ゲームは好きですか?
春、学校に行って適当に授業して帰宅をし、ゲームをして過ごす。
そんな変わらない毎日を送っている高校二年生、泉心一はあくびをしながら登校している。
「ふぁ~、俺もゲームは好きだけど恋愛もしたいなあ」
こんな162センチの身長でゲーム好きでアニメも好きで顔も悪い俺が彼女なんぞ出来るはずもない。
髪はかなりの癖っ毛だし?
「はぁ・・・」
とため息をついてしまう。
「青春したいよなあ~」
つぶやいた瞬間だった。
すぐ近くに女の子が居たのだ。桜並木に背中を預けてこちらを見ている。
やべぇ・・・聞かれたかもしれない。それってかなり恥ずかしくない?てかやばくない?
そんなことを考えているとその女の子から口が開かれる。
「そうだよね青春したいよね?じゃあ部活は入ってる?」
聞かれてたぁぁ・・・・思いっきり聞こえてたー!
その女の子は容赦なしに質問を続ける。
「ねえ、聞いてる?もし部活入ってないならさ、ゲーム部とかどう?」
この女の子は俺が一年生とでも思っているのだろうか。
「悪いけど、俺一年生じゃないんだ。他を渡ってくれ」
ゲームは好きだがあえて帰宅部を隠す。だって面倒だろ、趣味でゲームをしていたい。
冷たくあしらったつもりがこの女の子は笑顔でこう言う。
「君、ゲーム好きでしょ?しかも趣味範囲とか思ってるけどガチになっちゃってるタイプ」
「俺は趣味で好きなんだ。部活とかゲームの大会とかそういうのはちょっと」
桜並木の満開の中、彼女は悪戯な顔でこう言う。
「私、君は将来ゲームで人を感動させる事ができちゃうくらい才能あると思う。だって君がゲームの大会に出て優勝しちゃってるところ見ちゃったし」
「いつの話だよ。俺は全く覚えがない」
「またまた~照れちゃって、いいから行こっ!」
背中をばんばん叩いてきたと思いきや急に腕を引っ張られる。
「ちょ!ちょっと!」
こうして名前も分からない桜色の髪の毛をした女の子と新学期が始まる。
でも、本当に初対面だろうか?会った事があるような違和感を抱きながら俺はいつも歩いている道をいつもと違う日で校門を潜り抜けた。