二十七話
あー……遅くなってすいません……
咳と鼻水は治ったんですけど、頭痛が酷くて
今回は悪い方の体調を崩したみたいで。良い方の体調不良だったら39℃の熱があっても学校行くほどの元気があって、頭も冴えるんだけどねぇ…
今回は4,000弱で、文もいつも以上におかしいかもしれないけの……
まあ、物語スタート…ってことで
「まずはギルドカードからについて、ですね」
「あいあい」
ギルドカード……ギルドカード、ねぇ。
そんなの貰ったっけ?
「月様。羊皮紙に血を垂らした後、光って弾け、消えたのを覚えていますか?」
「あれねー。印象強くて忘れないさ」
「あれには特別な魔法が付与されていまして、ステータスを見られるのを防ぐために最初は自動で収納される仕組みになっています」
「収納、ねぇ。……それってどこに?」
「私も詳しくは分かりませんが、体に。でしょうか? 消えろと念じれば消え、現れろと念じれば現れます。……このように」
そう言って、レイナは手のひらを上に向けると、カードがどこからともなく現れる。
演出が何もないから、元いた世界ではちょっとした手品に使えるかもしれない。
「このギルドカードには、自身の名前、性別、種族、ギルドランク、そしてステータスにスキルが表示されます。見られたくない場合などは任意で隠すことなどが出来ますが、隠蔽や偽造のスキルがない場合などは、鑑定スキルを持つ人に全て筒抜けなのであまり意味はありませんが」
「……ってことは、強い人には全部筒抜けってことになるよね?」
「はい。ですが、鑑定を使って悪さをするような人はごく少数です。それに、力とは何なのか。を知っている人たちは弱きものに手を差し伸べていますので」
「ほう、そうなんだ」
あ、このパン美味いな。少しパサついているけど、スープに浸すと問題ない。……城の飯より美味しいってなんでだよ……。
手に持っていたパンから視線を3人に向けてみる。メルとレイナは城にいたからか、食べるている時も姿勢をピンと伸ばし、ナイフやフォークを上手く使っている。
それに比べるとミーニャは俺と同じ庶民の感覚に近い。使ったことがないのか、頑張ってナイフを使い、肉を切ろうとしているが、なんとか切れてもあまり綺麗とは言えない。
それを目にしたメルが、少しバカにした態度ながらも丁寧に使い方を教えていた。
……なんだかんだ言いながらも、2人は仲がいいじゃないか。
「月様にミーニャ。一旦手を止めて、ギルドカードをちゃんと出せるか試してください」
俺は手に持っていたパンを。ミーニャはナイフとフォークをテーブルに置く。
こういったのって、慣れてないならまずは口に出すのがいいんだよな。
「ほい……おお、出た」
簡単に出るもんだな。ミーニャを見てみると、俺と同じようにポンッと簡単に出しているようだし。
ギルドカードに書かれているステータスを見てみると……うん、ちゃんと本来のではなく、弄ってある数値になっている。
ギルドランクは……Fとあった。
「消えろ。と念じればカードに触れていなくても消えます」
ふむ。手を触れていなくても消える、ね。
俺はおもむろな動作でカードを指で挟み、真上に投げ上げる。投げ上げたカードはクルクルと回転しながら上昇していくが、徐々に緩やかになり、一瞬、空中で動きを止めた後に重力に従って落ちてくる。
カードが俺の頭に落ちる直前。
消えろ。と念じようとしたとき――。
「…………おう」
森でも感じた悪寒が全身を走ったため、思考が一瞬乱れてカードを消すことが出来なかった。そのために、落ちてきたカードが頭に当たり、軽い衝撃が。
また、悪寒は一瞬であったがすぐに収まる。……原因のほうは分からない。
一応、心当たりはあると言えばあるが……むしろ、今考えている原因である可能性が一番高いと思うが、絶対。と言うほどあっている。ってわけでもない。
せいぜい7割……ぐらいだろうか。
「月様、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫大丈夫」
俺の頭に当たって床に落ちたギルドカードを見ながら消えろと改めて念じると、ちゃんと消えた。
出ろ。と念じるとちゃんと現れたため、また消えろと念じてしまっておく。
「それじゃ、続きをお願い」
「はい。次にランクについてですが、高いのから順にS、A、B、C、D、E、Fです。カードを作った際にその人の強さに合わせてランクが最高でAまで決まるのですが、月様とミーニャのランクは何ですか?」
「それってこれのこと?」
「ええ、そうです。ミーニャはAですね。まあ、まだ若いとはいえ、魔族ならば妥当でしょう。月様は?」
「あー、俺はFだったよ」
また、カードをだしてレイナに手渡す。
俺が言ったことを冗談と受け取っていたのか、カードを受け取って見たときに驚きへと変わる様は面白かった。……お、この肉柔らかいな。これがクワイエトカウなのかな?
うん、柔らかくて美味しい。A4ぐらいの牛肉だな。
「ゆ、月様……?」
「ん?」
「い、いえ。カードを作った際に隠蔽や偽造を使っていても本来の実力が反映されてランクが決まるのですが……」
「あー、たぶん、それはステータスを書き換えたからじゃない?」
「か、書き換えた……ですか?」
「まー、別にこのままでいいよ。レイナの説明を聞いて、推測だけど俺たちのステータスとかの情報がギルドに渡ってるってことでしょ?」
「は、はい。ギルドカードを作ったと同時に、ギルド職員しか見られない特殊な羊皮紙に、作った本人の情報が記されたものが出来上がるのですが……」
「まあ、地道にランクを上げていくのも楽しそうだから。むしろ、そっちのがいいし」
「月様がそう言うのであれば」
「…………でも、一波乱あると思うけどね」
パンをスープに浸して食べながら、誰にも聞こえない声で小さく呟く。
その、一波乱を巻き起こす原因である元は美味しそうに食べ物を頬張っている。
「ランクを上げるのは、やっぱり王道でいうと依頼をこなしていくのかな?」
「はい。規定回数の依頼をこなし、そして本当にそのランクに見合うかの実力を図るためにテストがあります。又は、規定回数の依頼をこなさなくても、テストを受けてランクを上げることが出来ますが、その際に受けるテストは本来よりも数倍難しくなっています。なので普通は依頼をこなしてからのランクアップを目指しますね」
「んー、後はまた分からなくなってから聞けばいいか」
「細かいところは私とメルでサポートしていくので、大丈夫だと思います」
依頼を失敗することはまずないと思うし、レイナの言っていた通りに細かいところは任せようかな。
「それじゃこの後は――」
「あ! 天宮さんじゃないっすか!」
俺はこの時、たとえ実力がバレようとも逃げるべきだったのだ。
★★★
勇者たちに見つかった月たちはテラスから店内へと移動していた。
10人掛けのテーブルがないため、4人掛けのテーブルに異世界組。近くの6人掛けのテーブルに勇者組と分かれて座っている。
「……それで、どうしてここに?」
「それはこっちのセリフっすよ天宮さん! 天宮さんがすでにこんなところまで来ているなんて思わなかったっすよ!」
月の質問をそんなことで流し、会えて嬉しいのか大きな声を出し、体全部を使って喜びを表している。
その様子が鬱陶しいのか、伊田の存在を自身の中でいないものとして扱うことにして、涼しい顔をしながら食後の一杯として頼んだコーヒー(?)のカップに手を伸ばし、口に含む。
「ねえ天宮。あなたの飲んでいるそれ、何?」
「コーヒー|(仮)(かっこかり)」
「…………かっこかり?」
「コーヒーとミルクを1対20の割合で入れた上に、砂糖を限界まで溶かした上に更にプラスアルファで小さじ2杯を入れたもの」
「「「「「「………………」」」」」」
コーヒー(?)の正体を聞いた勇者たち5人と、その話に耳を向けていたグリスは黙り込んでしまう。
そしてそれを想像したのか、皆が皆、顔をしかめる。
「あんた、よくそんなの飲んでいられるわね……糖尿病になるわよ?」
「んー、大丈夫だろ。召喚される前も普段から飲んでいたものだし」
ちなみにこのコーヒー(?)は、月が創造で作ったものであり、この店に頼んだわけではない。
「それよりも、他のやつらはどうしたんだ?」
「それはっすね! 俺たち冒険に出る組と、学校に行く組とに別れたんっすよ!」
「あっそ」
自分から質問しておいて、それを聞いたら途端に興味をなくした態度をとる月に甲本が城にいたころと同じようにつっかかっていく。
「あなた、自分から聞いておいてその態度はなんなの?」
「あー……そうだな」
相手にするのを面倒に思った月は雑に返事をしてコーヒー(?)を飲む。
その態度がさらに甲本を刺激する。
「いい加減に――」
立ち上がって月の胸ぐらを掴もうと腕を伸ばした。
だが――。
「何しようとしたの?」
――服を破って背中から黒い翼を生やしたミーニャに手首を掴まれて止められる。
それにしても、毎日更新してる人ってすごいと思うんですよねー
つい最近?(毎日更新でいま、26話ほど載せてる)ヤンデレタグのついた異世界作品があるんですけど、あれだけの文字を書いて毎日更新って、1年前ぐらいからずっと貯めていて、それを載せてるんでしょうか?
まあ、行き当たりばったりでプロットもへったくれもない俺からすれば関係ない話ですよねー
ってか、まだ頭痛くて調子悪いから長々書いちゃってるわ…
また、出来れば…なるべく頑張りたいですねー
あー、ずっと曇りになんねぇかな。太陽にトラウマあって、偏頭痛も合わさって辛いんだよね…
まあ、また次回〜