道
「なに!?それは本当か!」
ギルドについた俺たちは見てきたことを受付嬢に伝えると、ギルド長の部屋へと案内され改めて見てきたことについて質問を受けていた
まぁ、話せるようなことはあまりないわけだが
「イビルスピリットの異常発生にくわえて、その付近に魔物が作った謎の穴か…ただの偶然か、それとも」
「これも運命の導きか」
「なに、何か知ってるのか?」
「いや、知らないが」
「知らないなら言うなよ ややこしくなるだろ」
…確かに、よく考えてみると異常なことが同じ場所で連続して起こってるのか。
なにか良くないことがこの街で起ころうとしてるのか?
…ま、なんでもいっか もしなんか起こってるなら高ランクの冒険者がなんとかするだろ
「しかし、昨日に続いて今日もお前たちは異変を見つけたのか。それも、スキャナーの冒険者たちですら見つけていないものを」
「ん?まぁ、ほとんどラックのスキルのおかげだけどな」
「そうか…ふむ、ただのビギナーズラックというわけではなさそうだな」
「初心者のラックって意味なら間違ってはないけどな」
「「…」」
「それで、俺たちに何を頼みたいんだ?何か依頼したいことがあるんだろ?」
この空気をものともしないだと?!
「あ、あぁ。ゴホン。ラック、カオス、お前たち2人にこの街での異変調査を依頼したい」
「だってさ、どうするカオス」
「俺に投げんのかよ」
「俺はどっちでもいいしな」
「…それこそ、コイントスで決めればいいんじゃないか?」
「あぁー、たしかに」
「なに、コイントスだと?言っておくがコレはお前たちが思っている以上に」
「いくぜ!」
ギルド長が話し切るよりはやくラックは空中へとコインを投げていた
「表か」
ラックが投げたコインは表を示した。だが、
「…これって、受けた方がいいって意味なのか?」
今回のコイントス、ラックのスキルは発動しなかった。少なくとも俺にはそう見えた
「分からん。表裏決めずになげたからな。」
「なんでだよ!それじゃあ意味ねぇじゃん」
「でもまぁ、表だしたぶん受けた方がいいんじゃないか?俺のスキルは基本的にはパッシブスキルだから何か意味を持ってるはずだぜ?」
「んー、なら受けるかー」
こうして、俺たちの次の依頼が決まった
「おい、なんでこんなとこに来てんだ?」
「さぁな、文句なら俺のスキルに言ってくれ」
猫の捜索依頼を達成した翌日、俺たちはギルド長から受けた依頼をこなすために朝から街を歩いていた
そのはずなのだが
「なんで地下下水路?」
俺たちはこの街の地下にある下水路へと来ていた
「うっ、くっさ」
「布かなにかでマスクした方がいいな。ほら、ちょうどここに、ハンカチがある」
「ありがと…お前、花柄の刺繍が入ったハンカチ使ってんの?かわいい趣味してんじゃん」
「勘違いすんなよ。それは朝人助けした時にもらったんだよ。」
「朝?いつの間に」
「道に迷ってる女の人がいたんでな。方角を教えたらくれたぜ」
「へー、いいとこあんじゃん」
「まぁな。しかし驚いたぞ。高貴な人間の場所が分かるか聞かれたのなんて初めてだ」
「…そうか。やっぱこのハンカチいらない」
「ん?なら俺が使うか」
「あぁ…」
「よし!それじゃあ気を取り直して、行くぞ!」
なんとなく厄介ごとの匂いがしたカオスだったが、特に口に出して言うことはなかった