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7月05日 妖刀02

7月5日

23:00〜00:00


刀鍛冶が見るも無残な、赤い塊に変わり、周囲の忍び装束達にその始末を指示しようとした時、声が辺りにこだました。


(クックック、良いねぇ、鋼でなく人ででき、人でなく国に使われる、そのような刃の形もまた一興)


突然、刀鍛冶の近くにいた忍び装束の一人が崩れ落ちる、ただ倒れた訳ではない、肩から腰にかけて袈裟斬りに裂かれ、離された首が長老の足元に転がり来る。何者かに斬り殺されたのだ。


「何者だ姿を現せ!!」


長老がそう叫ぶ間にも1人、また一人と、姿の見えぬ強靭に倒れる、忍び装束、その光景はまさに、刀鍛冶が語った『夜刀』の噂に酷似していた。


(だがなぁ、それだけじゃいけねぇ、妖刀には届かねぇ。)


再び声、長老が必死に姿を探し、ついに見つけた。


刀だ、鮮血をたらし、どす黒い瘴気のようなものを纏わせた刀が、空中に浮いているのだ。その姿まさに妖刀


(妖刀っていうのはなぁ、人でも国でもただそれに使われているだけじゃぁ、いけねぇ、真の妖刀ってのはな、呪うのさ、使い手を、そう、こんな風にな。)


赤い腕が妖刀の柄を握った。いや、正確には先程までは、赤い塊だった腕と言ったほうが正しいだろう。


その腕は、見るも無残、もはや人の形すらしていない刀鍛冶だった赤い塊から伸びてきたのだった。


長老が驚き見入っていると、妖刀にはいつの間にはもう一本の腕が添えられていた、そしてなんと、もはや肉塊でしかなかったものが、元の刀鍛冶に戻ろうと蠢いているではなか。


長老は、我に返ると、刀鍛冶の復活を防ごうと指示を飛ばす。


だが、時すでに遅し、忍び装束達は、動き出した妖刀によって次々と打ち取られていった。


一人残った長老が最後に見たのは、たった今、復元された顔で悲しそうに自分を見つめる刀鍛冶の姿だった。


一面赤く染まり上がった森の中で、刀鍛冶は呟く。


「この人達でも、『狂斎』を倒せなかったか。」


(ケッケッケッケッ、『夜刀』とか言われてるのに歯応えの無い連中だったぜ、次はもっと強い奴を頼むぜ。)


刀鍛冶は追い求める、憎き妖刀『狂斎』を倒し、永劫の呪いより解き放ってくれる相手を。


妖刀は求める、自らの渇望を満たす強き相手を。


そして、刀鍛冶は森の中、何処とも知れぬ場所へと消えていった。

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