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2輪ノClover  作者: 奇柳 業
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44話:格の違い

皆さんお久しぶりです。奇柳業です。この投稿機関からなんとなく察しが付く人もいるかも知れませんがちょっとリアルが馬鹿みたいに忙しくなってしまったのでしばらくの間休載します。すいません。

 「さて。稽古をつけてあげるヨ。若造。」

 「若造・・・若造だと?貴様誰に向かってそんな口をっ・・・」

 「お、君いいもの持ってるネ。」


 マモンが見ていたアルの姿が一瞬ぶれたかと思うと、オヂサンは少し高く掲げた手に何かを握っていた。


 「なっ・・・お前なぜそれを!!」


クローバーの7。それは一枚のトランプだった。


 「オヂサン、前に大体12個くらいの難行をこなしてネ。その度に色々なことを学んだケド・・・うん。今回は7で行こうカナ。あ、もうこれはいらないから返すヨ。にしても戦場に遊び道具(トランプ)持ってくるって、もしかして『本能戦士団(グリードアーミーズ)』って暇なのカナ?」


 そう言うとアルはトランプをマモンに向かって投げつけた。そこそこな速さがあったがマモンは平然と受け止めると懐にしまった。


 「貴様・・・さっきから何がしたい?」

 「うーん・・・下準備カナ。オヂサンね、ホントは君みたいな奴に対してはまともに戦う必要ないんだケド・・・君には自ら手を下さないとネ。」

 「そんなに俺を煽るのが好きか?」

 「〈第柒ノ難業・クレタの牡牛〉」


一言。その一言で空気が変わった。圧倒的な圧がアルから放たれたのだ。そしてアルの腰帯が光を帯び、変形していく。光がアルの手に収まったとき、腰帯は猛々しい牡牛を象った巨大な斧へと変貌していた。


 「じゃあ、始めようか。」

 

予備動作なくアルがマモンとの距離を詰め、上段に構えた斧を振り下ろす。


 「〈強欲の腕・権能開放〉!!」


マモンの左腕が禍々しい光を放ち、巨大化する。その巨大化した腕で斧を防いだが、アルの姿はもうそこにはなかった。背後に気配を察したマモンは姿勢を下げて振り返る。頭上をアルの足が物凄い速さで通り抜ける。

そのまま斧を蹴り上げてマモンの腕から抜き、跳躍。空中で斧を掴み渾身の振り下ろしを行った。


 「くっ・・・なんて力だ・・・」


斧と身体。そのどちらでも一撃でも食らったら致命傷になる攻撃の連打を前に、マモンは防戦一方だった。


 「〈古の狂獣の牙(キラーサーベル)〉!!」


その攻防がしばらく続いた後、慣れてきたのかマモンが反撃を入れ込んだ。太く伸びた爪でアルを襲うが、まるで気にする様子もなく斧で防がれた上に切り返され、逆にダメージを負った。


 「攻撃する余裕が出てきたみたいだネ。それじゃあ少し速めるヨ。」

 

 更にアルの動きが速くなる。必死にマモンも対応するが、だんだんと防ぎきれなくなり直撃を受けることが増えてきた。


 「いい加減にしろ!〈大咆哮(グランドハウル)〉!!」


爆音が轟く。マモンは発動した〈大咆哮〉で音の壁を作り、一度距離を取ろうとした。本来この技はどんな達人でも一瞬は慄き、弱いものならその音で死に至ることもあるほどの力を持っていた。


 「〈猛撃戦斧(ウォーアックス)〉」


が、相手が悪かった。地面に振り下ろされた斧が衝撃波を起こし、咆哮を掻き消した。


 「〈大斧大旋風(ハリケーンアックス)〉」


さらに、追撃。斧は吹き荒れる風を纏いマモンに迫る。身を捩ってなんとかマモンは斧を躱すが、その斧が纏う風は躱せなかった。吹き飛ばされ、結界に激突する。


 「さて・・・幕引きカナ?」

 「そんなわけがあるか!〈強欲大災害(グリエルディザスター)〉!!」

 「はい、これでおしまいだネ。」


神速の斧が走り、マモンは四肢を切り落とされ見るも無惨な姿へと変わった。


 「・・・ここまでか。許せ。『本能戦士団』戦に勝てなかった無能な王を。」

 「これでいいはずなんだケド・・・団長に一回来てもらわないとネ。」

 「呼ばれるまでもなくちゃんと来るっての。なあアル。コイツ何か妙なものでも持ってなかったか?あのあといろいろ調べたが妙な噂が・・・」


 戦いも終わり、団長も合流。あとは事後処理だけだ。と、何かしらの予想外が起きるのはだいたいこんな時だ。


 「カハッ・・・」


突如マモンが血を吹いて倒れた。喉が切り裂かれている。二人はすぐに臨戦態勢を取り、アルは周囲の警戒。ルエルはマモンを結界で包み、延命治療を始めた。


襲撃者はすぐに見つかった。マモンの喉元に突き刺さっているクローバーの7。それが赤い液体を垂らしながら怪しく光っていた。


 『お前ら聞こえるか!〈大天空結界格子(ジェイルハウスセラフ)〉を今から解除する!大至急来い!響也と渉輝はレノンとアルゴスも連れてこい!大至急だ!』



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