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十一話

昨日は眠くて書くのサボっちゃったw

今回は5000文字超えたよ!

駄文がダラダラと…

まあ、気にせず物語スタート!

「……っあ、あはっ。……ゆえひゃますごすぎぃ」


 しろといい、メルといい。最初から飛ばしすぎた気がするが、白は物足りない感じだったな……。

 いや、この反応が正しいのか。

 メルは今、寝ていると思うが時折体をビクつかせ、俺の名前を呼ぶ。

 体は俺の水魔法で綺麗にしてある。


「……本当なら一緒に周ってもいいんだけどな」


 俺はメルの頭を一度撫で、ベッドから立ち上がって部屋から出る。

 気配遮断のスキルをフルに使って階段を降り、宿から出ようとした。


「おや、あんた。どこに行くんだい?」

「…………」


 声をかけられ、振り向くとメルニアがいた。

 それにしても俺が本当に強いのか疑いたくなる。


「ちょっと散歩だ」

「メル様はどうしたんだい?」

「ああ、ヤりすぎて寝ているよ」

「若いっていいねぇ~。……散歩に行くのはいいけど、村の中が安全とは限らないからね。気をつけなよ」

「ああ。忠告ありがとう」

「それと、たぶん村から出ないと思うけど、一応伝えておくよ」

「ん?」


 メルニアからの忠告を聞き、宿から出ようと背を向けたが、再び声をかけられて前に出そうとしていた足を止め、振り返る。


「村の出入り口は二つあるんだよ。メル様と一緒に入ってきたところとは別にある村の出入り口から出て真っ直ぐ進むと森が見えるはずだけど、その森には絶対に入っちゃいけないよ。今まで入って出てきた人はいないんだから」

「……ああ、分かった」


 んじゃ、行ってくる。

 そう言って今度こそ宿から出る。

 村の出入り口が二つ。普通に考えると、入ってきたほうと反対のほうか。

 俺はもう一つの出入り口があると思われるほうへと足を向ける。


「……あぁ、なんだかドキドキするね」


 誰に言うわけでもなく、一人呟く。

 この村に人工的な灯りはない。あるのは月の明かりだけだ。

 それで十分明るい。今の日本では考えられない話だろう。

 人工的な光で夜も照らされて。人が活動していない時間なんてないように思われる。


「ここはもう日本じゃないんだし、今を楽しむか」


 少し暗くなった気分を変えるため、自然の美味しい空気を肺いっぱいに吸い込む。

 これも今の日本では……。うん、元の世界に未練があるみたいじゃないか。

 夢にまで見るほど憧れた異世界にいるというのに。


「ん? あれがもう一つあるって言っていた出入り口かな? 門兵がいないのは……普段、使う人がいないからか」


 魔物とかいるって言っていたな。メルと一緒に行動していたら弱い魔物に会うことはないって言われたけど。

 その魔物が村に来るとか考えていないのかな?

 村から外に出ると草原が広がっていて、遠くにメルニアの言っていたと思われる森も見える。


「…………ウサギ?」


 十分ほど歩くと目が赤く、毛が真っ白なウサギみたいな魔物”たち”に遭遇した。

 ただ、違うといえば角を生やしていることだろうか。

 中には二本生やした奴もいる。

 鑑定を使って名前を見ると、『ホーンラビット』だった。

 まんまじゃないか。


「それにしても……初戦闘からハードじゃないっすかね。まあ、それはそれでゾクゾクするからいいけどさ」


 初戦闘。

 味方、俺1人。

 敵、ホーンラビット17匹。


「ステータスを見た限りじゃ勝てるんだけど……多くないか?」


 17。数字に表すとなんと簡単なことか。

 実際目の当たりにすると多く感じるから不思議だ。


「ま、色々実験させてもらいますか」


 とりあえず、ホーンラビットを水に閉じ込める。

 窒息死しないうちに水を凍らせるイメージを固め、声に出すことでよりイメージを強くする。


こおれ」


 ん。無事に成功したようで、所々気泡が混じって白い部分があるが、大体のところは透明に出来たし、最初にしてはよくやったほうだと思う。

 でも、これを初戦闘とは認めたくないなぁ……。

 一方的だったし、実験って意味合いが強かった。

 …………。


「……初戦闘が楽しみだな!」


 これは戦闘ではない。実験だ。うん。

 ……あれ?


「ウサギが消えた? いや、ホーンラビットだっけ? まあ、いいか。名前なんて。氷の中にあるのは……なんだこれ? 骨と皮に……肉か?」


 ゲームみたいだな。

 真っ先に思ったことがこれだった。

 氷を魔法で作ったのは俺なわけで、それを操るのも簡単だった。

 骨8本。皮9枚。肉3個。

 一体に泥するものはバラバラ。数もランダムか。

 纏めて倒したから詳しいことは分からないけど。

 それらを右ポケットに全て入れていく。

 空間魔法のスキルを取ったときに、右ポケットをイベントリのようにしてある。

 入れられる数はその人のMPに依存するらしく……。うん、まあ気にするな。

 後、重さは感じないというなんともすばらしいものだ。

 STRの値が低い俺としては万々歳だ。

 それにしても、ステータスを見るとやっぱりつまらないな。

 勝てるか勝てないか。それの見極めも楽しみたいし、鑑定を魔物に使うのはやめておくか。

 そして次はお楽しみ。ステータスだ。


「さてさてステータスは、っと」


 ウサギを倒したことで上がったと思われるステータスを見てみる。

 そして一度、ステータスを閉じる。


「いやいやいや。落ち着け俺。きっと疲れているんだよ。そうそう。まだ寝ていないんだ。ほら俺、落ち着け」


 そのまま深呼吸をする。

 だいぶ落ち着いてきた。


「ほれ、もう一度見てみればさっきのは見間違い……見間違い……みまち……がい、だったらよかったな」


=======================

天宮あまみや つき   LV6

HP 1200/1200

MP 測定不能


STR 240

VIT 240

DEX 153600

AGI 204800

INT 測定不能

SPI 測定不能


状態異常 睡眠不足(解除不可)


ポイント 10048250


スキル

全状態異常耐性 LV5

苦痛耐性 LV5

気配遮断 LV5

気配察知 LV5

空間把握 LV5

鑑定 LV5

隠蔽 LV5

偽造 LV5

魔力操作 LV5 UP

魔力感知 LV4 UP

空間魔法 LV5

料理 LV4

水魔法 LV5

=======================


「スキルのレベルが上がっただけで他に新しいスキルとか何もないのか」


 これといって何かしたわけでもないし、もし何かあったとしてもそんな簡単に取得できないとか。

 いや、さっき水を凍らせたときに凍り魔法を取得していても……。

 水魔法に分類されるとか?

 ポイント消費で取れるスキル欄に魔法の種類は、火、水、風、土、雷、光、闇の7種類に空間魔法、重力魔法をあわせての9種類だけだ。

 まあ、そこらへんはい分かってくるか。

 ステータスにいたっては……なぜ、AGIがDEXを越したのか不思議だ。

 いや、計算で言ったら。

 MP、INT、PSIは変わらずで、HPは1レベ上がるごとに200ずつ加算。

 STRとVITはそれぞれ40ずつ加算。

 DEXは、元の数値×2の階乗。

 なぜかAGIにいたっては、元の数値×4の階乗。

 どうりで越すわけだ。

 あと、ポイントだが、1レベ上がるごとに10000も増えた。

 明らかにバランスがおかしい気がするが……今、俺が何を言ったって変わるわけじゃないし。

 ステータスを見るのもここまでにして森に入りますか。


「……やっぱり、森の中は暗いか。夜目スキルを最大まで取るかな」


 森の入り口にたどり着き、中を見てみると月明かりが木々の葉に遮られていて暗かった。

 おそらく、この森は昼の太陽が昇っている時間でも暗いだろう。

 周りは見えないこともないが、足元は別だ。

 ちょっとした木の根っこなんて見えやしない。

 350ポイントを使って夜目スキルを最大まで取る。

 すると先程まで見えていたのが嘘のようだ。

 葉の一枚一枚までよく見える。


「絶対に入るな。とか言われたら入りたくなるのが人ってもんだよね」


 俺は『この先入ると死ぬぞ』と書いてある看板の脇を歩いて抜け、森へと入っていく。


☆☆☆


「……結局、こっちにきても暇なわけか」


 森に入って半日ほどだろうか。

 時計がないから正確な時間は分からないが、一度、木に登って空を見てみると太陽が昇っていたので時間はだいぶ立っていると思う。

 それにしても、森に入ってから魔物一匹見かけない。

 そのため、本当にただの散歩になっているため俺の口からため息が漏れる。


「まあ、この暇は自分で作ったものだし。それにあのままあそこにいても、誰かに指示されて行動するってのは俺には無理だし、……結果的には暇なほうがまだマシか」


 そういえば俺、寝ていないんだったな。

 瞼が重いが目を擦りながらもなんとか起きている。

 今すぐ寝たいが、メルニアに入るなと言われたのと、森の入り口に看板が立っていたので寝ているときに襲われた。じゃ遅いのだ。

 気配察知でもしかしたら起きることが出来るかもしれないが、反応が遅くなる。

 ……油断しきった今とどっこいどっこいな気がするが。


「あいつらは自らあの場に残ると言ったのだし。魔王でもなんでも倒してくれればいいさ」


 俺はポケットから眠気覚ましになればいいなと思い、残り少なくなった飴を取り出して口に含む。


「だけど、もしかしたらの話。俺が敵になっているかもしれないけどね」


 ずっと一人で歩いていたからか、口が動く動く。

 飴の甘さが口の中に広がり、多少目が覚め、頭は冴える。

 足を止め、日の光が入らないほど覆われている木々の葉を見つめる。


「暇なのは今だけ出し。みらいにあると思われる楽しさに期待でもしているか」


 再び進み始める。

 今までずっと真っ直ぐ歩いてきたけども。


「それにしても、どこに向かえば森から出られるかね。まだ半日なのか、もう半日なのか」


 …………ん。囲まれた。

 さっきのウサギとは比べ物にならない数だな。

 深呼吸をしてどんなことが起こっても対応できるように心構えをする。


「初戦闘、か。死ななかったら万々歳の気持ちで行かなきゃな。この世界は元いた世界の常識なんて通じないのだし」


 初戦闘……うん。初戦闘。

 ……ウサギ? なんのことやら。

 そんなことを考えていたら木の影から二つの関節をもったサルのような姿をした魔物が出てきた。

 俺を逃がさない気か、前後左右どこを見てもサルがいる。


「……ここの森に入るのを止められた理由が少し分かったような。でも、半日も遭遇しなかった俺はついているのか?」


 いや、止められてないか。忠告されただけか。

 それにしてもウサギの三倍はいるな。

 ……ウサギ? なんの(以下略


「思った以上に速かったな。やっぱり鑑定を使わないで行こう、といった縛りは無い方がいいか? 力を読み違えて死んだら即アウトだし……でも、そしたらイージーモードでつまらない。ううむ、悩むな」


 考え事をしていたら後ろからサルが一匹、襲い掛かってきたので、さきほどのウサギのように全身を凍らせてみた。

 だいぶ近くまで迫っていたらしく、凍らしたサルがすぐ近くに転がる音が聞こえる。


☆☆☆


「案外弱かったけど……まあ、スライムみたいな奴で、序盤に出てくる雑魚はこんなもんか」


 俺の周りには後ろから襲い掛かってきたサルを凍らせたことで力の差を知り、逃げ出そうと俺に背を向けたサルたちが先程のウサギと同じように凍らせた状態である。

 そのまま放置して、ウサギのようにアイテムを落として消える前にバラバラに粉砕する。

 あのままの状態だから落ちたのか。倒した状態が違うと落ちないのか。

 ……もう一回さっきのとこに戻るか? 元が一緒じゃなきゃ意味ないじゃないか。

 いや、もう一回このサル倒せばいいのか。


「レベルがだいぶ上がった気がするが……まあいいか。本当はもう少し色々と試したりしてからレベリングしたかったけど、しょうがない」


 粉砕した魔物を見ながら、ここに飛ばされてきたときのことを振り返ってみると、一日一日が濃い。

 寝てもしろと話していて寝ている感じがまったくしないってのもあるか。

 でも、体の疲れは取れているんだよな。

 ……そういえば。


「魔物の名前ぐらいは知っておかなきゃいけなかったな。鑑定で名前だけ見るとか、出来るよな?」


 粉砕しても普通にサルの皮と骨、肉、爪が綺麗な状態で残ったのでそれらを右ポケットに入れる。


「さて、森を出るまでにもう一回はサルに遭遇してくれよ。他の魔物も見てみたいし」


 ウサギの三倍以上もの数を倒したからレベルもそれなりに上がってステータスがおかしいことになっていると思うが、忘れるために森の出口を目指す。

 もしかしたらメルが追いかけてくるかもしれないし。




 俺はこのとき、メルから逃げることと魔物との戦闘であることを忘れていた。

 それは絶対と言っていいほど忘れてはいけないことだったのに。

そういえば、お気に入り登録50件超えてたね!

なんか凄いね!

そんな読んでくれてる人いたんだね!

ってことでまた次回!

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