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2輪ノClover  作者: 奇柳 業
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22話:戦わなければ力は得られない

皆さんこんにちは。奇柳業です。今回は響也視点となっています。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

 「竜戦士の試練を受けてもらうぜ。」


 そう言って連れてこられたのはThe・ローマといった感じのコロシアムだった。ちなみにアルと渉輝はルナに追い返され屋台を見ている。


 「さーって。試験を始めますか。」

 「何するんだ?試練って。」

 「この竜の里には言い伝えがある。『力を得たくば殺してでも奪え』と。俺はそんな野蛮なことはしたくないから現代風に試練ってことにしてる。ルールは簡単。俺を認めさせな。ただし殺しちゃだめ。俺死んだら審判いなくなるし。まあ手加減は少しくらいしてやるよ。フィールドはこのコロシアムの中。勝手に出ようとすると結界が発動する。逃げられないってやつだね。それでもやるかい?」


いや十分野蛮じゃねぇか。こっちは殺しちゃだめでルナは俺を殺してもしょうがない。理不尽だなおい。でもまあやるんだけどね。


 「ネクロも一緒にやっていいのか?」

 「当然。竜戦士の試練だしね。当然俺も竜は使う。まあ数は手加減してやる。今ここにいる火炎竜(レッドドラゴン)のレッドだけだ。」


 そう言うと、ルナはレッドとか言った赤い竜に乗り空へ上がった、


 「お前さんの攻撃からスタートだ!どっからでもかかってきな!」


深呼吸。ここまで緊張した戦いはいつぶりだろうか。ズミーラ戦からはひたすら先輩方との特訓に励んでいたからな。まあだからこそ下手な相手にゃ負けられない。最初から本気で行こうか。


 「ネクロ。〈呪い玉〉だ。」

 「ピュイィ!」


俺は両手にバタフライナイフを顕現させ、魔力を込める。そしてネクロにバスケットボールくらいの大きさの呪いの玉を出させた。まだネクロはブレスは吐けない。代わりに、様々な種類の呪いを球状にして出すことができる。


 「〈魔力同調〉」


そしてこれをなんとか戦闘に組み込めないかと試行錯誤した結果、『呪いを纏う剣ってかっこよくね?』という考えが浮かんだ。そのおかげで得ることが出来たのがこのスキル。〈魔力同調〉である。このスキルは読んで字の如く自分と対象の魔力を同調させるといったものである。こいつはなかなかに便利で、互いに信頼し合ってないと効果は発揮しないが、攻撃力は倍増する。


 そしてネクロの呪いを込めた俺の剣は、耐生物に対しては無類の強さを誇る。「呪怨剣(カースソード)」とでも名付けようか。


 「行くぞ!ネクロ!」


ネクロを肩に乗せ、俺は足に魔力を込めて跳躍。レッドに接近する。


 「飛べ!レッド!」


俺の剣の危険さを感じ取ったのか、ルナは俺から距離を取った。


 「頼んだぜネクロ。」

 「ピュイピュイ!」


俺もネクロを飛ばせて足に捕まる。魔力を強く放出すれば空中機動も可能だがかなり疲れるし魔力切れになる可能性もあるからここぞというときにしか使わない。それにしてもネクロは本当に力強い。俺が捕まっても平気で飛んでる。


 「思ったより凄いの持ってるね。そんじゃこっちも行くよ〈火炎旋風(フレアトルネード)〉!」


レッドが渦状の火炎を吐く。上手く俺の動きを封じながら近づいてくる。正面から突っ切るか。一体俺がこの一年。誰の炎を見てきたと思う。こんな炎・・・いやちょっときついかも。まあやるしか無い。プロテス先輩の炎よかマシだろ!


 ネクロに念話で指示を出し、炎の発射部に向けて直進する。ある程度近づいたら左腕で炎を裂き、そのまま右腕でルナを切る!


 「〈火炎爪(レッドクロー)〉!」


とまあ俺が考えることってのは大抵上手く行かないもんだ。炎の中心からルナが炎を纏ったハーモニカを構えて突進してきた。よく見たらハーモニカの穴から針が出てる。なんでもありだな。だがそっちから近づいてくるとは好都合。こっちも一ついいものを見せてやろう。


 「〈穿ちの獄〉!」


両腕を同時に前に突き出し、先端を合わせる。いわゆる一点集中攻撃ってやつさ。俺の技術(アーツ)とルナの技術(アーツ)がぶつかり合い、周りの炎ごと相殺される。


 この世界では、いろんな奴らがボカスカ撃ってる技はざっくり分けられるらしい。まずは技の原型となるスキル。大抵の技はスキルから生まれる。ただ、スキルそのものが技になることもある。例えば俺の〈魔力掌握〉や〈魔力同調〉とかだ。そしてそこから派生及び自ら新しく作ったものが技術(アーツ)だ。技術というのは便利なもので、一度形と名前を決めてしまいさえすればその名前を言うだけで使いこなせるようになる。俺も渉輝もいくつかの技術を開発している。


 ちなみに今の〈穿ちの獄〉は死神にひたすらしごかれてる最中に手に入れた〈剣術〉スキルから作った。


 「こりゃ効くね・・・でも俺には当たってないぜ。さあガンガンきなよ!」


ルナは俺を蹴り飛ばして再びレッドの上に乗った。そして炎の雨を降らす。


 「ネクロ。でっかいの用意しとけよ。」


ネクロに指示をする。ネクロには一度待機しててもらおう。こっからは俺の腕の見せどころだ。


足に魔力を込め、放出。細かく角度を調整しながらレッドに近づく。


 「もう一丁いくぜレッド!〈火炎爪〉!」


ルナは炎を纏ったハーモニカを構え、レッドは俺に炎のブレスを吐く。


 「舐めてもらっちゃ困るぜルナ!」


片腕でハーモニカを抑え、そのまま全身。炎を突っ切ってレッドの背中を切り裂く!


 「グォォォ!?」


俺に切られたレッドは、重力に引かれて落ちていく。俺が今回ネクロに出してもらってナイフに込めた呪いは方向感覚の喪失と筋力の低下。そこまで長い時間かかるわけでも強い呪いの訳でもないが、一瞬混乱させるには十分だ。


 「ネクロ!」

 「ピュイ!!」


そしてその落下の先にはネクロ。すかさず指示を出し、今まで凝縮し続けてもらった特大〈呪い玉〉を出させる。こいつに込めた呪いは重力増加。


 「グァァァァァァ・・・」


それに触れた瞬間、レッドは凄まじい勢いで急降下。力強く地面に叩きつけられる。しばらくは起き上がれないさ。


 「ルナ!お前は一人での空中戦は得意か?」

 「想像以上だね・・・面白い!」


ルナは心底楽しそうに笑った。さて。数の有利も得たことだし、後もうひと押し頑張るか!


 数の有利を得、フィールドが限定される場所での俺たちの戦い方は狩りに近い。


 「いいぞネクロ!その調子だ!」

 「面倒だな・・・」


 ネクロに要所要所に大きめの呪い玉を設置させ、トラップエリアを作る。そしてその隙間を縫って、或いはその呪いを同調させながら俺が攻撃を仕掛ける。俺たちとしては一撃でも相手に当てれば呪いが発動するからだいぶ有利になる。


 「〈穿ちの獄〉!」

 「よっと・・・あぶねぇなおい。」


しかしルナは俺の攻撃をことごとく避けるわ防ぐわ全く当たらない。このままだと俺の魔力が尽きちまう。仕方ない。魔力消費が大きくてあんまり使いたくなかったんだが・・・


 「〈空瞬の獄・Five〉!」


刹那。空間に5本の線が描かれる。その線に触れていたルナは、一瞬の硬直の後重力に引かれて落ちていった。


 俺の勝ちだ。






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