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十五話

これ、実は十四話をのせたときに7割がたできてたんだよね…

そのあとすぐに書けなかったのは学校で疲れて寝ちゃったのが…

あ、タグにエロとロリ、追加しておくよ〜

…登場人物紹介、随時更新とか書いといて更新してねーや

今日の午後に多分する…

ってことで長くなったけど、物語スタート!

「お兄ちゃんは私たちと遊ぶの!」

「俺たちと遊ぶんだってば!」

「私と遊ぶのー!」

「俺とだってばー!」

「…………」


 今、ゆえは子供たちに囲まれて腕や服などを四方八方から引っ張られていた。

 この村に迎え入れられた月はあの後からずっと子供たちと遊んでいた。

 始めはみんなで仲良く遊んでいたのだが、男の子と女の子で遊びの意見が割れ始め、現在子供たちにもみくちゃにされている。


「……み、みんな。落ち着こう」


 月のそんな呟きも子供たちの喧騒の前には無力。かき消されて誰の耳にも届いていない。

 そしてこんだけ密集していれば当然起きるべく事態。

 月は視界の端に男の子同士が今にも殴りあいそうになっているのを見つける。


「……はぁ」


 ため息を一度つき、手を鳴らす。

 すると子供たち一人ひとりの周りに水の膜みたいなものが現れる。

 子供たちはそれを不思議に思い、喧嘩を始めようとしていた男の子たちも意識がそっちに持っていかれる。

 子供たちに周りに現れたそれは触っても水のように通り抜けたりせず、確かな弾力と共に返ってくる。

 その感触に心を奪われた子供たち。

 みんな夢中になってその水の膜に触れたり、思いっきり体当たりをしたりと夢中になっている。


「……あ、あの。月さん」


 はしゃぐ子供たちを微笑みながら見ていた月に離れた位置で見ていたミーニャが近寄って声をかける。


「……服。大丈夫ですか?」


 そう言われて月は自分の格好を見てみる。

 先程まで子供たちに色々な方向から引っ張られた服は伸びきっていてヨレヨレだった。


「……大丈夫。もともとはぶかぶかの服だったし、ユッタリとした服が好きだからね」

「そうですか。……みんな楽しそうですね」

「……うん。ミーニャも触ってみる?」


 月は手のひらにこぶし大の大きさのぷよぷよとした水の固まりをミーニャに差し出す。


「不思議な感触……ですね」

「……死んだスライムみたいなのかな? 触ったこと無いけど」

「…………そう、ですね」

「……悪かった。トラウマになっていたか?」

「いえ、大丈夫です。それに……」

「……それに?」

「いえ、なんでもないです」


 月は自分が放った言葉でミーニャの顔に少し影が差し、不謹慎だったと思ってすぐに謝るが、ミーニャは首を横に振って否定し、何か続けようとしていたがそのまま言うことはなく、えへへと月に微笑む。

 そこで月の腹から音が鳴る。


「そういえば月さん、起きてから飴……しか食べていないですよね?」

「…………」


 無言で頷く月。頬が羞恥心からか少し赤くなっている。


「イスに座って待っていて下さいね」


 そういってどこかへ行ってしまうミーニャ。

 それを見送り、一度子供たちの様子を見てからイスに座ろうと考えた月が子供たちのほうを見てみると。

 先程まで水の膜に夢中だった子供たち全員が黙って月のほうを見ていた。

 そして月と目が合った子供は例外なくニヤニヤとし始める。


「…………」

「お兄ちゃんもやるね~」

「ミーニャ姉ちゃん、お兄ちゃんのこと絶対好きだよ!」

「この村のアイドルだもんね!」

「お姉ちゃん泣かしたら許さないんだからね!」


 黙って月のことを見ていたと思ったら口々に言い始める。

 小さい子たちも周りの子をまねて、『なかしちゃメ~』『やるね~』と言っている。

 それを聞いていた月は右手を一度振る。

 それに合わせて子供たちの周りにあった水の膜も消える。


「あー! お兄ちゃん!」

「なんで消しちゃうんだよー!」

「あれ、面白かったのに!」


 不思議な感触のする水の膜を消した月に対し、文句を言っているがその顔は全員ニヤニヤとしている。


「みんな! ミーニャ姉が戻ってきたぞ!」

「解散だー!」

「「「「解散だー!」」」」


 ミーニャが何かを持ってこちらに戻ってくるのを子供の一人が見つけ、それを告げるとまた別の子が大きな声をあげる。そして他の子供たちも大きな声で同じことを言ってどこかへと走り去って行く。

 その一連の流れを月はただ黙ってみていることしか出来なかった。


「お、お待たせしました……どうかしましたか?」

「……いや、なんでもないよ」


 結局、月は立ったままミーニャを待っていることになった。

 二人で並んでイスに座るとミーニャから包みを手渡される月。


「あの、よ、よければ食べてください」

「……ありがとう」


 包みを受け取った月はすぐさまそれを開けにかかる。月は昨日の昼を食べてから飴しか食べて……いや、舐めていないため、包みからするいい匂いにそれまで押さえていた空腹が耐え切れなくなってきている。


「美味しそうだな」


 包みを開けて見えたものはサンドイッチだった。

 大きさは20センチほどでパンをナイフで横に切れ込みをいれ、そこに見た目レタスな葉っぱ。見た目ベーコンな肉が入っている。

 そして包みを開けたことでさらに強くなる香りに眠たげだった月の目が覚める。


「いただきます」


 さっそく、と手に持って一口。


「あそこで食べた飯、二度と食べたくないな」


 まず口に広がるのは肉から溢れるばかりに出てきた肉汁。元いた世界でたまにそういった高級レストランなどに行って食べる機会が数多くあった月。今食べている肉はそれに引けをとらないくらいに美味しく感じている。

 次にレタスみたいな葉っぱとパンからくる甘み。

 肉のように自己主張が激しいわけではない。肉という名の暴走族が走り去って行った後に看護師がけが人に対して優しく接するような。


「これ、すごく美味しいよミーニャ」

「あ、ありがとうございます」


 ミーニャが作ったのだろうか。褒められて頬を赤くし、嬉しそうに喜んでいる。

 月はそれに気づかないままサンドイッチを食べ進めていく。




 食べ始めてから30分をかけて食べ終えた月。

 お腹もいっぱいになり、陽も昇って寝るには最高のコンディション。


「ミーニャ……眠くなってきたから寝るよ」

「……まだ寝るんですか?」

「そうだけど……寝たらしばらく起きないから今度はこれを枕にするよ」


 月は、手に楕円形をしたあの不思議な感触のする水の塊を作る。


「……うん。枕にするにはちょうどいい」

「…………」

「ん? どうかした?」


 手に持って感触を確かめていた月。ミーニャにじっと見られていることに気づき、手を止めてそちらに顔を向ける。


「い、いえ……私は気にしないですからここ、使っても……」

「おーい! ミーニャ! 悪いけど少し手伝ってくれ!」

「…………」

「呼ばれてるね。……また今度、機会があったらお願いしようかな」

「はい! 約束ですよ?」

「あぁ。約束だ」


 ミーニャは顔を真っ赤にしながらも一生懸命に膝を叩いて使っていいですよアピールをしていたが、無情にも手伝ってくれと呼びかけられ、顔を俯かせる。

 月はそれを見て可哀想だと思ったのか、また機会があったらとお願いすると、ミーニャは俯かせていた顔をあげ、花が咲いたような笑顔を見せる。


「頑張ってね」

「はい! 頑張ってきます!」


 ミーニャの背が見えなくなるまで手を振って見送る月。

 角を曲がったところで姿が見えなくなり、振っていた手を下ろし背もたれに体を預けて空を仰ぐ。


「……んぅ、本当にいい天気だなぁ」


 目を閉じる月。

 ほんのりと温かさを感じさせる太陽。暑すぎず、寒すぎずの気温。吹き抜ける爽やかな風。だんだんと意識が遠のいていく感覚に身を委ねる。

 そして意識があと少しで完全に持っていかれる。その瞬間。


「…………ん?」


 誰かに服の裾を引っ張られた気がした月。

 ギリギリのところで眠れず、鈍い痛みが頭に走るのを我慢しながら目を開け、下を見る。


「…………ぁ」


 月が向いた先には先程までいた子供たちの仲にはいなかった少女だった。

 その少女は見られていることに気づいて掴んでいた服の裾を離すが、何かを言いたげな目をしながら手を伸ばしては引っ込め、伸ばしては引っ込めてを繰り返している。


「……一緒に寝る?」


 限界まで睡魔が押し寄せてきている月はそう言うのがやっとで、今も目を閉じて眠りそうなのを一生懸命に耐えている。

 そして何とか絞りだした言葉を聞いた女の子は、不安そうな顔などしていなかったみたいに笑顔を月に向ける。


「……それじゃここ、おいで」


 月は自分の膝を叩く。先程まで抱えていたぷよぷよとした水の塊は邪魔なので消してある。

 女の子はその意図を理解し、まずイスに登り、そして月の膝の上へと腰を下ろして体を月に預ける。


「それじゃあ、寝ようか」

「うん!」


 その女の子を月は後ろから優しく抱きしめ、目を閉じる。

 女の子も月の手に自分の手を添え、一度、顔を上げて月の顔を見てから目を閉じて眠りにつく。


☆☆☆


「悪いなミーニャ」

「何がですか?」

「彼との時間、邪魔しちゃって」

「わ、私と月さんはそんなんじゃないです! そんなことを言うのなら手伝いませんよ!」

「いやー、それは困る。俺は黙っているとしよう」


 まったく。おじさんには困ったものです。私と月さんはそんな関係じゃ……。まだ、出会って二日だというのに。


「でも、ほんと悪かったな。畑を耕すのはミーニャの土魔法を使った方が時間もかからないし、楽だから、な?」

「……明らかに楽したいだけでしょ」

「まあ、そうともいうな。……終わったらまた月のところにでも行くといいさ」

「……もう、終わってるけど」

「そうかそうか。ありがとな」


 私はおじさんに頼まれていたことを終え、広場まで走って戻ります。そして月さんの所に行く前、建物の影で走ったことによって上がった息を整えます。


「はぁ……はぁ…………ふぅ」


 息を整えて乱れた髪を手で少し整えて。


「よし。……月さ……ん」


 そして月さんの所にと建物の影から出て行き、名前を呼びながら向かおうとしたのですけど、足は止まり、声も小さくなって月さんには届いていないと思います。

 そうなってしまった理由(わけ)は私の視線の先にある”それ”のせいです。


「…………」


 それ……月さんの膝に座り、月さんに抱かれて寝ている少女です。

 用事を頼まれる前。月さんが子供たちの頭を撫でているときにも感じたこの黒い感情。

 分かるのは今、目の前の光景を見ているとその黒い感情が強いとはっきり分かること。


「……邪魔、だな」


 今なら誰も見ていない。

 月さんもちょっとやそっとのことじゃ起きない。

 …………殺しちゃおっか。


「…………」


 寝ている月さんとその膝の上に座って寝ている少女の前に立つ。

 月さんが少女に手を回しているからどかして少女を移動させてからか……そのまま首をやっちゃうか……。


「…………んぅ」

「…………」


 …………いま、私は何をしようと。

 月さんの呻き声で意識がはっきりしたけど……さっきまでの私は私であって私でないような……。

 危うく、同じ村に住む子をこの手で……。


「いくら温もりが欲しいからって殺すまで……」


 私は頭を振って先程までのことを忘れることにした。

 そして月さんの隣に座り、月さんの肩に頭を乗せる。


「……こうしてるだけでも十分なのに」


 これ以上を求めたらいけない。

 私は我慢出来る子だから。


「でも、いまこうするのは……いいよね?」


 誰に問うわけでもなく、一人呟き、目を閉じる。

 月さんの匂いを。温もりを感じながら私は眠りにつく。

いつも通りの駄文だよねー

そーいえば、物語進めてるとき目線はどっちがいいかな?

最初は主人公目線だったけど、途中から第三者の目線で書いてたつもりなんだよ

まあ、俺のそのときの気分で…

ってことでまた次回〜

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