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2輪ノClover  作者: 奇柳 業
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32話:会議って結構まとまりはない

皆さんこんにちは。奇柳業です。今回は渉輝視点。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

 温泉旅行も終わり、またまた電車に揺られてギルドに帰ってきた。なぜか戻ってきた瞬間団長に一瞬恨めしそうな目で見られたが、気にしないことにする。そんですぐに会議が始まった。しかし俺はどうも会議に集中できない。その理由は・・・

 

 「それじゃあ会議を始めるぜ。議題は知っての通り明日の決戦についてだ。ってどうした響也。浮かない顔してるぞ。」

 「ああ、いえ。大丈夫です。」


響也の様子が少し変だ。夜は普通だった気がするんだが俺が目覚めたときから少し浮かない顔をしていて、まだ顔が明るくなっていない。今日は中々二人っきりの時間がなく色々と確認が取れていない。上手く聞けるといいのだが。


 「よし。概要は大体話し終わったな。じゃあ次は詳しい作戦についてだが・・・」

 「あ、いま無理っす団長。ガラテアちゃん吸いの時間なんで。」

 「・・・こうなったこいつはてこでも動かねぇ。しょうがない。十分間休憩だ。」


しめた今だ。


 「なあ響也、ちょっといいか。」

 「ああ。何だ?」

 「少しお前いつもより変だぜ。何かあったのか?」

 「・・・こっちに来なよ。」




     ◇◇◇




 話をまとめるとこうだ。今日の朝、響也は庭園を散歩していた。そこで風呂で知り合った友達と会って少し話したようだが、そのときに『界渡人は結構知っているんだけど最近しょっちゅう音信不通になっているから気をつけろ』というような意味のことを言われたらしい。あ、ちなみに界渡人ってのは日本からこの世界に来た人のことね。なるほど確かに物騒な話だ。


 「まあ今気にしたところで何も変わらないからな。これからは会議に集中するよ。」

 「ああ。それがいい。」

 「お前らー!マグオンが治ったから続きやるぞー!」

 

団長の大声が響く。


 「行こうか。」

 「ああ。」

 

再び円卓に皆が座ると、会議が再び始まった。場所や時間などはさっき話してたから、具体的な作戦を会議するらしい。


 「さて。それじゃあ続けよう。ディアロ、あれを。」

 「はーい♡」


そう言って、ディアロは胸もとに手を入れ、紙の束を取り出した。その突拍子のない行動に殆どの団員が目を奪われると、ディアロは一度紙を机においてたくましい両腕で自らの身体を抱いて口を開いた。


 「いやん♡そんなに見られたら恥ずかしいわ♡」


考えるよりも早く体が動き、横を向いて口と吐き気を抑えた。少し周りを見ると団長も響也も葵もアルも皆同じ姿勢を取っている。


 「・・・っとにかく。こいつに調べさせた『本能戦士団(グリードアーミーズ)』の幹部たちの情報だ。」


気を取り直して団長が話を進める。


 「今回は最低でも一人一体は幹部クラスを止めろ。その間に俺が大将を始末する。」

 「団長が?返り討ちに合わないかオヂサン心配だな・・・オヂサンが行こうか?」

 「俺のほうが歳上だろうが。でもまあたまには部下に活躍を譲ろうかね。」

 「よーし。オヂサン、張り切っちゃうぞ!」


・・・まあそんな感じで、会議は進む。多少のんびりとした雰囲気を漂わせながら。俺達にとっては初のギルド総出の大仕事。興奮してくるね。




     ◇◇◇




 決戦の日。俺たちがダダッピロ平野(雑な名前だと思ったが奇にしないことにする)に着くと、そこにはもうすでに先客がいた。肩に鳥を乗せたやつだとか明らかに長過ぎる舌を持ったやつだとか。そして何より、見知った顔が二人。だが俺たちが声を上げるよりも早く、少し小柄な青年が俺たちに言った。


 「怖気づかずによく来たな。俺はマモン。『本能戦士団(グリードアーミーズ)』の指導者にして強欲を司る魔王である!さあ始めよう戦争を。先手は譲ってやる。さあ、どこからでもかかってこい!」


そんな堂々とした自己紹介を、我らが団長は鼻で笑って名乗りを上げた。


 「戦争?おいおい何馬鹿なこと言ってんだ?俺たちは戦争をしにここに来てるんじゃない。お前らを殺すために来てるんだ。俺たちは誰も死なない。死ぬのはお前らだけだ。俺はルエル。知っての通り『義勇兵団』団長だ。先手を譲るといったな?ならば俺の技で開戦としよう。〈大天空結界格子(ジェイルハウスセラフ)〉!」

 「〈集団強制転移(テレポートマジック)〉」

 「おっとそうだ。『俺の』じゃなくて『俺達の』だった。」


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