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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

私は石橋を叩いて渡ります~ヒロインが攻略対象にちょっかいを出さずとも排除しますわ~ なお叩きすぎて壊す模様

作者: 善玉令嬢


公爵令嬢カトリーヌには前世の記憶がある。

この世界が乙女ゲームの世界と言う記憶だ。

ただカトリーヌはヒロインしか知らない、CMで人気俳優がキャストとして出ると宣伝したのを見たくらいだ。

だが彼女は悪役令嬢ものが好きだった、人の男を奪う泥棒猫と馬鹿王子達を断罪しスパダリに愛される展開は何度読んでも飽きない。

恐らく攻略対象であろう王太子である第一王子や側近達と仲良くなり令嬢として努力を重ねて第一王子の婚約者の座を勝ち取る。


順調かに思えたが不穏な要素はヒロインのアリシアの事だ。公爵家の力を使い平民の村娘ごとき排除にかかったが結局見つかる事はなかった。


そして魔法学園の入学式でついにヒロインのアリシアが登場する。

しかしアリシアは王子や側近達どころか高位令息達には目もくれない。

それもそのはず彼女には婚約者がいたのだ、辺境伯令息のノアだ。学園に講師として赴任した少年はアリシアと深い絆で結ばれていた。


「くだらない」


カトリーヌは鼻で笑った、貴族の義務を放棄し平民の小娘にうつつを抜かすなど。


非攻略対象とくっついた、だから何?と言わんばかりにカトリーヌは刺客をアリシアの元に送り込む。しかし刺客達は死体も残らず消える毎日、ノアにも送り込むが結果は同じだった。

辺境伯が治める辺境は凶悪な魔物や蛮族が徘徊する危険地帯だ。ここに送り込んだアリシア暗殺の刺客は誰一人帰って来なかった。


カトリーヌは次の一手を考える。配下の子爵令嬢と辺境伯令息との結婚を国王に進言し受理され王命として発表された。辺境と中央の結び付きを強化するためだ。


「何で乙女ゲームって貴族社会ばかりなのかしら?お花畑の恋愛なら庶民同士でやれば良いのに」


シナリオを外れようがカトリーヌは逃がすつもりは無い。王命を拒否すれば二人とも社交界にはいられなくなり政治的に消せるしノアが受ければアリシアは後ろ楯を失い合法的に消せる。



そして学園の年末パーティーで事件は起こる。


「すまないが君との婚約は破棄させてもらう」


やはりノアは婚約を拒否した。隣にはニヤニヤしたヒロインのアリシアが勝ち誇った顔で笑っている。


「下品な女····」


配下の令嬢が婚約破棄されたとあっては黙ってられないためカトリーヌと第一王子はノア達の元へ詰め寄る。


「貴様らの意思は関係ない、これは王命だ」

「平民なんかとの結婚など認められませんわ」


第一王子とカトリーヌは毅然と言い放つもアリシアは反論する。


「今は子爵令嬢様とお話ししておりますの、口を挟まないでくださる?」


アリシアの一言にカトリーヌは激怒した。平民が許可無く発言する事は許されないのだ。


「黙りなさい平民、発言を許可しておりません」

「私もあなた方の発言を許可しておりません、もう一度言います口を挟まないでください」


カトリーヌの怒りはMAXに到達する。それはそうだ人間ですらない平民が人語を許可無く話し貴族を侮辱したからだ。


「平民風情が!衛兵!この無礼者を殺しなさい!」


衛兵にアリシアを殺すように指示するカトリーヌ。しかし衛兵は動かない。


「その方々は王家直属の近衛兵の皆さんですよ?王家の命でしか動きません、もしかしてもう王太子妃になったおつもりですの?」


アリシアの一言に会場からは笑いがまき起こる。侮蔑の笑いだ。

カトリーヌはこの世界には無い前世である現代日本のスラングを言い放つ。会場の者達は何を言っているか分からないが恐らく聞くに耐えない言葉だろうと察した。


「あーあ、壊れちゃった」


アリシアはクスっと笑う。第一王子はたまらずに会場から連れ出す。


「殺してやんよぉ!クソ女ぁ!そのヘラヘラした顔を苦痛で歪ましてやるよ!」


カトリーヌの暴言に会場の貴族達はあれが次期王妃で大丈夫かと不安になるがアリシアが中央に立ちグラスを持つ。


「皆様、お見苦しい所をお見せいたしました。今年一年を水に流して新しい年を迎えましょう」


アリシアの一言に会場からは拍手がまき起こりパーティーは再開され極東の名物の年越し蕎麦が振る舞われた。



ーーーー


「殺す殺すコロスコロスブッコロス!」

「カトリーヌ!落ち着いてくれ!」


別室ではまだ怒りが治まらないカトリーヌを第一王子が落ち着かせていた。王子の側近の令息達も一緒だ。


「失礼します」


扉がノックされ入ってきたのはアリシアとノアであった。


「先程は失礼いたしました。これはお詫びの印です、辺境伯領で取れた茶葉ですの」

「紅茶····飲む、仲直りの印」


アリシアとノアが紅茶を入れ始めるが勿論そんなものを飲むはずがない、自殺しようとするような物だ。


「お前らの紅茶など飲めるか!」

「テメーらがまず飲んでみろよ!毒入ってんだろ!?」


アリシアとノアは紅茶を飲み干す。


「アリシアのお茶美味い····」

「ありがとうございますノア様····」

「キッショ!どっちにしろ平民が入れたドブ汁なんか飲むかよ!バーカ!」


カトリーヌは自分の紅茶を床に捨てて王子や側近達も同様に捨てる。

しかしアリシアはニタリと笑う。


「バイバイ」


直後にカトリーヌは泡を吹いて倒れる、虚ろな目をした彼女の呼吸は止まっていた。


「カトリーヌ!お前ら何を····ぐっ!」


側近達も全員倒れて第一王子も苦しみ出す。


「あの世でカトリーヌ様とお幸せに~」


アリシアは第一王子にそう言って王子が事切れるのを確認すると詠唱した魔法を空間に向かって放つ。


「これでダイン様が王になれる····」

「呆気なかったですね~」


そう言い残し外に控えていた第二王子のダイン派の侍女で辺境伯家の密偵である女に偽装工作を頼み二人は部屋を後にした。


第二王子のダインは辺境伯家から嫁いだ正妃でノアの叔母にあたる人物の子供だが王が寵愛していた中央貴族の出身である側妃の子の第一王子を王太子にしてしまったのだ。

正妃とダインは側妃によって離宮に幽閉に近い形で押し込められていた。


結局王は辺境伯家の怒りを買い溺愛していた息子を殺され無理矢理結ばれた大嫌いな正妃のガキを次の王に据える事となってしまった。


王はその後、急速に老け込みあっという間に王位を退いた。

ダインが王位に即位した事により実権は辺境伯家が握る事となり(まつりごと)が苦手なノアに代わりアリシアが国を支配する事となる。側妃や公爵家等の第一王子派貴族達は離宮時代の仕打ちを忘れてない侍女達が徹底的に排除し中央の大掃除は終わった。


ーーーー


時は流れ、子爵令嬢と幼なじみの騎士の青年との結婚式。

実はアリシアは子爵令嬢から無理矢理婚約を結ばれた事の相談を受けていたが『大丈夫、安心して』とだけ伝えていた。公爵家からの奴隷に近い扱いを受けていた子爵は辺境伯家に寝返った。


式場の端でキューピットの二人は飾らずにお酒を飲んでいた。


「アリシアとの式はもっと大きくする····」

「楽しみにしてますね」

「私も混ぜてはくれないか?」


そこに次の国王であるダインがグラスを持ち席に座る。


「ゴミ共の暗殺····あれはどういうカラクリだ?」

「簡単ですよ。空気中に毒魔法を散布し抗体の紅茶を私達は飲んでカトリーヌ様達は捨てたから死んだ····それだけです」

「仮に紅茶を飲んでもアリシアの術式が刻んである紅茶は奴等の腹の中を切り刻む····」

「奴等が死ぬ事は決まっていたワケか····」


絶対に敵に回しては行けない二人だとダインは心に誓った。


後にこの三人は平和な世を築いて行った。


fin




■■■■


····東京某所


「ノア様尊いんだが!?可愛いしマジ神!」

「つーか他の攻略対象ってネタキャラばっかだし····偏屈なドワーフとかオーガのオデ系キャラとか」

「お笑い事務所とのタイアップだし仕方ないよ····でもヒロインのアリシアちゃんも可愛いし最高!中央の馬鹿王子ムカついたけど最後は因果応報って感じで良かったよね」

「つーかアリシアは結構腹黒そーだぞ?最後の馬鹿王子達のアレ····」

「陰謀論信じそーだなお前!変な考察動画を真に受けんな!とりまナック行くベ!ノア様を語り尽くす!」













乙女ゲームに悪役令嬢はいないです、カトリーヌは馬鹿王子に巻き込まれたモブでした。


ノア役····人気イケメンアイドルグループのセンター

偏屈なドワーフ役····大御所芸人

オデ系オーガ役····マッチョ芸人

スライム(人間体はイケメン)役····物申す系芸人

子供部屋賢者役····イケメン芸人

アリシア役は本職の声優さん






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