Ⅰ【破滅への序章】
俺――月影冷治は、私立青嵐高校の2年生だ。しかしだ、俺はあまり学校には行っていない。面倒という事もあるが、軽いいじめにあっているからだ。理由はだな――学校を仕切っていた番長を倒してしまったからだ。時はあの2年の1学期に遡る………。
■□■□
俺は急いでいた。時は昼休み、俺はこの日運悪く弁当を忘れてしまい、購買部に走っていた。
「おい、レイ!!」
突然後ろから、声をかけられ、俺は足を止めた。
「んだよ、雫!」
俺を呼び止めたのは、焔雫と言い、短髪でちょっと暑苦しそうな奴だ。ちなみに俺の幼なじみだ。
「なんだ?」
「いや、どこ行くんだ?」
「今日は、弁当忘れたんで、購買部へな」
「そうか、なら俺のも一緒に買っといてくれ」
……こいつ、絶対そのために呼び止めたな…
「いいけど、何がいい?」
「焼きそばパン!」
なん………だと!?
「お前なぁ!あれは超がつくほどの人気メニューじゃねぇか!」
「だから幼なじみのレイに言ってるんじゃないか」
「男と幼なじみなんてなぁ……」
なんで俺には黒髪美少女な幼なじみがいないをだ!
「頼むよ…、お前がやりたいって言ってたギャルゲー貸してやるからさ!」
そのとき、俺の心の中に核ミサイルが落ちた。
「任せとけ、雫!」
そのときの俺ものすごくいい笑顔をしていたにちがいない。ちなみにここまでの流れでわかる人もいるかもしれないが一応言っておくと、俺と雫はオタクだ。
「じゃ、行ってくる!」
「おう、頑張ってくれ」
そして俺は再び走り始めた。
―――そして購買部に着くと……それはまさに地獄絵図だった。軽く50~100人はいるだろうか。しかし、俺はギャルゲーのために歩を進めた。
――2分後……
俺はやっと、レジの目の前に来た。
「よしゃ、後もうちょい…」
不意に、誰かとぶつかった。
「あ、すいません」
「痛ぇな、」
「げぇ…!?」
思わず声に出してしまった。それは、典型的な、ザ・不良だったからだ。
「おい、お前!パン落としちまったじゃねぇか!!弁償しろよ、弁償!!」
そして、言ってることが典型的…狙っているとしか思えない。
「おい、聞いてんのか!?」
……うるせえなぁ…ここは一つ俺のギャルゲーのために犠牲になって貰うとしよう。
「おい!!」
不良が胸元を掴んできた。その瞬間……
「おばぶぅ!!!」
腕を掴んでひねって地面へ叩きつけた。
「これで正当防衛だよな……?」
今、騒ぎを聞きつけて人が集まってきたので、俺は焼きそばパンとメロンパンなどを買い込んで迅速に撤退した……。
■□■□
―――屋上―――
俺は、購買部での事を、雫に話していた
「……という事があったんだよ」
「いや、お前何も喋ってないからな?俺は何一つ説明されてないからな?」
「えぇぇぇ、こんな事もわからないのぉぉ」
まったく、説明するのが面倒なのに…
「よし、顔出せ、1発殴る」
「はぁ、これだから野蛮人は……」
「ギャルゲーの事はやっぱりなしな」
「申し訳ありませんでした!!」
俺は、瞬時に土下座をした。
「で、何があったんだよ?」
今度こそ、事情を説明した―――
「お前、それヤバくねぇか?」
「なんで?」
俺は聞き返した。
なんであんな奴に遠慮する必要が…?
「それ、多分番長の舎弟だろ」
「番長ぉ!?」
なんだぁ、その時代遅れの単語は…!?
「お前、知らねえのかよ!?この学校を仕切ってる番長の話!舎弟は100以上だとか、筋肉〇ンなみの体だとか」
ちょっと引いた。
「どこの世紀末覇者だよ!?」
「まあ、そういう事らしいからな、気を付けろよ…」
と、言って雫は立ち上がって屋上を出て行った。
「……なんか嫌な予感するなぁ」
と、言いつつ雫を追いかける……
■□■□
―――放課後―――
「あぁ、終わった~!」
雫がそう叫ぶ。
「雫、お前寝てばっかりじゃねぇかよ」
「うるせえ、授業わかんねえんだらいいじゃねぇか」
「ただでさえ、成績悪いくせに…」
俺はそう呟く。
「俺はお前見たいに成績良くねぇからよ、それよりゲーセン行こうぜ」
雫はそういいながら帰る準備をする。
「そうだな…たまにはいいかもな」
「よし、それじゃあ行こう…」
「おい、2―Bの月影冷治はいるかぁ!!」
雫がそう言いかけた瞬間、クラス中に怒号が響いた。
「おい、あれ番長の舎弟じゃねぇか?」
ざわざわと、クラスメートが騒ぎ出す。
「おい、レイ……」
雫が心配そうに呼びかけてくる。
俺は
1,逃げる
2,戦う
3,泣く
ごめん、ギャルゲーのやり過ぎでこんなんばっか。
「大丈夫だ、そんな心配すんなよ雫」俺は雫にそう言い、ドアの方に向かった。
ざっと10人ぐらいだろうか?その中1人が進み出て、
「お前が、月影冷治か?」
と、聞いてくる。細身の体格に金髪のチャラチャラした奴だった。
「あぁ、そうだよ」
「お前を番長が呼んでいる、ちょっと体育館裏まできてもらおいか?」
俺は悩んだ。ここで逃げてもいいが、番長という奴も見てみたい。
「いいけど?」
そして、何人かの不良に囲まれながら体育館裏に連れて行かれた。
―――数分後―――
体育館裏に俺は来ていた。目の前には番長らしい筋骨隆々な男がいる。
「お前、俺の舎弟を随分可愛がってくれたじゃねえか」
「そりゃあ、どうもついでにお前も可愛がってやろうか?」
俺は口元に笑みを浮かべてそう言った。
「てめぇ、いい度胸じゃねぇか!!」
そう言って、番長はいきなり殴りかかってきた。しかし、俺はその拳を受け流し、力のベクトルを変え相手の足へ叩きつけ、カウンターとして腹に一発いれたら番長は容易く膝をついた。
「もう終わりかよ?番長さん?」
「ありえねぇ……」
はくセリフもテンプレだなぁ……
「おめぇら!構わねえからコイツをボコボコにしちまえ!!」
と、番長が言った瞬間、待ってましたとばかりに、釘バットに改造エアガン、スタンガンという武器を持った不良が20人ほど出てきた。
……君達?一体どこにそんな物騒な物、隠してたの?
『死ねやー!!』
不良達が一斉に俺に向かって突っ込んできた。かくして、俺VS不良達の闘いが始まった。
――数分後……
番長+不良達は全員仲良く体育館裏に気絶していた。まあ、俺が全員気絶させた訳だが……
「う~ん、帰るかぁ」
いつの間にか日も陰っていたので、今夜のディナーを楽しみにしながら家に帰っていった。