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水着の王国  作者: 鈴神楽
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水着のプリンセスゼロ(結婚編)

水着プリンセスゼロですが、国王は相変わらず悪です

 むかしむかしある所に、母親を洪水で無くした王女が居ました。

 王女は、そんな母親の死を悼み、二度と同じ悲しみを繰り返さない為に、水着で暮す事を国民の前で誓いました。

 そして国王は、ある日王女に婚約者を決めました。

「父上、何故です。二十も年が離れた人間と婚約しないといけないのですか?」

 国王は無言で王女に背中を向け続けました。

「国王の気持ちも察してください殿下。彼の国には災害復旧の為の資金を貸し出して下さっているのです。国王とて、それを無下に断ることは出来ないのです」

 脇に居た側近がそうとりなすと、王女は、部屋を出て行きました

「王女様何処へ」

 そして王女は、一人誰も来ないはずの森に入っていきました。

「わらわは、国民の為に自分を犠牲にしなければならないのか?」

 王女もこの国の苦しい経済状況は知っていました。

 王妃を失った大洪水は、国の基盤を失わせ、再建の為に多大な出費が続くそんな自分の国の為、自分が無力だった事を痛感し、そして自分は、自分を犠牲にしてでも、この国の国民を救わなければいけないと考えに行き着きました。

 そして、顔を上げた時、その王子が居ました。

「貴女は、この国の王女殿下ですね?」

「そうですが、貴公は?」

 王女が聞くと、王子は隣国の第三王子と名乗りました。

 二人は短い間に惹かれあいました。

「でも良いのか、何時も水着等着てるわらわで?」

 王女の言葉に王子ははっきり言いました。

「水着を着た貴女がいいのです」

 二人は深く結びつき、王女は王子との関係を国王に告げると、国王は難しい顔をしながら二人の仲を認めました。

 元婚約者の国からは借財の返済を求められましたが、事情は大半の者が知り、王子は婿として入り、その持参金としてその借財を肩代わりしました。

 そして王子と王女は多くの子を儲け、幸せな一生をおくりました。



「しかし、よくお許しになりましたね?」

「許すも何も最初からあの王子に王女とくっ付けるつもりだった」

「ですが、彼の国の王子との婚約は?」

「お前がもし女だったら、水着フェッチの男と結婚するか?」

「それは、……」

「あの王子は性格も容姿も優れ、国民からも人気も高かったが、無類の水着好きで、問題を起こして居た。わが国で預かる事を私が彼の国の国王に提案したのだ」

「それでは、あの森に居たのは?」

「当然私の裏工作だ。そして王女にはより悪い婚約相手を見せて、少しでもよりよい印象を持つようにさせた」

「彼の国の怒りを買ってまでなぜ?」

「彼の国が借財を口実に、わが国に乗っ取ろうとしていたのだ」

「そんな事を考えていたのですか?」

「婚約もその一環でしか無い。だから受けると見せかけて、王女を自ら別の王子と結びつける様にした。そうする事で全ては王女と王子のラブロマンスの結果と彼の国にも我が国民にも、そして王子の国にも思わせた。案の定王子の国が、持参金をつけて来てくれたわ」

「そして残った持参金を使い新たな復興事業が行えると言う事ですね?」

「甘いわ、あの王子との血縁関係になれば、彼の国の商人も私が自分の商売に関係してくると思う。無論実際交易等に口を挟むつもりだ。そうなれば王子の国の大商人も私の存在を重く見るだろう」

「そして、国王に付け届けを。流石は国王深遠なる謀略です」

「まー王女も幸せなのだから問題ないだろう」

「本当に国王には誰も敵いません」



教訓



「結果よければ全て良し」



影のテーマ



「人に物を勧める時は先により悪いものを見せておくに限る」

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