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学校に近づくにつれ同じような制服姿が目立つ。
ブレザーからパーカーのフードを出す者や大きめなセーターを着る者。ニットに手袋。まあ冬だからしょうがないがこれだけは譲れないのだ。マフラーをグルグル巻きにする者。私の真似をするな。そうマフラーの中で小さな声で呟く。
キャッキャと楽しそうに会話し、おはよ~と挨拶し合う同年代。青春真っ只中だ。
私には誰も声はかけてこない。もうなれた。
そんなアウェイの状況の中、ひたすら前傾姿勢を保ったままげた箱に向かい、背伸びしながら上履きと外履きを履き替える。
毎朝このげた箱には苦戦するのだ。まったくもって不愉快極まり無い。
身長が低い私は困っていた。あいうえお順で並ぶげた箱。私は「い」なので上から二番目なのだ。
もう少し改善しなさいと心の奥の奥底で呟き教室に向かうのだ。