30話:ピーピングは犯罪です
皆さんこんにちは。奇柳業です。今回は響也視点。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
温泉。それは生命の神秘。それは安らぎの極地。それは絶対真理の宝庫。月明かりに照らされた神聖な水は、触れたもの全てを安らかに浄化するだろう。
「ああ〜効くねぇ〜」
「全くだな響也。」
「ピュ〜」
我らは今、そんな温泉に来ています。ギルドを出てなんかこの世界にもあった電車に乗って。楽しく話しながら3時間。やってきました温泉街。しかもなんと今回はプロテス先輩とラトス先輩も一緒だ。修学旅行を家で過ごしていた俺にとっては初めての女子との旅行!ドキドキするね。
「おーい男たち〜楽しんでるか〜?風呂上がったら卓球しようぜ〜」
「せっかくの温泉なんだし少しくらいハメ外してもいいのよ〜」
そうだ。せっかくだから今回俺たちが一泊することになったこの旅館を説明しよう。ここはホテル『エルオーブイイー』ふざけてんのか?って一瞬思ったが気のせいだ。温泉は上質。料理も上々。客室も美しい。ついでに温泉卓球も完備と素晴らしいところである。
なんでこんな上質そうなところに?と思ったが、どうやらティタン姉妹が福引で男女ペア旅行券を2つ当てたらしい。それで俺たちが選ばれたのか。
「さて響也。せっかくの温泉回なんだ。これはあれをするしか無いよな?」
・・・ろくでもない予感がする。面倒なことに巻き込まれそうだ。
「のぞきをやるぞ!!響也!!」
「やらない。大声を出すな。」
「クソっ!こいつには肉欲がないのか!?そうだネクロ!お前はどうだ!」
『ワタシハ・・・オンナダヨ。』
「ちょっと待てネクロそれ本当か?」
今明かされた衝撃の真実。本当なら不味いことになるのでは?
『ホントダヨ。』
「「・・・」」
「おーおーバカやってる男ども。私達はもう上がるよ。」
「お先〜」
月明かりの下。取り残されるは男二人。淡い漢の夜の思い出。
「上がるか。」
「そうだな・・・あとネクロ。明日からラトス先輩たちと風呂はいる?」
『ゴシュジンサマト・・・ハイリタイ。』
「そうか~可愛い奴め。」
・・・慕ってくれるのはマジで嬉しいんだけどさ。このままだといつか俺刑務所行きになりそうなんだよね。
◇◇◇
「帰ってきたら覚悟しとけよあいつら・・・」
一方その頃ギルドでは。団長がいくつかの紙を握りしめながら嘆いていた。
「だんちょ〜なんですかその紙〜」
「請求書だ。とんでもねぇことにあのバカどもホテル代移動代全てギルドに丸投げしやがった。経費で落ちるわけねぇだろうが!!そもそも決戦がどうたらとかも全部投げていきやがったしよぉ!!」
「まあまあ〜決戦については死神と〜フラニックが〜頑張ってますから〜」
そんなとき、丁度ギルドの扉が空いて、死神とフラニックが帰ってきた。
「おっつかれさーん。場所決めてきたよ。」
「我らが安息の地。あの深淵に祝福されし禁忌の地にて・・・」
「えーっと現代語訳しますと『ダダッピロ平野でやろう』ってことよ。」
「『ダダッピロ平野』か・・・悪くない。あそこなら周辺に被害が出ることも無いだろう。よし。早速そこで進めろ!俺はちょっとATMに行ってくるから・・・」
「結局経費で落とすんだ〜」
こっちもこっちで大変そうである。
◇◇◇
「はあ〜ビバノンノン。」
深夜。こんな高価な部屋では落ち着けるはずもなく寝付けないため、俺は渉輝とネクロを部屋に残して一人風呂に来ていた。深夜の風呂はいい。夜風が涼しい上に程よい暗闇と月のあかりが俺の心を癒やす。そして何よりこんな時間に人はあまり来ないため一人でのんびりできる!
「おや?先客がいたみたいですね。」
「全く。そのようだ。」
「一人でゆっくりしたかったんだがよ。まあしょうがねぇ。」
と、思うじゃん?そんなことなかったよ。さようなら、俺の一人深夜風呂。一気に3人も増えちまったよ。
「お隣よろしいですか?」
「ああ、どうぞ。」
「悪いな。」
「ありがとよ。」
「感謝します。」
・・・俺は疲れているのだろうか。それとも何かに化かされているのだろうか。どうも俺の目にはおかしいものが見える。
「どうしたんだ?そんな不思議そうな顔して。」
「悩みでもあるんじゃないか。」
「おや。私達で良ければ話を聞きますよ。」
あら親切。とってもありがたいことだ。今の御時世こんな世話焼きの人も珍しい。だけどな・・・
「あの・・・あなた方なんか体繋がってません?あと腕多くないですか?」
温泉に行きたい今日このごろ




