8月02日 スロットマスター02
ガクン、ビクッ。
はっ
また意識を失ったらしい。
いい加減寝ないとヤバイかな。
どこかの国ではMMORPGを徹夜でやり過ぎて心臓麻痺で死んだ奴が居るらしい
ゲームのし過ぎで死ぬとかゲーマーとしては本望だろうが、さすがに今死ぬ気は無いしな。
「残念ながら、手遅れです。」
突然聞こえた第三の声に驚く。
俺はアパートに一人暮しだ、加えてゲームに夢中の引きこもり。
そんな状態なので、俺に声を掛けてくる存在なんて居るはずがないのだ。
居るとすれば、泥棒か幽霊くらいだろうか。
どちらにしろ、絶賛トイレタイムの俺に声を掛けるとは良い度胸だ。
俺のエクスカリバーで貴様を切り刻んでやるぜ。
などと徹夜の妙に高いテンションで声の主を探すために周囲を見渡す。
「?!」
目の前が真っ白だった。四方が白い霧に包まれた狭い部屋にいた。
あまりの事に訳が分からなかった。さっきまで自分の部屋のトイレの中に居たはずだ、だというのに今は白い霧に包まれた広大な大地にいた。
地面も同じ様に白い霧に包まれていて足元は見えない。
振り替えるとトイレも無く、いつの間にか立ち上がっていた。
「淡路 蓮よ、私が解りますか?」
それは目の前に立っていた。
それがなんなのか俺には解らなかった、辛うじて人間の形をしているらしいという事がなんとなく予想できた。だがそれ以外それが男なのか女なのか、はたまた、老人なのか赤子なのかさっぱり分からなかった。
「あぁ、君の認識能力では、私のような次元にいる存在は正確には認識できないだろうな、私を見ながら適当な人物を思い浮かべると良い。」
言われるまま、それを見ながら適当な人物を思い浮かべる、思い浮かべたのは、朝から晩まで常にテレビ番組に出ていると言われる名司会、のみ もんだ の姿だった。
するとどうだろう、どこの誰とも性別不明で年齢不詳だった、それの姿がみるみる内にのみ もんだ の姿に変わった。
「あと、今居る空間も君には、小さな部屋にも際限のない広い場所にも思えているだろうから適当にさっきまで居た自分の部屋でも思い出すといいよ。」
慣れ親しんだ我が家の一室を思い出す。すると辺りに漂っていた霧が一瞬にして四散し、自らの住んでいた部屋が現れる。
これは妙な夢を見ているなぁと考えながら、考えた通りに現れた洋式トイレに座りなおす。
「いやいや、夢じゃないから。」
もんだ のみ がそんな事を言ってくる。
と言われてもだ、想像した事がすぐに現実になるなんて夢以外にありえないしな、などと考えながら今、想像から作り出した、某100%オレンジジュースを飲む。
「この空間の法則を早くも学習したようで結構。それが夢の世界以外にもあるのだよ、例えば死後の世界とか。」
・・・・・
トイレで寝落ちするとかカッコ悪いな。
「いや、夢じゃなくて、本当に死後の世界だから、君は二日以上徹夜した影響で突然死、トイレで死んだまま1ヶ月以上放置され、異臭がすると言われた大家が確認しに来て発見される。ちなみにこれがその発見時の写真だ。」
「げっ!!」
のみ もんだ にグロテスクな画像を見せられた。
「ちなみに私は、のみ もんだ ではなく神様だ。」
俺の夢の中では神様は、のみ もんだ の姿をしているらしい。
「君がこの姿を想像したのだろう、まあいい、本題に入ろう。君には今から異世界に行ってもらう。」
テンプレですね。あざーす。
「はっはっは、君は異世界転生とか転移とか憧れてただろう、もちろんチートも付けよう。」
やったぜ、夢とは言え破格の待遇だな。
「当然だ、私の暇つぶしに付き合って貰う為に、タイミングよく死んだ君に付き合ってもらうんだからね。さあ、さあ、このダーツを持ってあの的に投げるんだ。」
自称神様にダーツを渡され、前を見るといつの間にか大小様々な球体が沢山空中に浮かんでいた。
「あの球体の一つ一つが異世界だよ、ダーツを投げて当たった異世界のその場所に転移してもらう。」
ダ○ツの旅ですねわかります。
「その通り、ちなみにダーツが海に当たったらその一番近くの陸地に転移してもらうから。」
へいへい、神様の言葉を聞き流しながら適当にダーツを投げる。ダーツはどれかの球体に無事に突き刺さった様だ。
「はい、スキーニリアの死塩の泡海域ですね、行ってらっしゃい。」
神様が楽しげにそう言った瞬間、俺の体は光に包まれた。
思わず目を閉じる。
ザーザー
波の音が聞こえる、磯の香りがする。
恐る恐る目を開けると一面に海が広がっていた。
足元を見る、むき出しの岩場の上に立っている、そのまま辺りをぐるっと見渡す。
一瞥するだけすべてが見渡せる、直径100Mほどの海に囲まれた孤島、それが俺が今いる場所だった。
えっとこれって夢ですよね?




