしだがやっと話すぞ。これで後は北条ほうじょう影宮かげみやだけか。

 ……影宮、ねぇ。


「それで、だ。天宮あまみや

ゆえでいいよ。一応、城を抜け出したとはいえ同じ勇者じゃないか」

「……そうか。ならゆえ。色々と聞きたいことがあったが……まずはミーニャと呼んでいた彼女についてだ」

「ああ、ミーニャね。俺、城を抜け出したあと迷って、気がついたら魔族領に入っててさ。その時にミーニャが魔物に襲われているのを見かけて助けた」

「もう隠さないのか?」

「だって、みんな薄々分かっているでしょ? ムキになって隠していてもアホらしいし」


 もしかしたら、まだ俺のステータスは偽造や隠蔽を使っているのか、使っていないのか悩んでいるのもいたと思うが、今のセリフで確信に変わるだろう。

 実際、仁志田に影宮、それとなぜか北条もだけど。いま会って、少なくとも俺が力を隠している。ということに気づいていることが分かっているし。もしかしたら学園に通っているらしい勇者の中の何人かも気づいているかもしれないし。

 ん? こっちに向かってきているかな?


「あの……ゆえちゃん」

「…………ん?」


 ゆえ……ちゃん?

 いま、北条から聞こえてきたと思うが、聞き間違い……では無いだろう。それは北条のまっすぐな目を見れば絶対。といったわけにはいかないが、高確率であり得る。


「あ、あのね、ゆえちゃん。私、全部思い出したよ。なんで忘れていたのか分からないけれど……」


 んー、思い出したのってやっぱり完全記憶のユニークスキルかな。

 白がたぶん俺に関する記憶を消していたはずだけど……ユニークスキルを手に入れたら思い出せるってほどかけた制限が甘かったのかな?


「…………ま、いいか。それで北条――もう、いっか。うらら。何が聞きたい?」


 思い出したのなら、他人行儀にする必要もない。

 麗が完全記憶のユニークスキルで思い出したのなら、同じユニークスキルを持っている影宮――ひびきも思い出しているのか。

 仁志田――孝義たかよしはあれだな。育った環境が環境だったから、人を見る目があるのだろう。


「いえ大したことじゃ無いんですけど……ゆえちゃんは私のこと、覚えていたんですか?」

「ん、覚えていたけど?」

「な、なら! どうして教えてくれなかったんですか?」

「いや、だって忘れてるなら忘れてるで別にいいかなって思ってたし。俺の中ではその程度だったんだよ」


 そう言った時、麗の雰囲気が変わったのを感じ取ってマズイと思い、俺はコーヒー(仮)のカップとソーサーを手に取る。

 その直後――。

 目の端に涙を浮かべながら勢いよく立ち上がった麗はテーブルに両手を思いっきりダンッ! と叩きつける。


ゆえちゃんの中ではその程度なのかもしれないけど! 私にとってはとっても重要なの!」


 勢いよく立ち上がったために、イスは後ろに倒れ、さらに麗が思いっきりダンッ! と叩きつけたテーブルにヒビが入り――。


 ――大きな音を立ててテーブルは壊れ、その上に乗っていた皿や料理も落ちていく。


「……あれ? 皿と料理はどこいった?」


 俺とメル、レイナとミーニャ以外の全員が、起こる被害から目を背けるが、いつまで経っても皿の割れる音が聞こえてこないので恐る恐る背けていた顔や、覆っていた手をどける。


「「「「「「……え?」」」」」」


 おー、驚いてる驚いてる。

 そりゃあ、壊れたはずのテーブルには傷一つなく、皿も料理も何事もなかったようにそこにあるんだから驚くか。


「お、お客様!! どうかなさいましたか!?」


 今更になって、ソリアが箒とちりとりを持って慌てた様子で駆けつけてくる。


「あ、あれ……? 大きな音がしたと思ったんですけど……気のせいですかね?」

「あー、ちょっと騒がしくしすぎたね。これ、お詫びとして受け取ってよ」


 俺は右ポケットに手を突っ込み、そこから袋を3つ取り出す。

 明らかに入らないであろう大きさの袋を3つ取り出したのを見たソリアは驚くが、ちゃんと袋は受け取ってくれた。


「あ、ありがとうございます」

「んーにゃ。もう少し静かにするように気をつけるよ」

「ここは人通りも少ないですし、多少なら大丈夫ですよ?」

「んー、そんときはそんときで」

「はい。これ、本当にありがとうございます」


 頭を下げて奥へと戻っていくソリア。

 ちゃんとお礼を言えるなんて。……よく読む小説とかだと、異世界イコール偉そうな態度のイメージしかないんだよね。……あ、それは貴族や弱いのに強がってる冒険者か。

 奥へと引っ込んでいったソリアに加えて男女2人の悲鳴に近い叫び声が聞こえてきた。

 ――と思ったら、袋を持ってソリアが戻ってきた。


「こ、これは貰えませんよ!」

「え? なんで? ただの砂糖に塩、コショウじゃないか」

「た、ただのって……これの価値をユエさんは分かっていないのですか!?」

「あ、少なかった? ならもう2袋ずつ追加で」


 右ポケットに手を突っ込み、追加で6袋取り出してソリアに無理やり手渡す。

 手渡す……というよりは、抱え持たせる。のほうがいいか。見た感じ重そうだが、そんな大した量でもないだろう。1袋、500グラムぐらいなのだし。9袋だから、4.5キロぐらいかな? まあ、いけるだろ。……いけるだろうって思ったけど、もといた世界のままだと、俺は持てなかったけどね。


「で、ですから! こんなに頂けないですって!」

「正直、まだまだあるから貰ってくれると助かるんだけど」

「で、でも……!」

「まあ、いいからいいから」


 俺はニヤニヤしながら肩を掴んで無理やり後ろを向かせ、背中を押して奥へ行くようにする。

 まだ納得いっていないのか、奥に行く途中に何度か振り返るが、手を振って返すとため息をついて何も言ってこなかった。


「さて。いつまで固まっているんだ?」

「な、なあ月。テーブル、壊れたよな……?」

「え? そうだったかな。気のせいじゃないか?」


 俺はあえてすっとぼけてみるが、まあ普通に嘘だって分かるだろう。

 また、奥からソリアと男女2人の悲鳴に近い叫び声が聞こえてきたが、まあいいだろう。今度はソリアも戻ってこなかったし。


「あの、ゆえちゃん。ありがとう」

「もう少し感情を制御できるようになっといたほうがいいぞ」

「う、うん」


 お? …………来たな。

 店の入り口に目を向けると同時に、荒々しくドアを開けながら鎧を着た兵士が3人。そこそこの実力者だと思われる冒険者が5人入ってくる。


「何の騒ぎだ?」

「ぐ、グリス様! そこにいる紫髪の娘は――」

「ソリア。お客さんが来たよ」

「あ、はーい! いま行きます!」


 偉そうなやつが何か言っていたけど、それを遮ってソリアを呼ぶと、奥から返事があってすぐにやってくる。


「おやおや? 今日は新しい人たちが多いですね!ご注文は――」

「私たちは客として来たのではない!」

「――きゃっ!」


 ニコニコと笑顔を浮かべて接客しているソリアの肩を押して脇に退け、ミーニャのことを指差す。


「グリス様! そこにいるやつは奴隷登録のされていない、野良の魔族です! 今すぐ対処しなければ大変なことになります!」


 そう声を張り上げると、冒険者たちが剣や杖、弓を構える。


「――いますぐ殺さなくては!」

次も早く載せられるといいねー…

……何話そうとしてたか忘れた…

ってことで、うん。また次回〜

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