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「ライラがナハトと北の夜へ行ったよ」
「ライラがナハトと北の夜へ行ったね」
「ライラがナハトと」
「ライラがナハトと」
どっと空気が沸いた。皆可笑しくて堪らないと笑っている。
「ライラ(夜)がナハト(夜)と夜へ行った!」
「あはは」
「あはははは」
「ライラ(夜)がナハト(夜)と夜から夜へ!」
「あっはっは」
「わはははは」
「ライラ(夜)がナハト(夜)と夜から帰るぞ! 我ら夜の元へ!」
「ひーいっひっひっひ」
「ぶひゃひゃひゃ」
大喜利のように口々に喋り、誰かが発言しては笑い、盛り上がっていた。
「ライラ、嬉しそうだったなあ」
「そりゃそうさ。生まれたからこの方ずーっと順番待ち。ようやっと伴侶が現れたんだ」
「楽しそうで何より! こっちも踊りだしたくなっちゃうね!」
「夜の王の慶事を祝して、歌おうじゃないか!」
「賛成!」
「さんせーい!」
ああ、ライラ
夜の娘、ライラ
夜である娘、ライラ
我等が王、ライラ
夜でライラに知らぬ物なし。全ての夜はライラのもの!
ライラが踊れば我等も踊る
ライラが歌えば我等も歌う
ああ、ライラ
夜の王、ライラ
楽しい夜をライラに
素晴らしい夜をライラに
いつまでも共に! ライラと共に!
ああ、ライラ
我等が王、ライラ