19話:姿形どころか性格までも十人十色
皆さんこんにちは。奇柳業です。今回は響也視点となっています。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
「まずは聞こう。お前さんの肩に乗っているそいつは何だ?依頼人もいないようだが・・・」
久々に会った大男が俺に問いかける。ここはギルド。パラノイアでの依頼を達成・・・したのか?村人全滅してたわけだが。まあとりあえず依頼が終わったから戻ってきたところだ。
大男が聞いてるのは、俺のペットであり未来の戦友になる呪怨龍の幼竜のネクロのことだろう。親があんなんだったから気性が荒い種族なのかと思っていたのだが全くそんなことはなく、すぐに俺になつきずっと俺のそばにいる。ちなみに肩がお気に入りのようだ。
「だんちょ〜それについては〜俺から話しますよ〜。」
そう言うと、バロンはパラノイアでの出来事を洗いざらい話し始めた。ところどころ俺たちが補足したりしたがな。
「なるほど。大体わかった。それで?こいつはどうだ?」
「合格ですよ〜今日から〜我々の仲間です。」
「よし。響也!渉輝!ようこそ!世間から追い出されたならず者ギルド『義勇兵団』へ!我々は心より歓迎する!!」
大男の宣言とともに、ギルド内は歓声と「そりゃねぇぜ」という声で溢れかえった。
「やったな。響也。」
「ああ。」
最高の笑顔で、俺と渉輝は笑い合う。悪いことよりいいことを見たほうが人生楽しいってもんだ。
「さてと・・・それならギルドの奴らを紹介しないとな。バロンはもう分かると思うが・・・」
「改めて、櫻木葵だ。よろしく頼む。」
「えーっと、響也クンと渉輝クンだったカナ?入団おめでとう。オヂサンもとっても嬉しいナ。」
見知った声のあいさつと同時に、いきなり背後からコテコテのおじ構で、上半身裸にボロボロのズボン。それに腰帯一枚というヤバい奴に話しかけられた。これにはさすがの俺も開いた口が塞がらない。渉輝に至っては一歩後ろに下がってる。
「おいおい。こいつらは葵は知ってるがお前は知らないんだ。自己紹介しろってアル。」
「ああ。そうだったネ。オヂサンはアル・ケイレス。『星業のアル』なんて呼ばれてたりもするけど、気軽にオヂサンって呼んでほしいナ。」
「はあ・・・では、よろしくお願いします。オヂサン。」
「宜しく。」
いっきなりキャラ濃いな・・・
「オヂサン、二人が怯えちゃってるよ。私はプロテス・ティタンよ。よろしくね。」
「その妹のラトス・ティタンでーっす。二人共よろしく頼むぞー。」
「抜け駆けは良くないっしょ。オレだって自己紹介したいのにさー。オレはフラニック。よろ。」
「お前らいっぺんに喋るなよ・・・」
怒涛の自己紹介で俺たちが混乱していることを見抜かれ、一度大男・・・団長が説明してくれた。
まず最初のオヂサンはアル・ケイレス。オールラウンダーで使いこなせない武器はない。その副産物として星の数ほどの技を持っているため『星業』と呼ばれているらしい。
続いてプロテス・ラトス姉妹。最初の優しそうな人がプロテス。炎を操って戦うらしい。全身真っ赤な服で身を包んでいる。次の元気っ子がラトス。空気弾の使い手らしい。そしてこれはどうでもいいが可愛い。俺のネクロに匹敵するくらいには。
そんで最後に陽気に話しかけてきたのがフラニック。足の速さはギルド1。ノリの良さもギルド1。ついでに酒癖の悪さもギルド1の男。色々ととんでもねぇ。
「あと他にも結構いるんだが・・・おいマグオン。お前も自己紹介しろ。」
そう団長が呼びかけた先には、こちらに背中を向けてゴソゴソしている若そうな男。呼びかけられて振り返った・・・何だあいつ。すっげぇイケメンなんだけど。羨ましい。
「すんません団長。今無理です。ガラテアちゃん吸いの時間なんで。」
・・・残念なイケメンかよ。なんか周りから「黙ってればモテそうなのにな。」とか「後輩にもう少し夢を見させてやれよ。」とかいう言葉が聞こえてきた。なんか人形持ってるけどあれがガラテアってやつかな?そんなことを思っていると、渋い顔で団長が話し始めた。
「あーそうか。もうそんな時間か。あいつの代わりに俺が紹介しよう。彼はマグオン。普段は仕事をしっかりこなすんだが、二時間間隔で十分間全く働かなくなる。んでその手にも持ってるのがガラテア。あいつの手作りだ。」
「ちゃんを付けろよハゲ・・・じゃなかった。ガラテアちゃんですよ団長。」
うーん精神異常者。
◇◇◇
その後も何人かの自己紹介を受け、俺達自身も改めて自己紹介をしたあと、椅子にいかにも中二病という様子で座っている大鎌を持った男を見つけた。
「渉輝。あの人にも声をかけてみようぜ。」
「いいぜ。」
渉輝を連れて、男の元へ行く。不思議と男に近づくたびに頭痛がしてくるが、なにかの能力でも持っているのだろうか。
「こんにちは。あなたは何という名前ですか?」
「・・・お前は・・・死神と関わるにはまだ早い。」
無愛想な態度で一蹴されてしまった。『死神』ねぇ。本当にそうなのかもしれない。事実さっきから頭痛がひどい。頭が揺れるみたいだ。
『〈念話〉を取得しました。』
不意に頭に流れる機械的な言葉。〈念話〉だと?俺と渉輝は顔を見合わせる。どうやらあいつも同じスキルを得たらしい。
『聞こえる?聞こえてるよね?驚いた顔してるってことは〈念話〉を覚えたってことだよね?これでお話できるよぉ。』
なんか聞こえてきたんだが。え?なにこれ?あの人が喋ってんの?
『その顔してるってことは〈念話〉を覚えたようだな二人共。今の状況がよくわからねぇと思うから俺が説明しよう。まずは〈念話〉についてだ。こいつはわかりやすく言うと頭の中で会話できるようになるスキルだ。話したい相手がどこにいてもすぐに連絡が取れる。最も、相手も〈念話〉を持っていることが条件だがな。』
早速団長が脳内に直接話しかけてくる。そんな便利なスキルなのかよ。一瞬でゲットしちまったが・・・こんどネクロに覚えさせるか。
『そんでそこの中二病が死神。大鎌と刀を使う変則二刀流の使い手だ。そして誰とも馴れ合わない孤高の一匹狼・・・という設定。寂しがり屋だから結構念話で話しかけてくる。そんなときは念話で返してやれ。俺たちはこいつの本当を知っているが、他のギルドの奴らとかには「孤高の死神」で通ってんだ。夢を守ってやれ。』
『よろしく頼むぜ!二人共!』
仏頂面のまま、死神は元気に応えた。いやキャラ濃いなーどの人も。でもまあみんないい人そうだし大丈夫だろう。これから頑張るか!
「そして最後にこの俺ルェル。ここの問題児どもを纏め上げるギルドリーダーだ。団長とでも呼んでくれ。」
俺達は今日から団長のもとで働く。ここから第二の人生だ!
「あぁんもう♡まーた惚れ薬の作成失敗しちゃったわ♡これじゃただの発情薬よ♡あれ?何この子たち♡新入団員?ワタシ気に入っちゃったわ♡ボーヤ達♡おねえさんと一緒にイイコトし・ま・しょ♡」
俺はこの世界に来て初めて、真の命の危機というものを理解した。
一気に登場キャラが増えちゃいました。どう動かして行きましょうかね〜




