第2話〜カグヤとの出逢い~
暗い空間の中彷徨い続けるリュウセイ。本人の意識は無く、ただただ流れに身を任せて異空間を彷徨い続ける。そして、長い時間が過ぎある世界へと流れつく。
「イツ....カ.....オ..マ.エ..ジシ....ンガ...セ.カ.....イ...ヲ.....ホロ...ボ..ス.....」
誰かも分からない声が聞こえ目が覚めるリュウセイ。しかし、周りを見渡しても自分がいた世界とは全く違う世界だと気づく。
「どこだここ。それにさっきの声はなんだ?」
辺りは草原で広がっており、近くには何も無く、遠くには町や城などが見えていた。状況がうまくつかめないということもあり、その場から動けない。かといって、ずっとこの場で停滞するわけにもいかないと思ったその瞬間、後ろから何かが襲ってきた。
「危ない!!」
一人の少女がそう叫び、一撃で獣を撃破した。何か不思議な力を使ったのか少女の体の周りには雷が帯びている。
「君こんなとこでなにしてんの?この辺りは魔獣がでて危ないよ!!!」
リュウセイは目を奪われた。彼女の容姿は自身を庇って行方不明の香夜に瓜二つな容姿をしており、強く彼女抱きしめた。
「香夜...香夜....」
存在を確かめるように何度も彼女の名前を呼び、強く強く抱きしめあの日の出来事の事を聞こうと思ったときに彼女からなにか聞こえてきた。
「......な...せ.....」
「ん?香夜どうした?」
「離せっていってんの!この変態ーーーーー!」
彼女の拳がリュウセイを吹き飛ばし、怒りのオーラが吹き出しもう一撃くる気配だったため慌てて止めに入る。
「ちょちょストップ!!ストップ!!俺が分からないのか香夜!!」
彼女の動きが止まるも、怒りがおさまっていない様子だがとりあえず彼の話を聞くことにするなぞの少女。
「誰よあなた!!それにあなた何で私の名前を知ってるの?」
「俺はリュウセイで、香夜は俺の幼馴染みで恋人だ!本当に分からないのか?」
「私あなたのこと知らないわよ!それに私に幼馴染みはいない。」
リュウセイは今までの経緯をカグヤに話したが、自分の言葉や記憶に違和感を感じるも気にかけなかった。
「こんなとこじゃ危ないし、私が住んでる町に案内するよ!」
これがリュウセイとカグヤの出逢いにして、世界を揺るがす物語の始まりである。