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2輪ノClover  作者: 奇柳 業
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36話:どちらへ行かれるのですか?

皆さんこんにちは。奇柳業です。早いもので小説を書き始めてからもう一年経っていました。これからもまだまだ頑張っていこうと思います。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

 「さあさあどうやって殺そうか!?何がいい!?どう死にたい!?」


血走った目を見開いて、マグオンが絶叫する。


 「アンタ達!ヤツの雰囲気が変わった!油断するんじゃないよ!」

 「イエス!!クイーン!!」


それに対しヴェラットは、あくまでも冷静に判断し、部下を率いてマグオンを囲む。


 「〈紅蝙蝠(ブラッドバット)〉!」


紅い蝙蝠型の魔力弾の全方向からの一斉掃射。ヴェラットは今度はマグオンを注意深く観察した。


 「決めた!!そうだそうだこれがいい!!決まったよ!!君たちの死に様が!!」


叫びながら、手に持った槌でマグオンが地面を叩く。すると、巨大な石の塔がマグオンの足元からそびえ立った。よくみると塔にはところどころ逆十字のマークが施されている。


 「それで避けたつもりかい?アタシらの攻撃を避けられると思うんじゃないよ!」


蝙蝠達は進路を変え、マグオンを追う。しかし、塔の上から投擲された石弾にすべて撃ち落とされた。


 「いつの間に石弾を!?」

 「俺は彫刻家だからな!さあ!製作開始だ!!」


そう叫びながらマグオンは塔から飛び降り、()()()()()()()。そのままマグオンはヴェラットの配下の一人を目掛けて空を走りだした。


 「アンタの方に来てるよ!援護するから迎え撃ちな!」

 「「「「イエス!!クイーン!!」」」」

 「「「「「〈被火色蝙蝠(フレイムバット)〉!!」」」」」


炎を纏った蝙蝠型の剣を握り、ヴェラット達は一斉にマグオンを追う。


 「うわぁぁぁ!?」

 「どうしたの!!」


しかし、ヴェラットは後ろから響いた自らの部下の叫び声に振り向き、部下の状態を確認しようとし、そして止まった。その部下が宙に浮かんだ逆十字に磔にされていたのだ。そして彼は胸から腹にかけて赤黒く染まり、張り裂けていた。


 「なっ・・・アンタ・・・」

 「うおぉぉぉ!?」

 「あぁぁぁぁ!?」

 「おぉぉぉん!!」


叫び声が連鎖する。振り返って仲間を見れば、もうすでに全員磔になっていた。


 「あとはお前だ!!」

 「ッ!?」


今度は前から聞こえた声に対し、ヴェラットが反撃しようと腕に力を込めるが時すでに遅し。もうすでに心臓に鑿が突き刺され、槌が振るわれた。


 「ああぁっ!?」


しかし不思議と血は出ない。確かに打ち込まれたはずなのに。代わりに物凄い異物感がヴェラットを襲った。体の中で何かが蠢いているような・・・そんな感覚だ。


 「なんだまだ耐えるか。結構強いのねあんた。」


少し不機嫌そうになりながら、止めとばかりにヴェラットの胸に槌を振るう。それを皮切りにヴェラットの腹も裂け、中から十字架が這い出てきた。


 「くっ・・・んっ・・・」


苦しみのあまりヴェラットは身を捩る。なんとかしようと魔力を集めようとするがままならない。その様子を見て、マグオンは嘲るように口を開いた。


 「ざぁぁーんねん!お前らの魔力と筋力は全部その十字架に吸い取られているのさ!!ささ、磔の時間だ!!」


十字架は完全にヴェラットの体から飛び出し、ヴェラットの背後へと回った。どこからか取り出した縄を使ってマグオンが縛り付ける。そのまま十字架はゆっくり回りだし、やがて完全な逆十字の形になった。


 「さあ!!今日の俺の芸術作品はこれだ!!タイトルは〈獄滅逆十字(ごくめつさかじゅうじ)〉!!」


マグオンはそう高らかに宣言するとパチンと指を鳴らした。その音に呼応し、縛り付けられた者たちの足に火がついた。


 「熱っ・・・!!」

 「あっ・・・足が!!」


慌てて喚く者共を無視し、なおもマグオンは言葉を続ける。


 「ある国では罪人をこのような方法で罰し、天に送るという。俺はそれに感銘を受けた・・・そう!!ガラテアちゃんを汚すという大罪を犯したものにその罪をどう償わせるか!!この方法はそれにぴったりだ!!自らの行いを悔い!!決して逃れられない苦痛が懺悔を促す!!この環境!!まさに罪人のための理想郷(ユートピア)!!さあ!!俺の最高の慈悲に悦びながら自らの行いを悔いて死ね!!!!」


 そうひとしきり叫んで満足したのか、マグオンは地面に座り込み、懐からガラテアちゃん人形を出した。


 「ガラテアちゃん。今綺麗にしてあげるからね〜」


さっきまで狂乱していた人はどこへやら。心底幸せそうに人形を愛でるマグオンには、もう上空から響く悲鳴とふわふわと落ちてくる灰のことなど気にもとめてないようだ。


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