7月15日四葉学園文芸部
「部長、俺の新作小説『僕の子像を元気にする方法』です。読んでください。!!」
「却下です。」
四葉学園文芸部二年、冬野 吹雪の書いた小説は、同じく二年で部長の、夏野 花火に突き返された。
吹雪は、よほど新作に自信があるのか、花火に食い下がる。
「部長、この小説は俺の人生の中でも希に見る、最高傑作の一つなのですよ、見なければ損しますよ、てか、読んでください。」
その抗議に、花火は若干、呆れたように返す。
「希に見る最高傑作の割には、今月だけでもあなたが最高傑作と言った作品が、五つも提出されているのだけれどと言うより、その全てが、そ、その、ち、ちょっとアダルトな内容なのが問題なのよ。」
そうなのである、吹雪の書いてくる小説は皆ちょっと内容がエッチなのである。
エッチと言っても、18禁になるほどの過激な無いようではなく、小学生が読んでも問題の無いような非常にソフトな内容である。正直『か○こん』とかの方が遥かにエロい。
問題があると言えばむしろ花火の方であろう、そう彼女は下ネタが非常に苦手なのだ。
友人との会話でも、内容がそちらの方に向くと、顔を真っ赤にして逃げ出すのだ。
今も少しほほが赤く染まっている。
「失礼な、作るたび作るたび前作より良いものが出来上がっているだけだ、第一内容だって、少年の相棒である子像が元気を無くしているから、少年が元気付けようとアレコレ頑張る話だぞ。」
「そう言いながら、毎回内容がエッチじゃないですか、この『僕の子像』って部分は、そういったエッチな言葉の隠語じゃないんですか。?」
激しく言い合っている二人、それを少し離れた所から見ている、男女が居る。
男の方が、秋野 紅葉
「吹雪の奴、部長が赤くなる姿が可愛いからって理由で毎回エロめな小説を書いているんだぜ。」
女の方を、春野 桜花と言う。
「一年の時は、真面目に小説を書いていたのに、そんな理由で方針変えたんだ、まあ、今の方が面白いから良いけどね。」
そんな話をしながら、二人は、この部の名物になりつつある言い争いの方へと視線を向ける。
花火の言葉を聞いて、吹雪は顔をニヤリとさせる。気分は犯人を追い詰めた探偵気分である。
「先輩は、『僕の子像』って部分が隠語だって言いましたけれど、それじゃあ、本当は何を指す言葉なんですか?。」
吹雪の問に、花火の顔が先程よりもさらに赤く染まる。
「そ、そ、それは、その」
そこへ吹雪が追撃する。
「何なんですかぁ?早く教えて下さいよ。」
「そ、それは、お、お、お、おち・・・」
「おち、何ですか?それだけじゃわからないですよ。」
端から見ていると変態オヤジのように見えるが気づいていない吹雪は、調子に乗って、花火攻めまくる。
茹でタコのように湯気まで上がりだした花火は、ついに禁断の言葉を・・・
「言えるか、ボケぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
花火が放った右ストレートが吹雪の顎へと炸裂する。
吹き飛ばされる吹雪をみながら。傍観者の紅葉は桜花に話しかける。
「あんまり、セクハラが過ぎると吹雪の奴、花火部長に嫌われちまうだろうな」
「小学生の男子が好きな女子をいじめるって行動に似てるわね、まあ、吹雪君は、花火に恋愛感情を持ってないみたいなのよね、残念だけど、」
四葉学園文芸部の面々は、今日もまた若干の脱落者を出しながら部活動に勤しむのであった。




