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2輪ノClover  作者: 奇柳 業
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38話:この世で肉体言語よりわかりやすい言葉はないわ

皆さんこんにちは。Twitterアカウントを新たに開設しようか悩んでいます。奇柳業です。今回は日常会ではなく本編のバトル回です。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

 「うおおおおおおお!!」

 「気合は一丁前だけど気合いだけじゃ私の技は受けられないよ!!コファンタス!」


拳が交差し、脚がぶつかり合い、技と技が会話をする。そんな空間が生まれていた。ラトスにコファンタス。2人は共に武術を好むものであり、戦いの中で互いの技を知り、高めていった。


 「これならどうだ!〈森林重戦車(ライノスプル)〉!!」

 「甘い!!」


コファンタスが肩を突き出し突進するが、その威力を流され無効化される。しかもついでとばかりに腹に一発拳を食らった。


 「ならこれはどうだ!!〈巨熊の腕(ベアナックル)〉!!」

 「効かないよ。」

 「ならばこれなら・・・!」


次々とコファンタスは技を繰り出す。しかしその全てをラトスはいなし、受け流していく。そんなやりとりがしばらく続くと、コファンタスの動きが止まった。


 「なぜお前は何も技を使わない!技を使うまでもないというのか!」

 「いや〜そんなつもりは無かったっんだけどな。ただ私が君の技を受けるのが楽しくてついつい続けてただけだし・・・まあでも少しはこっちも手の内見せようか。」

 

ラトスはそう言うと、胸の前で手を合わせ、目を閉じた。


 「少しは本気を出す気になったってことか!ならこっちも本気で行くぜ!!ハァァァァァァァ!!」


コファンタスは深く深呼吸し、体全体に力を溜めた。すると、彼の体は2回りほど巨大化し、腕を中心に筋肉が倍増した。


 「お前がどれだけ受け流すのが上手かろうと、それ以上の力で潰せばいいだけだ!!食らうがいい!〈象踏破壊(エレファントスタンプ)〉!!」


巨大な剛腕による一撃必殺。これでラトスを仕留める。そう、コファンタスは確信していた。


 「〈支天崩天〉」


腕がラトスにぶつかる瞬間。自分の視界が反転するまでは。


 「!?」

 「無理に動かない方がいい。と言っても三半規管が揺れて立てやしないだろうけどね・・・何が起こったのかわからないっていう顔だね。久々の対人戦だし今日はちょっと話しちゃおう。」


そう言うと、ラトスはその場で座り込み、話し始めた。


 「まず君が持っているであろう疑問はこれだ。『なぜあれだけの体格差がありながらこうも簡単に自分が投げられたのか。』」

 

コファンタスがなぜそれを、というような顔をする。ちなみに、三半規管だけじゃなくそっち系のとこも少しやられているみたいで、いまコファンタスはまともには喋れない。


 「全ての物質には力が存在する。そしてその力には働きたい向きがあるのさ。私はそれをずらしただけ。力が働きたい方向と実際に力が働く向き。この二つが食い違って仕舞えば一瞬で君の力はゼロ以下になる。」


 ひとしきり話すと、ラトスはコファンタスに背を向け、目を閉じた。


 「私は君のことが気に入ってさ。響也とか渉輝とかのいい特訓相手になりそうだし。だからあんまり君のこと殺したくないんだ。だから少し寝てなよ。」

 「マモン様は・・・?」

 「ん?」


コファンタスは、揺らぐ体に鞭打って言葉を紡ぐ。


 「仮にお前の言う通りここで寝ていてマモン様は生き延びれるのか?」

 「うーん。多分無理だろうね。オヂサン結構怒ってたし。」

 「ならば・・・ここで寝ている場合ではないな・・・」


ふらふらとコファンタスが立ち上がる。足取りはおぼつかず、今にも倒れそうだ。


 「おい!今立つと危ないよ!」

 「勝負だ。ラトス。俺は俺の最大最強の技で貴様に最後の一撃をくれてやる。受けてみろ!!」

 「・・・」


はあ・・・と、ラトスはため息をついた。結局こうなるのかと少しがっかりしながら、背を向けている自分に対して不意打ちを仕掛けずあくまでも正々堂々とした勝負をしようとするコファンタスを少し見直した。


 「仕方ない。君のその武人っぷりに敬意を払って少しくらい私も本気を出すよ。」

 「ありがたい!では行くぞ!〈森賢者の怒り(ドラミングブロウ)〉!!」

 「〈大嵐〉」


だからラトスは、自分の知る限り一番苦しまない技を選んだ。


〈大嵐〉。右腕に空気の装甲を纏い相手を貫く技。だが今回ラトスは、コファンタスの胸を貫いた瞬間空気を解放し、神経や内臓を切り刻んだ。なるべく早く死ねるように。振り返れば広がる血溜まりにラトスは手を合わせ、目を閉じた。


どうか次にお前が生まれ変わった時には、その時はもっと自分の技を試せますようにと。



次回はプロテスお姉さんですね。

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