プロローグ どうして僕以外の転生者は皆調子に乗るんだ?
20時、21時に次話を投稿します。
「俺様の《賢者》と《転移》を返せや雑魚!!! 」
クラスメイトの皆や僕を慕ってくれている奴隷の少女達、僕を目の敵にする貴族や転生者の連中、そして1番大きな声で応援してくれているヒナ達の歓声や貴族の取り巻き達の怒声が耳に入ってくる。
ここは世界最高峰の魔法学園であるユミアルス学園の魔法闘技場。
その中心に1人の男と対峙している。
その男というのは今地面に這いつくばりながらやたらでかい声で唾を吐き散らかしながら僕を睨んでいる目の前の男の名はマサヤ=リュウト___僕と同じ様に日本からこの異世界に転生してきた《賢者》だ。
いや、もうこいつは賢者でも何でもないただの平民か。僕がリュウトの《賢者》は強奪からね。
……正直ここまでする必要は無かったのかもしれない、だけどユキニャを侮辱したのだけは絶対に許さないしぶち殺してやろうと思っている。
___さぁ異世界に転生したからといって調子に乗ってるこのクソガキ賢者を僕と雪菜の愛の結晶である究極ペア魔法で殺してあげようではないか。
詠唱を唱え魔法を具現化していく。僕の真上には黒の魔法陣と白の魔法陣の2つが展開され、辺り一面は雪が積もっている。
今の季節は夏だから通常この状況は有り得ない。そもそも魔法闘技場は闘技場そのものを改変する魔法は打ち消される様に宮廷屈指の魔術師達によってコーティングされている。
だからだろうか観客席に居る貴族達はこの異常性に気づき怯えているが、対照的に僕のお嫁さん達はそれをみてドヤ顔をしている。
かわいい!!
コホン……話が逸れた。
この魔法の発動は思ったより魔力を喰うし早いとこ終わらせよう。
チラッとリュウトを見るとこの魔法に対抗する気なのか上級魔法の詠唱を始める。
そんな魔法で僕と雪菜の究極ペア魔法を打ち破れる訳がない。
「じゃあな賢者リュウト……いやただのリュウト」
この言葉を最後に僕は魔法を発動させる。
「【究極・闇雪の桜域___「やめて!!!!!!!!!!!!!! 」
発動させる刹那雪菜が叫び反射的に魔法を打ち消してしまう。
「雪菜の為に復讐してくれようとしてるのは凄く嬉しい!だけど……賢者殺しの罪なんかひゅうがに被って欲しくなんかない!! 」
雪菜は涙で顔をよごしながら僕に抱きついてくる。
雪菜の言っている賢者殺しとはこの国で最も重い罪でありその法を犯した者は例外なく捕らえられ殺される、所謂打首獄門だ。
僕はもちろんその法を知っている。
だがその罪を背負ってでも雪菜を助けたいと思い今こうして戦っているのだが……
「雪菜はいつもの優しいひゅうが君でいて欲しい……雪菜の事はもういいからこんなことやめてよ…… 」
僕としては別に賢者殺しの罪くらいなんてこっちゃないんだが当の本人である雪菜を泣かせてしまっては本末転倒だ。
よく見れば身体が震えている。
安心させる為に頭を撫でて落ち着かせ、耳元で「大丈夫だよ」と言うとこくっと頷き観客席に戻って行った。
どうしよう?と審判の方を向き声をかけようと近ずいた瞬間リュウトが上級魔法を発動してきたので仕方なく相殺魔法を使い打ち消す。
「は? 俺様の上級魔法を相殺するだと!? 」
「上級魔法如き誰でも相殺出来るだろ? 」
少なくとも僕の嫁達やクラスメイトは全員容易く出来るし今は賢者では無いとしてもそう驚く事では無いと思うんだが……。
「な、なんだよコイツ……頭おかしいのか!? 」
リュウトは納得がいかないみたいで僕を頭おかしい呼ばわりしてくる。
失礼な、普通だと思うんだけどな。
もうめんどくさいので強制勝利させて貰おう。
魔法闘技場での勝利と認められる行動は以下の3つである。
一つ
・相手を戦闘不可にするか、気絶させる
二つ
・降参させる
三つ
・相手が場外に出てしまう
戦闘不可にしてしまうと身体にダメージが残り酷ければ死んでしまうのでは?と最初は思ったが宮廷屈指の回復魔術師が即死では無い限り復活出来るらしいので問題は無い。
けど紗奈だったら死者でも蘇生出来るから宮廷の回復魔術師より僕のお嫁さんの方が凄いってなんか嬉しいな。
っとついチートなお嫁さん達と宮廷の人を比べてしまうのは僕の悪い癖だ。
バレないようにそっとリュウトの後ろにピンク色の魔法陣を展開し少しずつ覆っていく。
完全に覆うまで残り5秒__
まだ気づかれてない
残り4秒__
残り3秒__
リュウトが上級魔法では勝てないと悟ったのか究極魔法の詠唱を始める。
残り2秒__
雪菜達が僕が何をするかを察し両手を握ってお祈りのポーズをしている。
残り1秒__
リュウトの究極魔法の詠唱が完了する
「《魅惑》スキルが一・【強制催眠術・極⠀】」
スウウウウウウウウウウウウウウウ
リュウトの全身を魔法陣が覆いきり外側から波のように流れ始め轟音が鳴り響き、リュウトが倒れる。
これで終わりだ。
観客も勝敗を悟ったのか割れんばかりの歓声が鳴り響く。
……あいつ(リュウト)って結構嫌われてたんだな。
リング上から降りる前に駆け寄られて回復魔術師にヒールをうけているリュウトに
「卑怯と言われるかもしれないけど雪菜を悲しませずにお前に勝つにはこれしか無かった……もう僕の雪菜に手を出すなよ? もしだしたら分かってるよな」
と言い残しリング上から降り魔法闘技場を後にした。
しっかしどうして転生者は皆調子に乗るんだろう?ルーミャ達(神様達)が善意で異世界に転生させてくれてスキルまでくれてるっていうのに……。
こればかりは考えていても僕には到底分からないし考えないでおこう。
外には僕の可愛いお嫁さん達が待っているんだから!!
僕の楽しい異世界生活は始まったばかり。
これからも僕とお嫁さん達の邪魔をする奴は転生者だろうが貴族だろうが権力者だろうが真正面から叩き潰してやる
それが僕の強奪のモットーだからーーー。
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