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依頼達成

 ギルドについてすぐ、幸運なことに受付の前がガラ空きだったので手続きをしてもらった俺たちは


「ふむ、では話を聞かせてもらおうか」

「ほぇ?」


 どう言うわけか、ギルドの奥にある部屋、ギルド長室へと案内されていた


 なにがどうしてこうなったぁー!


 受付でのことを思い返してみるが



「イビルスピリットの討伐お疲れ様です!証拠品となる魔石の提示をお願いします!」


 満面の笑みで俺たちを迎えてくれる受付嬢


「はい」


 それに対して俺たちは確かな満足感と共に袋の中に詰め込んでいた魔石を、袋をひっくり返すことで全てカウンターの上にぶちまける


「!」


 その魔石の量に驚いたのか、受付嬢は一瞬固まるが、すぐにいつも通りの状態に戻ると


「…こちらへお願いいたします」

「はい」


 俺たちをギルドの奥へと案内した。それに、俺たちはなんの疑問も抱くことなく、依頼の報酬はこっちで受け取るのか〜、と考えながらついていった


 そして今に至る…おかしなポイントがどこにもねぇ!なんで俺たちはここに案内されたんだ?…ハッ!まさか!


「おい、カオス。これって」


 ラックがニヤけながら俺の顔を見てくる。どうやら、俺とラックの考えていることは同じようだ


「「俺たち、期待の新人として呼ばれたのか」」

「いや、違うぞ」

「違うのかよ!」


 自信満々に言った分、即座に否定され恥ずかしさに苛まれるが、


「だったらなんで俺たちは呼ばれたんだ?」


 再び疑問が浮かび上がってくる

 そんな俺たちの反応を見て、


「ふむ…なるほど。この反応はそういうことだな」


 ギルド長は1人で勝手に納得してるし


「ふっ、そういうことか」

「分かったのか?」

「いや全然」

「紛らわしいわ!」


 ラックはすぐふざけるし、全然分からん


「君たちはずいぶんと仲がいいようだが、付き合いは長いのか?」

「?いや、今日初めて会ったが。なぁ?」

「そうだ。俺はこれを、運命の出逢いだと思っている」

「…そうなのか。なんとなくだが君たちの人となりが分かったよ。いきなりだが、本題に入ろう」

「俺たちになんのようなんだ?」

「君たち、この魔石をどこで手に入れたか細かく教えてくれ」

「ん?全部北の森で手に入れた」

「北の森?北の森のどこらへんで」

「壁沿いに30分ほど歩いたところだな」

「壁沿いか…性質と一致しているが、北の森か。門を出てどっちに進んだんだ?」

「右側だな」

「北北東よりか。そっちに墓地はなかったはずだが…南から北に流れたか?いや、それにしては移動しすぎだな」


 ?この感じ


「イビルスピリットが北の森にいたのになにか問題があるのか?」

「そうだな。そもそもの話だが、君たちはイビルスピリットがどうして南の森でよく見られるのか理解しているか?」

「俺はしらないな。今日はじめて知った魔物だし」

「俺も知らない」

「そうか。なら、そこも含めて説明しよう。そもそもの話だが、イビルスピリットは生物だったものが死後に空気中の魔素を吸収し霊体となったものだ。人の念が多く集まる場所でも発生しやすく墓地なんかがいい例だな。そしてだ、俺たちのいるこの街 オリジンから南西方面に移動したところに共同墓地 ヘブンベル がある。君たちも名前ぐらいは聞いたことがあるだろ?」

「あぁ、まぁな」


 共同墓地 ヘブンベル 行ったことはないが、噂で聞いたことがある。といっても、その噂はとても信じられないもので、なんでも、ヘブンベルは迷宮を中心にした都市なのだという。その中でも、ひと際有名なのは墓地迷宮 ヘブンベル で遥か昔からの墓があり、現在進行形で天に向かって迷宮が伸び続けているのだという。しかも、遺骨と墓石を持っていけば空いたスペースへと迷宮によって案内されるらしく、再び訪れたいと願うだけでなんどでも墓に参ることが可能らしい


「そのヘブンベルこそが、イビルスピリットなどの霊体系統の魔物の発生源なのだが」


 なるほどな、なんとなく分かった


「ヘブンベルからオリジンに流れてくるのか」

「そうだ。そして、その場合に行きつく先が南の森付近というわけだ」


 なるほど、それは確かに


「妙だな。その理屈で行くと、俺たちがあそこでイビルスピリットを討伐できたのはおかしい」

「そうだ。しかも、これだけの数。普通はいても一、二匹なのだ。それが、百三匹も」


 !103 そんなに討伐してたのか


「明らかな異常事態が発生していると見ていい…アイリス君、急いでスキャナーの冒険者たちを集めてくれ」

「はい!分かりました!」

「君たちも、情報提供感謝する。お礼というわけではないが、情報量として、依頼の達成量に上乗せで銀貨一枚支払おう。ボトムの冒険者に支払う額としてはかなり異質だが、まぁ、いいだろう。イビルスピリットの討伐103匹に加えて銀貨一枚、計銀貨十一枚と銅貨三十枚だ。さぁ、受け取ってくれ」


 そういうと、ギルド長は腰につけていた小さな袋から、その袋よりも大きな袋を俺たちに差し出した


 ラックが受け取ろうとする素ぶりを見せないので、俺が手を伸ばし袋を掴むと、そこには確かな金属の質量と、いきなり大金が手に入ったという高揚感があった



 宿


「はぁ~、なんか、今日は、疲れたな」


 俺はベッドに深く腰かけながら今日のことを思い返していた


「今日はいろんなことがあった」


 本当にたくさんのことが

 だが、その中でも特に


「ラック、あいつは何者なんだ」


 ラックの異質さ それがカオスにとっては一番強く印象に残っていた


 コイントス 木の棒 白銀の魔法武器 そして、イビルスピリット


 俺が金を稼ぎ、今こうして宿のベッドに腰を掛けていられるのもすべてはラックがいたからだ


「超運命的な幸運」


 もしこれが、名の示す通りのスキルなのだとしたら、俺が今日ラックにあったのも何かの運命だというのか?……


「考えてもしょうがないか。なるようになるさ。さて、明日はなにをするかな」



 明日のことを考えながらベッドの中にもぐりこんだカオスは、初めての依頼で疲れたのもあり、気づいたら眠っていた




 誰もが眠りについているであろう深夜


「なぁ、教えてくれ<白の導き> これも運命なのか?」


 その男は、


「なぁ、カオス お前は、何者なんだ?」


 ベットで幸せそうに眠るカオスを見下ろすようにしながらただ見つめていた

 眠っているだけの、無防備なカオスに対して何をするでもなくただ見つめていた


「俺が偶然<白の導き>を手に入れたあの日から、俺の人生は大きく変わった。俺のすべての行動は運命に守られ、幸運へと誘われる。俺は、白の世界にいる。だが、」


 そう言いながら、男は手を伸ばし、カオスの悪い寝相のせいで落ちかけていた布団をかけ直した


「カオス、お前は俺の世界に入門してきた。俺がスキルを使った瞬間を完全に知覚していた。今までにこんな事はなかった。お前は一体何者なんだ?それに、この光、今まで生きてきたけど、こんなに強い光は初めて見た。お前は一体、どんな力を持ってるんだ? いつか見るのが楽しみだな」


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