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南の風刃 最強の劣化コピー  作者: 金雀和博
1/6

プロローグ

初投稿です

更新は遅いと思いますが読んでもらえれば幸いです

ちなみに主人公は苦戦することも多いのでご注意を

「どうだ思い出したか?」


ヒゲをたくわえた背の高い壮年の男が問う

問われた青年…いや少年だろうか

高校生くらいの男だ

この少年名は美波神蘿みなみしんらという

緑色の耳が隠れるほどのやや長めの髪形、

前髪は鼻先にかかる長さで両目にはかかってはいない

容姿は驚くほどの美形でアイドル顔負けレベル

見惚れる女性がいくらでもいそうなほど

体つきは華奢で背丈は170あるかないかだ


「…ええ。やっと…思い出せました」

「…そうかい。ならこれで力を取り戻せるな。昔の力と今の力が合わさった事で今までにない力を得たはずだ。帝王軍との決戦前に取り戻せて良かった」

そう言われ右手を軽く握る神蘿


「あまり実感は…ないですが」

「すぐにわかるだろう。ただなぁ忘れてた記憶…」

「大丈夫ですか神蘿君!気分とか悪くないですか!」

壮年を手ではねのけ凄まじく胸の大きな可愛らしい女の子が神蘿を心配して彼の手を握る


「…ああ。大丈夫ありがとう」

「本当ですか?無理してません?私は詳しくないですけど思い出すのも辛い事だったんじゃないですか?」

とても彼女は心配している


「いや…あの戦いを除けばそんな辛い事ばかりではないし…な」

心配かけないように軽く笑いかけ

「それに…ずっと忘れているわけにはいかない…からな」


はねのけられた壮年が立ち上がり

「辛いかもしれんが必要な事だったすまんな」

「いえ…」

「それでなんだが教えてくれないか?過去の出来事…あの戦いについて」

「…!ちょっ」「かまいませんよ」

女の子が怒ろうとした瞬間に了承する神蘿

目をつむり

「とはいえ俺が知ってる事はたかが知れてますし…まずどこから話しますか…」

「急に話さんでもいいさ。まず落ち着いてあの戦いに至る前や楽しかった事とか他にも思い出した事…まずは戦いのきっかけからでどうだ」

「…わかり…ました」


美波神蘿は思い出す

2年前の出来事を… 



時は2年前に遡る…


ある学校の教室…

机や椅子とかが荒れて倒れている。誰かが暴れたあとのようだ

そこには3人の姿が見えた。女の子が二人と男の子が一人

一人の女の子は腹部から出血してうつ伏せで倒れており容姿が見えない

もう一人の女の子は立って血のついた刀を握っていた。前髪で顔が隠れており後ろ髪はセミロングの赤毛。中学生くらいだろうか

一人の男の子は刀で切られた傷口を抑えなんとか立って刀を握っている女の子をにらんでいる


男の子は美波神蘿だ2年前の姿の


「アタシは〜悪くないよ?悪いのはこの娘だよ~」

女の子は悪びれる素振りをせず口元だけ笑みを浮かべて

「それと波ちゃんも悪いんだよ~だって、だってさぁ〜!」 


長い前髪のせいで隠れてるはずの女の子の目がよく見えるほど眼光が鋭く輝き

「〜〜〜!」


何かしゃべっているがこの時の神蘿には聞こえていなかった

神蘿にあった感情は一つ、彼女への憎しみだ

切られた女の子は神蘿にとって大事な女性だった。

だから助けに入ったが返り討ちにあったようだ


そして憎むべき前髪の長い女の子は…


幼なじみの友達の一人だった


「…みなとぉぉぉーーー!!」

神蘿は物静かな無口な子だ

だがそんな彼でも叫ばねばいられないほど怒っていたのだ


そこから先は覚えていなかった

すぐに事切れて気絶したのだろうか


はっとして目を覚ます

そこには見慣れない景色…病室だった

辺りを見渡すと一人の男が座っていた。見舞いに来ていたのだろう


男は烈火の如く赤い逆立った髪型の背丈が大きい無骨そうな壮年だった

男は神蘿が目を覚ましたことに気づき


「起きたか、気分はどうだシン。どこか具合の悪いところはないか」

「…父さん」


そう男は神蘿の父親、名を美波火人みなみひびとという


「俺は一体…」


状況がわからず混乱する

頭が痛い…先程の事は夢か…?


いや、違う

すぐわかった

切られた胸の傷がよく痛む

この傷が…あの出来事が夢でないと教えてくれる


どうしてああなったかは思い出せない

だがそんなことはどうでもいい

今一番大事なことは


「ル、ルミは、ルミは無事…なのか?」

ルミとは神蘿と同じく切られて倒れていた女の子のことだ

神条かみじょうルミア

神蘿の幼なじみだ


「安心しろ。命に別条はない。少し危ないところだったようだがな」

安堵する

それだけが気がかりだったから

「傷跡も残らないように処置させ…いや処置してくれたようだ」

「…良かった」

「その娘だけじゃないぞ。お前も大変な状況だったんだ。どんな無茶をしたんだ親の気持ちも考えるんだな」

心配をかけたようだと気づく

自分より幼なじみの事を気にして自らのことは考えてなかった


「…ごめん」

「俺も母さんも家族全員皆心配したんだぞ。丸一日目を覚まさなかったんだからな」

「…一日寝てたのか」

自分もまた生死をさまよっていたのかと思う


「何があったかとかは今は聞かん。だから今はゆっくり休むといい」

うなずく神蘿 

ただもうひとつ聞きたい事があった


「かな…みなとは?」

自分とルミアを切った犯人、湊叶絵みなとかなえの事を聞く


「切った相手か?二人が発見されたときは誰もいなかったらしいが逃げたのだろう。捜索されてるはずだ」

「…捜索…」

「その名前聞いたことあるぞ。確か幼なじみじゃなかったか?最近あまり見なかったがその娘が犯人なのか?なら」

「自ら…探す?」

「ああ…いや違う警察に話そうかと思ってな」


一瞬うなずいたがすぐ否定した父

父火人は警察ではない。ましてや探偵とかでもないただの一般会社員なはずだ

一般人が犯人を自分で探すなどあまり考えられないが…そうではないのだ

神蘿はなんとなく気づいていた

父が普通の人ではないことに


「湊は…どこからともなく刀を出した。なにもないところから作り出したかのように…」

「そ、そうなのか?手品ってわけではないよな…」

無論そんな訳はない

わかっててとぼけているのだとわかる


「知っているなら教えてほしい。湊の力はなんなのか。」

「知ってどうするまさか復讐でもしようというのか?」

首を横にふる

「ルミを傷つけた事は許さないが無事なわけだしそんなことは考えてない。ルミが望むなら考えるが」

「その言葉を信じる…が、一応言っておく。間違ってもそんなことしようとするなよ。ただの人間ならどうあがいても勝つ見込みなどないからな」 

その言い方からして湊の力について知ってるのは確かなようだ

 

「ただの…か。なら同じ力使えればそうじゃないかもしれないのかな」

「やめておけ。お前に才能はおそらくない」

無駄な事だと一刀両断するも神蘿は表情一つかえずに

「それでもいい。少しでも刃向かえてルミを逃がすことくらいできればそれで」

「また狙われると?」

「その可能性もあるしまたこんなこと起きないようにしたいだけだよ」


少し考え込む火人

(まあ鍛えるだけならそう止めることもないか…俺のように軍に入るわけでもないし)

ため息一つ

「わかった。力をつけることだけは許す。だがその後敵を見つけ復讐しにいくとかはなしだ」

「…ありがとう」

「まあまずは傷を直してからだぞ」


そう。この日がきっかけに神蘿の戦いが始まったのだ


数ヶ月がたち傷も万全に治った神蘿は父火人に連れられ家の地下室へやってきた

地下室があるなど知らなかった神蘿だったがそれよりも驚く事が起きる

薄暗い部屋の中に魔法陣が描かれた床を発見

父に導かれそれの中心部に立つ

そして父は何か呪文のような言葉を唱える


…すると


ハッとする神蘿

気づけば地下室から見知らぬ空間…いや部屋に

周りが変わっているのである

明かりがついて景色が変わったからとかではない

確かに明るくはなったが明らかに地下室ではないのだ

だだっ広い近未来風な柱などのあるあきらかに自分の家の中とは思えない部屋だったからだ


部屋の中には特になにもない

同じく床に先ほどの魔法陣らしきものが描かれているだけで


「ついてこい。ここは天界…我々の住む人間界とは別の…異世界だ」

部屋のドアを開ける火人についていき今神蘿はその天界の地に一歩歩きだした…

プロローグなので兄などの話はまだです

父ちゃんすぐとぼけるのやめたなと思われそう

そんなに必死に隠してたわけではないのです


過去回想から始まりいずれ現在の話に戻ります

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