10話 骨が何本も折れてるであろう冒険者
急に少女に抱きつかれバレないようにニヤニヤしながら頭の中を空っぽにして幸せを噛み締めてると冒険者達がモゾモゾ動き出し、意識が其方に向いてしまった。
邪魔をしたのは許さないけど良くこいつら生きてたな。骨何本折れてんだ?あれ。
少女もそれに気づいたのか俺から身体を離してしまった。残念!
何処か悲しそうな顔なのは気のせいか。
起き上がった冒険者達は俺と少女、そして自分達の怪我を交互に見てポカーンとした顔になったかと思うと今度はみるみる青ざめていき逃げ出そうとした。
だが龍の攻撃も伊達じゃ無かったみたいだ。膝から崩れ落ちて倒れてしまっている。
あいにく俺は回復系のスキルを持っていないし、冒険者達を《鑑定》してみたけど回復スキルを持っている人は居ない。
戦闘経験の無い俺でも流石に今すぐ治療しなければ助からない事は見ただけですぐ分かる。
近くにあるのか分からないが街まで急いだとしても多分これは間に合わないだろうな……
少女を襲っていたとはいえ、目の前で死なれるのは少々心苦しいものがあるな。何か応急処置的なものがあれば良いが。
俺が焦りながら冒険者達を助ける方法を模索していると、
「あ、あの……私、回復魔法使えます!流石に完治出来るほどのスキルでは無いですが……」
少女がそう言ってきた。てか名前すら聞いてなかったな。
「そう言えば名前言ってなかったですね!私の名前はヒナ=リーアズドって言います……良ければヒナって呼んでください!」
「ヒナさ……ヒナ、僕は万丈氷月です」
「ばんじょうひゅーが?珍しい名前ですね〜遠くの国からやって来たんですか?」
っ!? 鋭い……どう答えるのが最適なんだ……。




