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九話

文とかおかしい気がするけど、今更だよね!

ってことで物語スタート!

下の文、編集して消しました。物語に問題がないように。

メルが出て行った後、色々と実験していて手に入れたいくつかのスキルを使ってこの城。そして


「レイナ。俺は部屋に戻って寝るだけだから、ユックリ食べてていいぞ」


 そう言って彼、月様は部屋に戻って行ってしまった。

 本当は私、メルリーナはもう少し月様とお話がしたかった。

 ”ちゃんとした”顔合わせは今回が初めてだから。

 だけど、体調が優れないのかフラフラと覚束ない足取りなのでしたので声をかけて呼び止めるのは諦めました。


「メル。彼のステータスはメイドたちが言っていたのと変わりはないか?」

「はい、お父様。……あ、スキル欄だけ違います。料理スキルがレベル4でありました」


 本当は違う。

 月様の本当のステータスを知ることが出来るのは私だけ。

 私が黙っていればいい。


「発言してもよろしいでしょうか」

「ああ、レイナか。なんだ?」

「月様を朝、鑑定した時点では料理スキルは持っていませんでした。ですが、このスープを作った後鑑定してみましたら、料理スキルのレベル4がありました」

「ふむ……勇者様たちは成長が早いのか」

「おそらく」


 お父様が真剣な顔をして考えていますけど、私にもう用はない。

 黙って月様の作ったスープを啜る。

 このスープの中にキャロッソウが入っているなんて今でも信じられない。

 だけど、月様をても嘘をついていなかった。

 こんなに美味しいスープを食べたらもう、今までのスープでは満足できないかもしれない。


「お父様。私はもう、失礼します」

「ん? もういいのか?」

「はい。昼食、夕食は月様の部屋でいただきます」

「おお、そうか。分かった」


 月様が作ったスープ。もともと作られていたものに手を加えただけだとしてもそれは変わらない。

 本来ならもっと食べたいのだが、やることがある。

 お父様、お母様。姉さんに断りをいれ、月様の寝ている部屋へと向かう。

 月様の専属メイドをやっている羨ましい立ち位置にいるレイナも食べ終えたのか、私の後をついてくる。


「レイナ。ここから先は私一人でいるから下がりなさい」

「ですが……」

「下がりなさい」

「……はい。ここにいますので、何かあればお申し付けください」


 月様と二人きりの時間を過ごそうと思っていたのに。

 まあ、二人きりになれたのだからよしとしよう。


「月様。入ってもよろしいですか?」


 扉を叩いても中から返事がない。

 まさか、食堂から出るときに『寝る』と言っていたあれは本当のことだったとは……。

 …………。

 ……これは都合がいい。


「月様。入りますね」


 寝ているならば起こさないようにと慎重に扉を開けて中に入る。

 また、音をたてないように扉を閉め、部屋の中を見回してみると、ベッドでぐっすりと寝ている月様がいた。

 月様に手の届く位置まで近づいていく。

 そして”夢”に出てくる人と重なって見えるその頬に優しく触れる。


「……どうしてでしょうね、月様。あなたを見ているととても安心します。初めて会ったはずなのに、そんな感じなんてまったくしないですし。……夢を何回も見ていたのもあるかもしれませんけど」


 そう、お父様からこの国を救ってくれる勇者を召喚しよう。

 その話を聞く数日前から私はある夢を毎晩見る。……いや、見ていた。

 場所は毎回違うけれど、内容はだいたい一緒だった。

 私はどこかに閉じ込められていたり、盗賊などに追われていたりと危機に遭っているとき、毎回そのピンチを救ってくれているのが今、目の前で寝ている月様なのだ。

 無愛想に接しているがにじみ出る優しさを毎回感じる。今、目の前で寝ている月様からも。

 私は召喚される勇者は、名前も知らないけれど夢に出てくる男性がいると確信していた。

 夕食の席に私は初めて勇者様と会うはずで、とても楽しみにしていた。

 まさか、勇者様が十二人も召喚されるとは思わなかったけれど。

 そして昨日、夕食の席に一つだけ空席がある。その一人は部屋で寝ているという。

 昨日、夕食の席に来た勇者様たちは夢に出てきた方とは違う。なので部屋で寝ているという勇者様が夢に出てくる男性だと思う。

 期待をこめて夜中、忍び込んでみると夢に出てきたあの方と重なり、思わず嬉しさで声をあげそうだった。

 月様は私を知らない。

 私も月様をよく知らない。

 だけど、これから私のことをユックリと知ってもらえばいい。

 私が月様のことを知っていけばいい。

 私を好きになってもらうためにはどんなことに手を染めてもいい。

 昨日は月様の頬を一度だけ撫で、部屋に戻った。

 だけど今日は違う。

 時間はたっぷりとある。

 それにもし月様が目を覚ましても問題ない。


「……目を覚ます気配なんてないけれどね」


 月様に寄り添って寝たり、頬をいじったり。

 そして軽くキスをしてみても起きなかったので口の中に舌を入れてみたりもした。

 それでも起きる気配は無い。




 昼食、夕食が過ぎても月様が起きることはなかった。

 私は月様の寝顔をずっと見ていたが、気がつくと朝になっていた。

 そのまま月様のベッドで寝てしまったらしい。

 寝落ちとはいえ、月様の隣で寝たのは事実。

 顔が赤くなるのが分かる。

 顔の火照りを落ち着かせ、もう一度近くで月様の寝顔を見ようと思っていたら起きてしまい、至近距離で目が合う。


「……あ、起きた」

「……え?」


☆☆☆


 何故、銀髪少女はここにいるのだろうか。

 俺と彼女に接点はないはず……あ。

 そういえば白が言っていたな。彼女にはユニークスキルである”真実の瞳”があって、俺のステータスが筒抜けだって。


「私の月様。おはようございます」

「ん? ……ああ、おはよ……う?」


 私の月様?

 どういうことかさっぱりだ。

 彼女のステータスを見てみる。


=======================

メルリーナ・イストワール   LV70

HP 56270/56270

MP 12380/12380


STR 19030

VIT 18620

DEX 9860

AGI 16570

INT 890

SPI 570


状態異常 狂愛


スキル

真実の瞳

未来視(使用不可)

隠蔽LV4

鑑定LV5

夜目LV4

遠視LV4

弓術LV4

剣術LV4

体術LV3

苦痛耐性LV3

気配察知LV3

双剣術LV3

火魔法LV4

土魔法LV2

=======================


 …………こいつ、本当に王女かよ。


「……なあ」

「はい、何でしょうか月様。……あ、私はメルリーナ・イストワールです。メルとお呼びください」

「……メル、このステータスって隠蔽を使っているか?」

「使っています。……鑑定を使って私のステータス、見ました?」

「ああ、見た。それと無理してそんな話し方しなくてもいいぞ」

「なんで分かっちゃうかな~」


 えへへと笑いながら近くにあった顔を離し、頬をかく。


「ところどころ話し方がおかしかったからな」

「っえ? ほんと?」

「さあ、知らん」

「なんだかなぁ~」


 そんなことよりも重要な情報が一つ手に入った。

 鑑定と隠蔽のレベルが一緒ならばステータスで決まるが、どれだけステータスに差があろうとスキルレベルで1でも上ならば勝てるということが。


「あ、月様。言っておかなきゃいけないことがあるの」 

「ん? なんだ?」

「スキル欄のとこなんだけど、料理スキルLV4はそのまま隠蔽しないほうがいいよ。もう、レイナとかにステータス見られてお父様……国王に伝えられているから」

「お、いつの間に……いや、たぶんあれか」

「どうしたの?」

「いや、なんでもないよ。それよりも伝えてくれてありがとうな、メル」

「ふにゃっ! ……んふふ」


 頭を撫でると面白い奇声を上げたが、すぐに俺の手を取り、頬に当てて擦り付けてくる。

 手のひらに頬の柔らかい感触が伝わる。

 そして暫くそのまま好きにさせてみると。


「はむっ……んちゅ……んは……んちゅ」


 俺の指を口に咥えて舐め始めた。

 ただ口に咥えて舐めているだけなので特に止めさせる必要もないし、そのままにさせておく。

 そういえば風呂に入ってないけど、この世界に風呂はあるのかな?

 なければ最悪、水魔法でもとって体を綺麗にするしかないが。

 やっぱり日本人として風呂には入りたい。

 なければいつか作ればいいか。

 ……まあ、水魔法はすでに取っておいてもいいか。手を綺麗にする為に早速使わせてもらおう。


「メルにだけは言っておこうか」

「んちゅ……はぁはぁ。なんですか?」

「俺、この城出ていくから」

「……え?」


 城を出て周ると言った瞬間、俺の手を握っていたメルの手に力が入り、俺の手にヒビがはいる音が聞こえてくる。

 そのことに気づかないでさらに力を込めてくる。

 メルとはいままで面識などないはずなのに、なぜヤンデレになっているのか。

 俺的に得しかないから別にいいが。

 銀髪の子は目からハイライトが消え、頬を朱に染めながらが一番萌えると思う。

 今がそうだ。


「……どうしてですか?」

「やっぱり憧れてたからね。自分の目でしっかりと見ておきたいんだよ。……こんなこと言っても分からないか」

「私も一緒に行っていいですか?」


 ……デジャブ。

 ここで変に断っても延々と話が続きそうだし。

 話を合わせておいて夜に抜け出すか。


「ああ、いいぞ。明日の朝に出るつもりだからそれまでに国王に話しておいてくれ」

「はい!」


 嬉しさからか、さらに力をこめる。

 そして俺の手の骨は完全に折れる。

 苦痛耐性がなければ絶叫していただろうな。

 ……治るといいな。


「今から話して来ますね!」

「…………」


 俺から手を離し、言うだけ言って、行ってしまった。

 ……夜に出るか。




 国の街並みを覚え、抜け道をしっかりと立てて出て行こうと思っていた。

 深夜。誰もが寝静まった時間。

 城を無事に抜け出すことには成功した。

 誰にも見られていないはずだ。気配遮断のスキルもあるし。

 問題は国から出て、森に入ったときに起きた。

 国を囲む外壁の出入り口に見張り……衛兵がいるのは想定の範囲内だ。

 それの隙を突いて無事に出れたのもいい。

 そして国から出てすぐに見える森に入ったときだ。


「ふふっ、月様。私も連れて行ってよ」

 

 木の陰からメルが出てきた。

後2、3話書いたら閑話書いて

登場人物紹介でも書くか

なんか、キャラの容姿とか書いてない気がする…うん

ってことでまた次話〜

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