第7話
7話目です。
*アニエスSAID*
「御呼びですかお父様?」
「うむ。アニエスもそろそろ学院に通う事になるし、婚約者を決めようと思ってな。」
「そ、そうですか、、。」
「意中の相手でもおるのか?」
お父様にそう聞かれて私は正直悩んだ。
悠理様の事をお父様に伝えるかどうしましょう。
「、、、婚約者候補だが帝国の第1皇子、聖国の第2王子が今の所候補なのだが。分かっているとは思うがこの婚約は我が王国に多大な益をもたらすものだ。結婚すれば王位を継ぐのはアレンになるがアニエスにとっても悪い話ではないと思うがの。」
「分かっております。王族として生まれた以上政略結婚の必要性も私が身を捧げる事も、、、。」
帝国と聖国の王子、二人とは会談の時に顔を合わせた事はある。
顔は整っていたけれど帝国の皇子は女性にダラシナイと噂できている。
聖国の王子は堅物すぎて合わなさそうですし、、、。
、、、ふぅ。、、何かと言い訳をつけて私は避けようとしているのですわね。
「お父様、私は悠理様の事が好きです。」
「そうか、、まぁなんとなく分かってはいたがの。ただそうなると悠理殿が王になることになる。
それはそれで悪い事ではないなにせ勇者殿だからの。そうなるとアレンとの対立も可能性としてあるかもしれん。まぁまだ性急に答えを出す必要は無いが頭に入れておいてくれ。」
「分かりました。」
私は部屋を出た後も婚約の事をずっと考えていた。。。。
悠理様がそもそも王になることに抵抗があったならこの話はそれで終わりになる、、、。
まずは悠理様との距離を縮めていきましょう。
*悠理SAID*
一人になってくつろいでいたらアニエスがまた訪ねてきた。
「悠理様先ほどの相談の件なのですが、、実は婚約の話がありましたの。」
「婚約か、、、アニエスのだよな?」
「ええ、帝国か聖国の王子との話になりそうですわ、、。」
「王子が相手かまぁそうだろうな。」
「私としてはまだ婚約はしたくないのですが、、、立場もありますし。」
「政略結婚か、、。やっぱりあるものなんだな、、。」
「悠理様の国では無かったのですか?」
「俺のいた所では無いとは言わないけど割合的には自由恋愛の方が8割くらいだったんじゃないかな。」
「そうなのですか、、。悠理様は王位について思う事はありますか、、?」
「俺?ん~特に思う事はあまりないかなただ俺には合ってないなぁとは思うけど。」
「そうですか、、。悠理様は意中の相手はいらっしゃるのですか?」
「!!えっ、、いや、俺にはそんな相手はいないよ、、。」
アニエスのその言葉になぎさの事が頭に浮かんだ。
やっぱりなぎさの事は忘れられないか、、。
「そうなのですね、、。今日はこの辺りで失礼しますね。」
アニエスが部屋から去っていくのを無言で見送った。
アニエスの気持ちには当然気が付いているがどうしてもなぎさの事が頭に浮かんでしまう、、。
王位の話もそういう話なのも分かっている。。
ただまだなぎさ以外とそういう話は考えられない、、。
*アニエスSAID*
悠理様のあの反応、、、時々みる悲しそうな顔、、。
ただ意中の相手というより、何かあった雰囲気ですわ。
考えてみれば悠理様はこちらの人では無いのですわ、、、向こうにお相手や意中の相手がいてももう二度と会えないのですわ、、、。
そう考えればあのお顔も理解できますわ。。
どうすればよろしいのでしょうか、、、。
悠理様に私の事を好きになってもらいたい、でも悠理様の心の整理をする時間も必要ですわ。。。
、、、でも私も時間があまりありませんの!悠理様には申し訳ないですけれど攻めさせてもらいますわ。
*悠理SAID*
今日が実戦の初日だ。
話によると王都の外にはモンスターがいるらしくそこで実戦を行こなうらしい。
向こうにいた時は動物すら殺したことがないんだけどちゃんとできるかな、、
「悠理君じゃあ早速実戦行ってみようか。アニエス殿下も準備しといてくださいね。」
「分かりました。」
「はい。大丈夫です、リューク。」
少し緊張する、、、。
命のやりとりになって体が動くか、、大丈夫かな、、、
「悠理君ゴブリンだ!弱い魔物だけど油断しないようにね。」
「悠理様頑張ってください。」
「よし、、やるぞ!!」
ゴブリンは醜い見た目に120㎝くらいの身長緑色の体。
片手にボロイ剣を持って鼻息荒くこっちをみている。
俺も剣を片手にゴブリンを見据える。
手が震えてきた、、ふぅ、、集中、、精神を落ちつかせる。
{明鏡止水を創造しました。}
、、、よし!ナイスナビ!
心が無に近づいてくる。
不思議なくらい冷静だ。
「明鏡止水緩和」
少しマシになったか、、、あれ以上はやばい気がしたんだよな、、。
剣を軽く握り直しゴブリン目掛けて飛び出す。
「ハッ!!」
、、、一太刀で勝負がついた、、。
結構余裕があったな。。
ふぅ、、特に罪悪感とか湧かないな、、、
{レベルが上がりました。}
おお!レベルが上がったか!
実戦あるのみか。
「悠理君流石だね。迷いも見せずに良くやれたね。」
「流石悠理様ですね。私も頑張りますわ。」
「直前で心を落ち着かせる魔法を使ったので。」
俺は今度は下がり、アニエスとリュークさんの戦闘を観戦する。
アニエスは後衛なのでリュークと組んで戦闘を行っていた。
リュークさんがいる事もあって危なげなく倒していた。
やっぱリュークさんむっちゃ強いわ!
今日はゴブリンをメインにコボルトなどの戦闘を経験した。
王城に戻って今日は解散し部屋でステータスを眺める。
{ステータスを表示します。}
ーーーーーーーーーーーーーーー榎本 悠理ーーーーーーーーーーーーーー
職業ーー勇者 LV--25 ランクーーSS
HP--10000
MP--10000
AT--20000
DF--10000
AGーー10000
LU--10000
魔法
初級火魔法LV9 初級水魔法LV9 初級風魔法LV9
初級土魔法LV9 初級光魔法LV9 初級闇魔法LV9
無属性魔法LV8
(詠唱破棄、無詠唱、鑑定、ナビシステム、偽装魔法、アクセル、ダブルアクセル、明鏡止水)
スキル
経験値増大、1回目、世界神の加護、剣術LV9(飛斬)
称号
召喚されし者、世界神の加護を持つ者、運命の縁、Transfer1、#%$神&$&
、、、ちょい待ってこんなに能力って伸びるもんなん、、、??
桁がすでに違ってるんですけど、、、
途中からあきらかに力が増した感覚はあったけどさぁ、、、大丈夫か俺???
「悠理様よろしいですか?」
アニエスが訪ねてきたらしい。
能力値の事を聞くいいタイミングだと思いアニエスを部屋にあげた。
「今日の戦闘いかがでしたか??私上手くやれてましたでしょうか??」
「そうだね。結構いい感じに戦えてたと思うよ。リュークさんともいい連携とれてたし。」
「良かったです!ちょっと最初は怖かったですけれどなんとかなりました。」
満面の笑みで微笑むアニエス。
アニエスって王女なだけあって微笑むのが凄い似合ってる。。
「どうしましたの??」
「え?いや、、アニエスの微笑みは似合ってて可愛いなって思っただけ。」
「そ、そ、、そうですか、、ありがとうございます。。。」
アニエスがテンパってるとこ初めて見た気がするわ。。
、、、なんかいい雰囲気もとい気まずい雰囲気になってきた、、
え、、と本題本題、、
「アニエスは今日の戦闘でどのくらい能力上がった??」
鑑定を使えば覗けるけどなんか抵抗を感じたので鑑定は使わなかった。