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2輪ノClover  作者: 奇柳 業
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16話:いつものんびりしてるやつは本気出すと強かったりする

皆さんこんにちは、奇柳業です。今回は響也視点とバロン視点、両方あります。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

 「〈闘気跳躍(オーラアクセラレート)〉」


 渉輝が足に闘気を込め、ズミーラのもとへ向かう。ズミーラは病攻撃だけでは分が悪いと判断したのか、体術で応戦している。多分腕とかに病を込めてるんじゃないかなあれ。


闘気に魔力。今日だけで色々なものを見た。そして考えた。おかげで〈魔力掌握〉なんてスキルを得ることができた。このスキルは、魔力を見ることができるようになるものだった。そんで渉輝やズミーラを見てみたが、体の中心、心臓の近くに魔力は溜まっていた。ズミーラは、病の魔法を使うときに腕に魔力が集まっていたが、渉輝はそんなことはなかった。恐らくだが、闘気と魔力は本質的に違うのだろう。


話がそれた。このスキル。自分のことも見ることが出来るが、俺にも魔力というものが存在していた。動かそうと力を入れてみたら、案外簡単に動かせた。まるで最初から体の一部だったかのように。


 ウィンドウを開き、バタフライナイフを具現化する。これにも微量ながら魔力がこもっている。両手にナイフを握り、柄を砕く。ナイフが腕と合体する。


まだ確証はなく予想に過ぎないが、この武器自体の強度は多分ゼロだ。ちょっと地面に落としただけでも壊れるし、今みたいにちょっと握るだけでも壊れてしまう。ならばなぜレノンと戦っているとき一部ながら攻撃力

が生まれたか。俺はこれにも魔力が関係してると思っている。


あのとき俺が握ったときに、無意識ながら魔力を注ぎ込んでいたのだろう。その魔力が攻撃力を産んだ。RPG風に言うと「理力の杖」のようなものだろう。


 つまり、俺が魔力を注ぎさえすれば、きっとこいつはれっきとした武器となる!




     ◇◇◇




 ナイフに魔力を込め、ズミーラのもとへ駆ける。渉輝とズミーラの体術は拮抗している。ここで俺が混ざれば・・・


 「渉輝!右に跳べ!」

 「了解!」


渉輝に司令を飛ばし、あいつが避けた場所に両手のナイフで斬りつける。


 「っ・・・〈黒死の暴風〉!」

 「下がるぞ!」


ヒットアンドアウェイの精神で、風を避けながら一発斬りつけて戻る。ナイフは壊れていない。仮説は正しかったようだ。


 「そのバタフライナイフそんなに強かったか?」

 「魔力を注いで強くしたんだ・・・とはいってもまだまだいい攻撃力とはいえんがな。」

 

ズミーラの野郎全然傷ついてねぇ。


 「どいつもこいつも、最近の子供はおっかないなぁ。」


さて、どうしてくれようか。




     ◇◇◇




 荒野。俺は呪怨龍と対峙する。パラノイアからはだいぶ離れたこの場所は、呪怨龍を響也くんたちから遠ざけるために移動しているとき偶然見つけたものだ。天運に感謝しよう。


 「さーって・・・響也くんたちが頑張ってるし〜こっちも頑張ろうかな〜。」


龍のブレスを回避しながら、少し考える。渉輝くんは心の通った子だ。親友のためならどんな努力でもする。場合によっては命までかけようとする。聞くところによるとまだこの世界に来て一ヶ月も立っていないらしい。それにまだ十代。本当よくやるよ。


そして響也くん。やっぱりまだ謎は解けないけど、仲間思いなことだけは分かった。渉輝くんのためなら何でもするような危うい感じもするのだが。ただ一つ心配なのは、自分の命を軽く見ているのではないかということだ。自分の命すら平気で賭けるというべきか。まあそれを除けば頭の回転も早く冷静なしっかりしたこなんだけどね。


 「グギャアアァァァァ!!」


雄叫びを上げて呪怨龍が爪を振り上げる。しかし動きは単調で簡単に避けられる。とはいえのんびりしているわけにもいかない。渉輝くんたちが待ってるんだからね。


 ちょっと本気出そうか。


 「〈神獣降臨(バロン・ダンス)〉!!」


 「チャロラナン。」

踊る。これが俺の、バロンの奥義。

 「バロン・クトット。」

踊る。力が溜まっていくような感じがする。

 「イ・マデ・クルドゥク。」

踊る。何も考える必要はない。

 「ペルジ・ランダ。」

踊る。この感覚だ。

 「デサ・ラージャ。」

踊る。降りてくる感覚。

 「トラスィーラ・ガムラン!!」


・・・俺は・・・バロンだ。


 俺の髪は獅子のタテガミのように荒れ狂い、四肢は獣の形を成す。これが俺の戦闘形態。〈神獣降霊・纏(バナスパティ・ラジャ)〉呪怨龍も確かに強敵だが、今の俺の敵じゃない。神獣(バロン)の牙に・・・喰い裂かれろ。


 




 

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