二十話
よっしゃ!
Twitterでフォロワーさんと約束した5日後までに書く約束を守れた!
ほのぼの系も三千文字まで書けてるし、パソコンに向かえば明日には乗せられる!
あ、出来れば今回、あとがきも読んでほしい
ってことで物語スタート!
「今回は1回でいいんだ」
「月が僕のことをどう思っているのか知らないけど、僕はそんなにエロイわけじゃないよ?」
「……うん、そーだね」
「その目は信じてないでしょ……」
2人はいま、大きなベッドに並んで寝そべっている。
先ほどの会話に納得いかない白はジト目を月に向けながら腕を伸ばし、頬を突く。
「そう言われても……今までがいままでだからね」
白の好きにさせたまま、苦笑して答える月。
それを聞いた白は頬を突いていた手を一度止め……頬をつまむ。
「……どうしたの?」
「特に意味は無いよ」
「そう? ……それじゃ、このままでいいから話でもしようか」
「うん。………………鈍感」
「何か言った?」
「何でもないよーだ」
白が後半のセリフを小声で言ったため、聞き取れなかった月が聞き返すが、頬を膨らませるだけで教えてはもらえなかった。
このままでいいと月に言われた白は本当にそのままで、月の頬から手を離さないでいる。
「なあ、白」
「ん? どうしたの?」
「俺、あのときにユニークスキル欲しいって言ったよな」
「うん。前回来たときだよね」
ポツリポツリと愚痴を零すみたいに話し始める月。
「ユニークスキル、あったんだよ」
「おお! あの世界でもユニークスキルを持っているのは5人に4人の確率なのに凄いね!」
「……5人に4人の確率ってようは8割ってことじゃないか。ほとんどの人が持っていることになるぞ、それ」
「いやー、そうとも言うね」
白は両手で月の頬をこねたり、痛くない程度に加減して引っ張ったりしながら、あっけからんと答える。
「いや、持っている人の確率とかどうでもいいんだよ。それでな? ユニークスキルが7個あったんだけどさ……」
「7個なんて凄いね。普通だったら1個か2個。いままでで一番多い人でも4個とかだった気がするよ」
「あ、うん……別にそれもどうでもいいんだけど……」
どう説明したもんかな、と月は白の手を取り、指と指を絡ませて考える。そのまま力を強めたり弱めたりして白の手の感触を確かめてしばらくたち、頭の中で整理がついたのか白の目を真っ直ぐに見つめる。
「俺、神様になったみたいなんだ」
「うん、分かってる」
「…………」
大切なことを言ったはずなのに、白からにへーと笑いながら軽く返された月は黙ってしまう。
「……そんな簡単に」
「月だって芝居をしながらそんなこと言っているけど、どうしてそうなったのか分かっているでしょ?」
「いや……まあ、そうなんだけどさ。もし普通の人だったら今みたいに慌てるのかなって」
「普通だったやっぱりそうじゃない? でも月は違うでしょ?」
「んー、まあ」
話をしながらも、2人はずっとカップルのように手をにぎにぎしている。
「精神だけとはいえ、何回もここに来て……しかも来るたびに僕と交わっているからね。むしろ僕と同じ神になっていなかったら……異常体質?」
「そんな言葉で片付けられるほど簡単じゃないけどね……」
月は白の腕を引っ張って抱き寄せ、目を閉じる。
「いま考えても本当に信じられないよ。空想上の存在でアニメやラノベとかにしか出てこないと思っていた神様が、俺に抱きしめられているんだもんな」
「隠しているつもりは……ないとは言い切れないけど、月の住んでいた世界では科学が発達して現実的なことにしか目を向けていないからね……。昔の……江戸時代あたりまでは神様がいるって信じている人たちも多かったんだけど、今じゃ減る一方だしね。……それよりも月本体のほうで揉め事みたいだけど?」
目を閉じているため本来は見えないはずなのだが、白が直接に月へと映像を見せているため、そのままの状態で現在、月本体のある場所で何が起こっているのか見ることが出来ている。
「んー……それを教えてくれるのは嬉しいけど……帰してくれないよね?」
「……なんのことかな?」
「しらばっくれても分かっているよ」
「……あと5分」
「……うん、それは5分で終わらないセリフ」
ため息をつきながらも、月は優しく白の体に回していた腕に力を込める。
☆☆☆
「ねえ、月様から離れてくれない? 雌豚の匂いが移ったらどうしてくれるの?」
「私は月さんの所有物ですから。そばにいるのは当たり前です」
「……それは月様がそう言ったの?」
「はい! ずっと一緒にいろと言ってくれました!」
本当はミーニャが半ば無理やり言わせた感じだが、この場では言ったか言っていないかが重要である。
月が寝たあと、ミーニャは一度月から離れて膝枕へと体勢を変えていた。その月を膝枕しているミーニャに向けてメルが殺意のこもった目で睨みつけるように。レイナは羨望と嫉妬などが混ざった目で見ているが、それらの目を向けられているミーニャはとくに気にせず、右手で月の頬に優しく触れ、反対の手は自分の頬に手を当ててうっとりとしている。
「汚い手で月様に触るな雌豚が」
「負け犬の遠吠えにしか聞こえませんね」
何を言われても調子を崩さないミーニャに痺れを切らしたメルが一歩踏み出そうとするのを、いままで黙ったまま立っていたレイナが肩に手を置いて止める。
「レイナ! どうして止めるのよ! 私の邪魔をするならそこにいる雌豚の前にあなたから…………!」
肩に置かれた手を払い、剣に手を伸ばしてレイナを見たミーニャは息を呑む。
「メル。誰が誰をどうするですって?」
絶対零度を思わせるほどの冷たい目をメルに向けるレイナ。
「それと、頭にくるのは分かりますが周りを見なさすぎです。死にたいのですか? 死んで空からでも私たちのことを指でもくわえながら見ていてくれても構わないのですよ?」
メルは釈然としない顔をしながらも、レイナに言われたことを実行するために大人しく目を閉じ、数回ほど深呼吸をして頭を冷やす。そうして落ち着きを取り戻したメルは目を開ける。
「…………」
「理解しましたか。あの森で魔力操作と魔力探知のスキルを習得していなければここで2人とも死んでいましたよ。……いえ、もしかしたらあの森で死んでいたかもしれませんね」
2人の周りには注意してみても分かりにくいほど薄い糸のようなものが張り巡られていた。
「あーあ。気付いちゃったか。そのまま触れていれば綺麗にスパッと切れていたのに」
ミーニャは残念そうな顔をしながら左手を振るう。
その動作に身構えるメルだったが、レイナはそのまま動かず、黙ってメルに目を向ける。
「ん? 何?」
「どうして引っ込めたのです?」
「何のことかな?」
「私たちは警戒するに値しないと?」
「逆だよ。警戒しても意味がないことが分かったから」
一瞬だけレイナに目を向けるミーニャ。だけどすぐに月へと視線を戻し、頬を優しく撫で始める。
「まあ、もともと私はあなたたちに危害を加える気は無いよ。さっきのだってただの魔力だもん。……あなたたちは月さんが待っているって言った人たちでしょ?」
「……私たちを待って……いた?」
「月さんはそう言っていたけど……違うの?」
「嘘……てっきり私はいらないから置いていかれたのかと……」
手で口を覆い、目の端から涙を流し始めるメル。そんなメルに黙って布を渡すレイナ。そんな光景に目を向けずにずっと月の頬を弄っているミーニャ。
「…………」
その様子を月は寝たふりをしながら感じていた。
あのあと、白は自分で言ったとおりにちゃんと5分で月から離れていったのである。
そしていま、本体に戻ってきた月はどうしようか考えている。
「……月さん。私もずっと撫でていたいのですけど、寝たふりをしてないでそろそろ起きてくれると嬉しいです」
「大丈夫。どうしてスキルを使っていたのにばれたのかはすでに経験済みだ。うん」
頬を撫でていた手を止めたミーニャにそう言われ、少し納得のいかない顔をしながからも月は上体を起こす。
「つ、月様! 私を待っていてくれたというのは本当ですか!? 私を置いていったわけではないのですね!!」
メルは目から涙を流したときに布を渡してくれたりと優しくしてくれたレイナを押しのけ、月の下へと駆け寄り、頭を抱き寄せて自身の胸へと押し当てる。
「……分かったから一回離れて」
「はい!」
月にそう言われて大人しく従うメル。そして立ち上がった月は軽く伸びをしてから一言。
「さて、行くか」
「はい!」
「うん!」
素直に頷くメル、ミーニャだが、レイナだけは呆れた目を月に向ける。
「ん? どうしたんだレイナ」
「どうしたんだ、ではありません。軽くでもお互いに自己紹介などをですね」
「必要か? それ」
「…………」
「安心しろ。ここにいるミーニャはもちろんのこと、レイナとメルのステータスも”ちゃんと”分かっているから。ミーニャは鑑定持っていないけど、レイナとメルはミーニャのこと見れるだろ? ミーニャには必要だと思ったときにでも俺から教えておくよ」
「……分かりました」
「それで月様! どこへ行くの?」
レイナが頭を下げたのとほぼ同じに大人しく話が終わるのを待っていたメルが月の後ろから抱きついて話しかける。
それを見たミーニャが対抗するようにして前から抱きつく。
「……ねえ、今は私が月様とスキンシップを取る時間だよ? 邪魔しないでよ」
「あれ? そんなのいつ決まったのかな?」
ミーニャが月に抱きついたことにより、メルの機嫌が一気に悪くなり、ミーニャにつっかかっていく。
「仲良く出来ないなら置いていくよ?」
そう月が言った瞬間。
2人は無理して作ったということが丸分かりの笑顔を浮かべる。その頬は無理して作っているからかピクピクと動いている。
「ほら、2人とも。離れて。そろそろ行くから」
「それでどこへ行くのですか?」
2人はお互いに早く離れろと睨み合っていて月から離れる気配を見せない。
そのため、月が怪我をさせないように優しく引っ付いているメルとミーニャを引き離そうと頑張っているのを見ているだけで手伝おうとはしないレイナが尋ねる。そんな様子のレイナに月は目を向け、助けてくれと訴えるがニッコリと微笑むだけで動こうとはしない。
しかたがないので月は魔法を使ってメルとミーニャを引き離すことにした。
「きゃっ!」
「うにゃ!」
いきなり体が浮いたことにより驚いたメルとミーニャは月から手を離す。そのまま2人は月の頭より少し高い位置まで浮き上がり、少し離れたところまで移動して……落ちる。
「「いたっ!」」
尻を地面に打ち付けた2人は揃って声をあげる。
「今のはすぐに離れなかった罰な。だんだん酷くなっていくと思えよ」
「……うん」
「……はい」
素直に頷いた2人の下へ月は歩いていき、頭を優しく撫でる。
「罰を与えるのは悪いことをやったときだけだ。お前らを嫌いになったわけじゃない。それにいいことをやったらちゃんと褒美もあるからそんなに落ち込むな」
「うん!」
「はい!」
月に嫌われたと考えた2人は俯き、目の端に涙を浮かべていたが、嫌われたと思っていた月から頭を撫でられながら優しい言葉をかけられて涙は引っ込み、笑顔に変わる。
「……これが人心掌握術の基本ですか」
「……思い返してみて何も否定できないと考えている自分がいる」
月は振り返り、苦笑を浮かべる。
「それでようやく落ち着きましたし。どこに行くのかそろそろ教えてくれますか?」
「ああ、そうだな。まだ魔族側はすぐそこに”あった”村しか行っていないけど、もういいから次の国にいく。その国は」
月はそこでセリフを区切る。
そして長い前髪から見える目をキラキラと光らせながら嬉しそうに。
「獣っ子たちをモフモフスースーするために獣人たちのいる国だ! そして愛でて愛でて愛でまくる! 理想は獣の国でハーレムを作ること!」
そう高らかに声をあげる。
一章の中に入ってる登場人物紹介を近いうちに消して、一章のエピローグが書けた後にまた載せようと考えてる。
また載せるときは書き換えてる”かも”しれない
分からない感じとか誤字脱字を見つけたりしたらTwitterの不思議ちゃん(@tethugaku)にリプでも頂戴!
あと、2日ほど前に艦これ始めたからもしかしたら次に話を載せる期間が長くなるかもね!(そうならないように頑張るけど)
ってことでまた次回ー!