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プロローグ

初めましてだけど初めましてじゃない人もいるかな?

まあ、いいか

物語スタート!

「…………結局、こっちにきても暇なわけか」


 木や草が生い茂り、日の光が木の葉によって遮られて薄暗くなっている森の中。

 五Lぐらいの大きさをしたTシャツに、ズボン、運動靴を履いただけの軽装でその森を歩いている少年が誰に言うでもなく、一人ため息交じりに呟く。


「まあ、この暇は自分で作ったのだし。それにあのままあそこにいても、誰かに指示されて行動するってのは俺には無理だし、……結果的には暇な方がまだマシか」


 眠たいのか、目をこすりながらもその歩みは止めない。


「あいつらは自らあの場に残ると言ったのだし。魔王でもなんでも倒してくればいいさ」


 少年はどこからか棒付き飴を取り出し、口に含む。


「だけど、もしかしたらの話し。俺が敵になっているかもしれないけどね」


 足を止め、木の葉で覆われて日の光が入ってこない空を見上げる。


「暇なのは今だけだし。みらいにあると思われる楽しさに期待でもしているか」


 再び、森の中を進み始める。


「それにしても、どこに向かえば森から出られるかね。まだ半日なのか、もう半日なのか」


 また少年は立ち止まり、今度は両手を広げ、深呼吸を始める。


「初戦闘、か。死ななかったら万々歳ぐらいの気持ちで行かなきゃな。この世界は元いた世界の常識なんて通じないのだし」


 その少年の言葉に合わせて木の影から二つの関節をもつサルのような姿をした魔物が逃がさないように囲むようにして現れた。


「……ここの森に入るのを止められた理由が少し分かったような。でも、半日も遭遇しなかった俺はついているのか?」


 数は軽く五十は超えるというのに全くと言っていいほど物怖じしない少年。

 油断していると思ったのか、少年の二十メートルほど離れたところから様子を見ていた内の一匹が背後から少年に鋭い爪を振るう。


「思った以上に速かったな。やっぱり鑑定を敵に使わないで行こう、といった縛りは無い方がいいか?力を読み違えて死んだら即アウトだし……でも、そしたらイージーモードでつまらない。ううむ、悩むな」


 そう呟く少年。

 少年に向けて爪を振り下ろした……いや、振り下ろそうとした魔物は全身を凍らされて固まり、少年の近くに転がっている。


☆☆☆


「案外弱かったけど……まあ、スライムみたいな奴で、序盤に出てくる雑魚はこんなもんか」


 あれから逃げ出そうとした魔物たちを少年は一匹残らず凍らせ、粉砕した。


「レベルがだいぶ上がった気がするが……まあいいか。本当はもう少し色々と試したりしてからレベリングしたかったけど、しょうがない」


 しかし、少年は知らない。

 この森に住む魔物は森から出ることはない。そのためか魔物間での生存競争が激しく、戦闘に特化しているためハイランクの冒険者でも近づかないことを。

 少年が先ほど倒していた魔物の名前はノタッチモンキーと呼ばれている。単体だとAランクの魔物だが最低でも五体ほどでまとまって行動するため、その場合はSランク以上になる。

 ノタッチモンキーの毛は硬く、神経を麻痺させる毒がある。かすり傷でさえ動けなくなるため、少年が倒したように魔法で戦うのが普通である。

 だが、ノタッチモンキーは素早く動き魔法が当てにくく、隙があれば鋭い爪で切り裂きにかかってくる。

 少年のように一人で森に入り、囲まれたら普通は死を受け入れる。まあ、普通の人は入らないため、前提から違うが。

 そこは異世界に来たばかりで何も知らない少年。そんなこと分かるはずもなく、囲まれても動揺せず、勝利を収める。

 とうの本人である少年は粉々になった魔物を傍目に数日前に起こったことを思い返す。

不定期更新だけど、これからも気が向いたら読んでね!

ではまた次回!

もしくはもう一つの小説で!

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