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2輪ノClover  作者: 奇柳 業
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26話:温かいんだろうけど結局マフラーでいいやってなっちゃう

皆さんハッピーハロウィン。奇柳業です。今回は渉輝視点です。久々の渉輝バトルパート。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

 「はっはぁ!!どこのどいつだズミーラ先輩を殺したのはよぉ!!」

 「知らねぇよ・・・誰だズミーラって!!」

 「言い逃れしようとしても無駄だ。お前らしかいない。呪怨龍を連れたズミーラ先輩を殺せるのは。」


騒ぎの方に来てみれば、どこかで聞いたような名前を口走りながら里の人を締め上げている長身の男と、どっしりとした体格の大男の二人組がいた。


 「ズミーラってあいつだよな。たしかパラノイアにいた・・・」

 「ああ。あいつだろうな。」


響也も同じことを思っていたらしく、少し微妙な顔になる。ズミーラ倒したのうちらの先輩なんだよな。


 「何だよお前ら。そんな顔して。知り合いなのか?」

 「あールナ。こいつは俺たちがなんとかするわ。」

 「それなら今回は渉輝クンだけでやってみてくれないカナ?」


おろ?久々に響也と共闘するかと思っていたんだが、先輩は違う意見を持ってるらしい。


 「響也クンはルナと実践訓練してたけど渉輝クンはまだ実戦経験って少ないよネ。だからこいつらを一人で倒せたら二人共『調査員』に正式に認めるよう掛け合ってみるヨ。」


 『調査員』その言葉を聞いて俺たちの目の色は変わった。俺たちのギルド、『義勇兵団』の団員にも実はクラスというものがある。一つは今俺達がいる『事務員』基本的に依頼でギルド外に出ることはなく、訓練や事務仕事に時間を費やす。響也は結構事務仕事も出来ていたが、俺はあんまり好きじゃない。そしてもう一つが『調査員』である。これにはオヂサンやバロンや葵などの主力メンバーが該当し、依頼が来たときに実際に現場に向かって解決のため奔走する役割だ。要は一人前の団員ってことだ。


基本的に実力が認められることで『事務員』は『調査員』になれる。またとないチャンスだ。やるしかない。


 「んじゃ行ってくるわ。見てろよ?響也。」

 「おう。頑張れよ。」

 「オヂサンも応援してるヨ。」

 「1対2とは余裕だねぇ・・・」


なにかルナが言っているような気もするが気にしない。相手が二人いるだと?関係ないね。俺の特訓の成果を試すいい相手になりそうだ。さーって。まずは注意を引いてっと。


 「おいお前ら。ズミーラを倒したのはこの里のもんじゃねぇぞ。」

 「ああ!?誰だお前!」

 「待てスネック。こいつはズミーラ先輩の残した情報にあった渉輝とか言ったやつだ。見ろ。あちらには響也と思しき者もいる。」


おーっと。注意は引いたけどなんか不穏。バレてんのね俺たちの情報。まあ関係ないか。


 「ああ。お前さんら知っての通り俺は渉輝だ。ズミーラを先輩呼びしてるってことはお前らマモンの配下だろ?」

 「だったら何だ。」

 「魔王の配下は減らしておいたほうがいいよな。今ならこいつらの助けは借りないでやってやるよ。」

 「・・・冗談がすぎる。俺たちを一人で相手にしようというのか。」


大男のほうがドスの利いた声を響かせながら俺を睨む。おーこわいこわい。


 「落ち着けタトル。こいつは本気だ。ならそれに応えんのが男ってもんだろ!やっちまおうぜ2対1!」

 「・・・仕方ない。渉輝。俺たちは死体からも情報を引き出せる。情報を握ってる限り生き延びれると思わないことだ。」

 「忠告ありがとさん。じゃあ始めようか。」


我ながらかなりかっこよく決まっていたと思う。


 「マモン様直属部隊『死のネズミ』が一人。黒速のスネック!」

 「同じく鉄壁のタトル。」

 「「情報収集恐喝部隊。『タートルネック』参る!!」」


これを聞くまでは。もうね。これ聞いたらさ。あの男二人が仲良くタートルネック着てるとこ頭に浮かび上がっちゃってさ。笑っちゃったよね。




     ◇◇◇




 「笑うとは。舐められたものだな。」

 「油断するなよ!あれから行くぞ!」

 「了解。〈安息の甲羅(タートルシェル)〉」


 そうタトルが呟くと、俺たちを囲うようにドーム状の何かが出てきた。


 「これで援軍は来ない。お望み通り2対1だ。」

 「ここまでしなくてもそのつもりだっての。〈闘気開放〉!」


体に闘気を纏い、気配を探る。


そこか。


 「〈闘気破砕拳〉!」

 「っと・・・」


スネックに拳を打ったがすんでのところでかわされた。まだ浅いか。


 「お返しだ!〈絞殺大蛇(アナコンダ)〉!!」

 「援護する。〈森羅万象砕きし大顎(ワニガメ)〉」


スネックの腕からは俺の体の倍くらいはある大蛇が、タトルの体からは巨大な大口が放たれた。なかなかのエネルギー。だけどこの程度じゃあ俺の敵じゃねぇ。


 「〈闘気弾〉」


俺が先輩たちの戦いを見て思いついたこの(アーツ)。〈闘気弾〉は俺の闘気を球状にしてその場に浮かせるだけの技だ。これ以上はどんなに闘気を込めても動かない。(ちなみに一年の特訓のおかげで俺の闘気術はLEVEL7まで上がった)まあそれだけでも簡易的な盾のようにはなる。だが・・・


 「せぇい!!」


足にも闘気を込め、スピードを付けて闘気弾を蹴り飛ばす。狙いは過たず、大蛇と大口を消し飛ばす。そう。能力で動かせないのなら体で動かせばいいのだ。


 「おいおいこんなもんか?魔王の配下が聞いて呆れるぜ。」


もちろん挑発も忘れない。


 「何だと・・・!?おいタトル!本気で行くぞ!」

 「あのフォーメーションだな。了解。」


空気が研ぎ澄まされる。本気ねぇ。俺だってまだまだ本気じゃないぜ?






 

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