二十四話
わーい、久しぶりの投稿だぁ……
…………何書こうとしたか忘れた
まあ、忘れるってことはどうでもいいってことで
でわでわ物語、スタート!
まあ、考えていた通り。レイナの言っていた街まで一緒に行くことになった。
無いと思うけど一応、といった形で魔物に襲われる可能性を考え、俺たちは助けた6人を囲むようにして歩いている。
先頭をレイナ。右側にメルで左側にミーニャ。後ろを俺が歩いている。
負っていた怪我はメルとミーニャが持ってきていた薬である程度は治っている。だけど疲労までなくなるわけではないので、歩幅を合わせている。だから街に着くのは日が沈む頃になると言われた。
「なあ、なんであれだけのオークを相手にしていたんだ?」
暇だったから俺は男の弓術士に話しかけることにした。
野郎と話したくはないけど、女と話すと面倒なことになるし……我慢するしかない。
「ああ、最初は違ったんだよ」
わざわざ俺の隣まで移動して話してくれる。改めて見てみると、この男は20代前半だろうか。10代後半かもしれないけど、だいぶ若いと思う。
……俺が言えたことじゃないけど。
「俺たちも始めはオーク1匹を相手に戦っていたんだけど、オークメイジが近くにいたらしくてね。周りにいたオークを呼ばれちゃったんだよね……」
完全に注意不足だよ。と彼は言って頬をかく。
「すぐ逃げるなりしなかったのは?」
真っ先に思ったことをそのまま聞いてみる。
……というよりは誰もがそう行動するような。
「俺たちならいける、って思ったことかな。俺たちはBランク、Cランクの集まりでパーティーを組んでて、引くことは考えてなかったよ」
「なんだ。ただの自業自得か」
「……はっきり言うね。まあ、そうだから返す言葉もないけど」
「状況判断、相手の力量を測れないやつはすぐ死ぬよ? 普段は勝てるとしても、武器、コンディション、天候、地形などによって戦況は変わってくるからね」
「ああ、次からは気をつけるよ」
本来、助けなければ次が無かったことに気づいているのだろうか。
…………バカなやつ。こういったのは次も活かせずに死ぬ奴が多い。
「そういえば助けてもらったのに名前、お互いに知らなかった。俺の名前は……」
「あ、別にいい。人の名前とか覚えられないし」
「そ、そうか……」
苦笑いしているけど、実際にどうでもいいし。
あー……なんか思いっきり暴れたい。魔物が予想していた通りに出てこないから、盗賊とか襲ってこないかな。傍から見たらボロボロの冒険者6人に、女が3人でしかもそのうち2人は子供。そして見るからに弱そうな男。まあ俺だけど。
あれ? 本当に見た目だけは弱そうじゃないか。盗賊、襲ってこないかな。そして拷問して砦の場所を特定して、金品漁りたい。
まあ、金とかあっても使わなければ意味がないんだけどね……。
あのまま、何事もなく昼になった。
本当に何事もなく昼になった。
ただ森を歩いているだけで昼になった。
……なんで盗賊出てこないんだよ。なんのための盗賊だよ。俺を楽しませるために居るんだろうが。
俺がイライラしているからか、誰も話しかけてこない。レイナたちは気を使っているからかもしれないが。
ちなみに、護衛をしているとはいっても成り行きの為、昼の用意まで提供はしていない。
まあ、アイテムボックスの機能がついた指輪を女魔法使いの1人が持っていて、その中に食料が入っているから問題ないらしいけど。
「…………ふぅ」
レイナから渡された果物(時間がかかるため、メロン味とスイカ味は抜いて貰った)、干し肉を食べ終え、ため息をついて空を見上げる。といっても、木々に遮られているため、ほとんど葉っぱしか見えないが。
………………眠い。
こう暇になると状態異常の睡眠不足が力を発揮する。
もう、レイナに背負って行ってもらおうかな。
「月様。そろそろ」
「ん、分かった」
レイナに声をかけられ、周りを見てみるとすでにみんなは準備を終えていた。
まあ、俺は何も持っていないからただ歩くだけなんだが。
「…………ん〜」
ポケットから飴を取り出し、口に含みぬがら、1番後ろを歩いてついていく。
このまま盗賊が出なかったら……出なかったら……?
………………。
…………。
もう、街まで瞬間移動するかな。
なんか、その方がいいような。というより、その方が断然いい。
「レイナ」
「はい」
名前を呼ぶとすぐに横まで来てくれる。
メルとミーニャからの視線を強く感じるけど、ここはしょうがない。
「歩くの面倒になったから街まで飛ぶよ」
「はい、分かりまし……はい?」
「いいから今向かっている街のこと、出来るだけ鮮明に想像してくれ」
驚いたままのレイナだが、何も言わずに俺の言うことを聞いてくれる。
「ちょいと失礼」
一言かけてからレイナの頭に手のひらを乗せる。この際、メルとミーニャからの視線がさらに強くなるが、目を合わせないようにする。もし合わせでもしたらその時点で終わる。色々と終わる。
それは置いておいて。……んー、やっぱり街の中に飛ぶのはやっぱりまずいかな。小説とかでもよく門兵とかが入場者の確認とかしているし。
「……動くなよ」
初めてだから上手くいくかわからないけど。と心の中でだけ言っておく。
目を閉じて集中する。
ふざけてやって、次元の狭間とかに行ったら洒落にならないし。
「「うおっ!?」」
「「「きゃっ!?」」」
「な、なんだ!」
メルとミーニャ、レイナは大人しいのにそこそこの冒険者が情けない悲鳴あげるなよ。
まあ、目を開けて周りを見てみるに多少の誤差はあるけど無事に街の近くまで飛べたな。次からはもっと上手くできるか。
「な、なあ。なんでいきなり街の前まで……?」
「知らんよ。ほら、街まで行くぞ」
説明するのとか面倒……というよりはこれ以上こいつらと一緒にいるのが怠くなってきたのでそろそろ別れたい。
話をぶった切って街の入り口に向かって歩いていく。
まだ何か言いたげだったが、結局何も言われなかった。
この街も大きいな。街の周りを壁で囲っているのは魔物から守るためなのだろう。
まだ街に入っていないのに壁越しに活気が伝わってくる。それに人の出入りも多いし、門兵は大変だな。
「なあエレナ。この街の名前、なんていうの?」
「スピリト、です。活気と根性の街とよく言われています」
「うわ…………なにそれ暑苦しそう」
街の名前を聞いてテンションが下がる。
暑苦しそうだった、なのが暑苦しい。と確信に変わる。
なんてことを考えながら歩いていると街の出入り口までついていた。
なのでそのまま歩いて中に入ろうとしたら。
「おい、ちょっと待て」
門兵に止められた。
被ったことないから分からないけど、兜ってやっぱり視界が悪くなるのかな?
ここにいる門兵は鎧を着てはいるけど兜は被ってないし。
ああ、返事しないから疑うような目、向けられてる。
「……何?」
「何? じゃない。身分証を見せろ」
「…………レイナ、後はよろしく」
「はい」
身分証、かぁ。やっぱりギルドとかで作るのかな。いや、作るんだろうな。
俺は後ろに下がり、変わりにレイナが前に出て門兵と何かを話しているのを横目に、飴がなくなって棒だけになったので口から出し、それは燃やして新たな飴をポッケから出して咥える。
「月様。行きましょう」
「ありがと」
街に入る時、門兵を見てみると顔は青を通り越して白くなり、震えていた。
………………。
……気にすることないか。
「…………うわ」
街に入ってまず思ったこと。
帰りたい。
ただそれにつきる。
もともと俺はインドア派で、必要がない限りは家に引きこもっていた。
だから背の割に体重は平均より軽いし、筋トレをやろうにも筋肉になる肉がない。食事だって体調が良い時だと2人前はいけるけど、普段は半人前から1人前で十分足りる。
人混みはまあ、夏と冬にあるあれで慣れている……と思ったけど、同じ人混みでも何かが違うので酔いそうだ。いや、酔う。これは見ただけで分かる。
まあ、こうやって自身に色々と言い訳を述べたのには訳があって。
まず、視界に入ったのは真っ直ぐに伸びた大通り。横幅も広く、多くの人が行き交っている。
店は宿屋とか食堂、肉屋、魚屋、果物屋に野菜屋など、食べ物関係がほとんどだった。
「月様、大丈夫?」
「月さん、大丈夫ですか?」
メルとミーニャが心配そうに俺の顔を見上げてくる。
「……ん、大丈夫か大丈夫じゃないかと聞かれたら…………全然大丈夫じゃない」
人気のないところに行きたい……いや、早く獣人の国に……モフモフが待ってる……。
「月様」
「ん? ああ、買いたいもの買ってくればいいよ。俺らはどこかブラブラしてるから」
「いえ、実は……」
そんなこんなでいま、冒険者ギルドの前にいる。
あの、多く人の行き交う大通りをレイナの後に続いて歩いていくと中央に噴水のある大きな広場に出た。その噴水が街の中心らしく、それを基準に十字に道が伸びている。
んー、レイナに聞いたらこの街も円の形をしているから簡単に考えると、だ。
まず丸を描く。それを十字に区切る。俺たちは北にある魔族領から西に歩いて行ったから、この街の中は描いた絵の右半分。つまり北東と南東に位置するのはが食料、宿屋など。
左下。南西に位置するのは武器や防具、冒険者ギルドがある戦闘職関係の店。
残った左上。北西に位置するのが一般の居住区、らしい。
居住区といっても内側と外側に分かれ、内側に貴族などの金持ちや位の高いやつ。外側に一般の人たちとレイナに教わった。
それにしても…………うわー……いかにもって感じだな。まあ、初めて実物を見るから何を基準にしたか……いや、俺の想像が基準だけど。
看板のマークは盾があって、その前に剣を2本クロスさせた形といった有り触れた感じだった。
「すいません、月様」
「いや、気にしなくていいよ。……ただ、吐きそうになっただけだから」
頑張って普通に振舞いたいが今の俺の状態はメルとミーニャに支えられ、半ば引きずられるような形だ。
「ここで月様とミーニャのカードを作っておかないと、また面倒なことになるので……」
「別に気にしなくていいんだけど。それよりもミーニャは魔族だけど平気なの?」
「はい、それならば問題ないです。獣人や魔族を奴隷にした時、連れて依頼を受けたりするのですが、その時にも登録などしたりするので」
「そんなもんなのか」
そこで話は終わり、レイナが扉を押して入っていく。
……まあ、その後をメルとミーニャは俺を引きずって。俺は引きずられて入っていくんだけど。
そして中に入っていくと意外な人物と遭遇。もとい再会した。
ここで簡単に街の絵でも書いとこうかな……文だけじゃ俺のだと伝わらないし……
あと、次の話の時にはたぶん、覚えてたら種族間の土地も書くと思われる?
スピリト
〜〜〜〜〜〜〜〜北〜〜〜〜〜〜〜〜
・居住区・・・・| ・食料、宿屋など
・・・・・・・・|・飲食関係・・・
・・・・・・・・|・・・・・・・・
西ーーーーーーーーーーーーーーー東
・・・・・・・・|・・・・・・・・
・戦闘職関係・・|・食料、宿屋など
・冒険者ギルド・|・飲食関係・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜南〜〜〜〜〜〜〜〜
注意!
・←これは特に意味はない!
居住区だけでなく、他のエリア(南西や北東、南東)などでも普通の家がある。
ただ、そこに集まっているからそう呼ばれているだけ。