第1話 ふひゃあぁ…ぴよぴよ
このシリーズは短めです。
ご了承くださいm(_ _)m
「うわぁあ……」
自分に与えられた領地を見て、リジュは呻いた。
霊峰だってとこは、別にいい。
問題は――その頂上に、ぽっかりと穴が空いていたことだ。
近づいて中を覗くと、霧の向こうに広がる草原と湖、いくつかの建物の影。
深い霧が渦巻き、底は見えにくい。
「……お父様、これ絶対知ってて渡したよね?」
「ええ、間違いないでしょう」
スーが無表情のまま頷いた。まるで人形みたいな顔で。
「主、何だここ?」
「主様、敵いたらブッ倒して良いですか?」
護衛の騎士ヨツキと、魔法使いルゥカが横から口を挟む。
ヨツキは黒髪に鋭い目の少年で口がまぁまぁ悪い。ルゥカは淡い紺色の髪を三つ編みにした戦闘狂厨二病魔法娘だ。
「ここが、私の管理地……らしい」
リジュは改めて霧の穴を見下ろした。
底の方から、風が吹き上げてくる。
《霧の深穴》
それが、リジュに与えられた領地の名前だった。
「リジュ様、こちらにパラシュートが」
いつの間にかスーが両手にパラシュートを持っていた。
「え、用意早くない!? ていうか飛び降り前提なの!?」
「ええ。何よりも早く降りられます」
「やだよ、梯子は梯子っ!?」
リジュがそういうと、ヨツキそのクールな顔ににやりと笑みを浮かべた。
「じゃ一番最初に主、行ってこい、ほれっ」
ヨツキは素早くリジュにパラシュートを付けると、背中を軽く押した。
こんなこと護衛のすることでは無い。
最初に行くのは大体護衛である。
飛び降り1番を何主に任せているんだ、という話だ。
「ふえっ、いやぁあっっ!!!」
…どすんっ
しばしの落下の後、リジュは尻もちをついた。
「ふひゃあぁ…」
ひよこを頭の周りで回らせながら、リジュは立ち上がった。
その足は、ふらついている。
どすっ、どすどすんっ
続けてスー、ヨツキ、ルゥカが落ちてきた。
「まぁ、凄いところで」
そう言って、ルゥカがパッと立ち上がりスカートの埃を払って、敵はいないかと周りを見渡した。
「退いてくれ」
スーに押しつぶされたヨツキが、そう小さく呻いた。
リジュは、私を落とした罰だ、と思った。
「では、住民を探して聞いてみようか」
リジュは気を取り直して、そう言った。
そして、拳を握りしめ、空に向かって突き上げた。
「行こう!」
この領地が旅の都と呼ばれる旅館街になることを今は、まだ誰も知らない。
そして、大きな戦争に巻き込まれ、5人の守護者が守り抜くことも。
まだ、少し先の話なのだから。
闇鍋と深穴。
物語はどう動くので?
著者にも、書く時まで分かりませんꉂꉂ(ˊᗜˋ*)




