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灰狼達の宴 ~国家特別防衛機関 活動記録~  作者: 石松 鳰
第七章 灰狼達の宴

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9 狼の枷

「兄…さん?」

面の奥の顔は陸そっくりだった。それでも男は攻撃を続ける。空は攻撃することができなくなっいた。兄は死んだ。と自分に言い聞かせる。だが、実は、もう一度会えて心の底の底では喜んでいるのではないか。

「……殺したくない」

そう思っていしまった。そもそも返り血恐怖症の空には近距離で人を殺すことはできない。認めたくない気持ちがあったから、これまで一人で調査し、死亡者リストを何度も見返した。いつまでもいつまでも引きずって、それを笑顔で覆い隠してきた。それももう限界なんだ。しかし、

「……!」

笑った。陸のように朗らかに。空の動きが一瞬止まる。それを狙い、男は拳銃を取り出すと、空の左目に向かって容赦なく引き金を引いた。夜空に銃声が響き渡る。避けきれず、左目の視力を失った。そのまま、倒れこむ。スローモーションのように男の顔が遠ざかる。

「ソ…ラ……」

喋った…空は痛みに悶えながら、息を落ち着かせる。

「タ、ス、ケ、テ」

男の口がそう発した。空は歯を食いしばる。薄れた血が目から零れ落ちる。男は機械的にタスケテと繰り返している。空は立ち上がると左手を目から放した。ゆっくりと握っていた銃剣をさらに強く握りしめる。目を瞑った…銃声が空の耳に入る。最期に兄が放った「アリガトウ」という言葉を聞かずに…返り血を浴びた自分の手を見る。あの頃のことがフラッシュバックして頭が締め付けられるような痛みを感じた。だが、今まで分からなかった命の重みを感じた。

「やっぱ、零と透はすごいや」

冬の夜。暗闇に浮かぶ冷徹な目は人の道を踏み外した獣のようだった。



さあ、とうとう空の枷が取れました!

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