故郷の空は雨の代わりに鰐が降る
2024年の正月に作者が見た夢の内容です(初夢ではない)
なんとなく印象に残ったので記録しました。
空気が冷え、曇天が更に暗くなる
こりゃあひと鰐来るなと覚悟して
来たる衝撃に身構える
ボタボタ
ボタボタ
握りこぶし大から中型犬の大きさまで
様々な大きさの鰐が降ってくる
ボタボタ
ボタボタ
おぉ痛ぇ
道行く人に倣い頭を庇う
生きてるものはいない
どれも死んだ珊瑚と同じ色のくすんだ鰐だ
ボタボタ
ボタボタ
「母ちゃんただいま、大丈夫?」
「おやおかえり。丁度良かった、天井が漏ってるの。手伝って」
母と共に女中たちが慌ただしく天井の隙間に棒で布を押し詰めている
よいせのこらせ
あァどっこいせ
えいえいおう
それでも隙間から漏れ落ちてくる小さな鰐に、女たちから悲鳴が上がる
よいせのこらせ
あァどっこいせ
えいえいおう
突き上げたままの棒を受け取り持ち上げれば
天井はメキリと音を立てて、布と鰐を挟んで止まる
「さすがは男手」
「ようやった」
どうにもこうにも気恥ずかしい
何でもないさと鰐の尾を持ち背を向ける
「別に、こんくらい」
縁側から鰐を投げれば、外塀に高く積み上げられた鰐山に乗っかった
ボタボタ
ボタボタ
小ぶりの鰐がまだ降っている
一晩続くなら明日は鰐掻きで半日が終わるだろう
ボタボタ
ボタボタ
鰐の目は何も映さない
ちなみに初夢は「某鼠王国のアヒルのガールフレンドにしこたま叱られる夢」でした。
隣には某ゲームの鍵の剣を持った少年もいたような……?(あやふや)
私が何をしたっていうんだ……